東京地裁で一人の男性が自殺

 昨日のニュースで流れていたのが、このニュースだ。 

東京地裁で一人の男性が自殺・・・


 一瞬、裁判所の中で誰かが自殺したのかと思った。過去に裁判官が自殺したことがあっただけに、あるいは、という思いだった。ところが、そうではなかった。
 

東京地裁で一人の男性が自殺した原因が上司のパワハラか否かが争われた事件の判決が言い渡されました。


 「東京地裁で」は、ずっと後ろの「言い渡されました」を修飾しているのだが、ずっと手前の「自殺した」も被修飾語として適格性を備えているから、聞いた側は、ひとまず、「東京地裁で」が「自殺した」を修飾しているものと考えるのである。他方、仮に「東京地裁で」ではなく「東京駅で」であれば、「自殺した」を修飾するものとしか考えられない。

 冒頭の例は、こうすれば、一瞬であれ、誤解することはない。 

一人の男性が自殺した原因が上司のパワハラか否かが争われた事件の判決が東京地裁で言い渡されました。


 ニュースの原稿の場合は、このように語順を入れ替えるしかないが、文字の場合は、次のような書き方ある。

東京地裁で、一人の男性が自殺した原因が上司のパワハラか否かが争われた事件の判決が言い渡されました。


 読点「、」一つを挿入するだけだが、これで、文意は明確になる。これを、先の東京駅の場合、「東京駅で、」とすると、途端に「駅で判決を言い渡すのか」という不可解な文章になってしまう。

 語順の問題、読点の問題、このブログでも述べたことであり【目を覚ましたメリーは、恐怖のあまり地下室に潜んでいた男を殺してしまう】、目新しいものではないのだが、練習問題として挙げたものである。
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