宗教改革


英語で読む高校世界史】の195頁に、ヨーロッパの宗教改革後の新教、旧教の勢力範囲を示す地図が掲載されている。

宗教改革


 新教(プロテスタント)と旧教(カトリック)の勢力範囲の、おおよその境界線が黒っぽい灰色の曲線で示されているのだが、その曲線の引き方が理解に苦しむ。

 新教は、ルター派、カルビン派、イギリス国教会であり、それぞれの勢力圏は、薄緑薄紫薄灰紫で着色されているのだから、その部分と旧教のピンク色の部分の境界に曲線を引けばいいはずである。
 
 ところが、地図上の、現在の国名で言えば「チェコ」のあたり(下の地図の赤線で囲った部分)はルター派なのだが、ドイツとの間に新旧の境界線が引かれて、旧教側に組み入れられており、はっきり言えば、「間違い」である。

 もちろん、新教、旧教の「おおよその」勢力圏を示すという目的から、飛び地のようなところは、無視するのもやむを得ない。たとえば、南フランスには、新教であるカルビン派の地域(下の地図の赤の点線で囲った部分)があるが、これが曲線の南側、すなわち旧教側に組み入れられているのは、やむをえない。

 ところが、「チェコ」のあたりのルター派は、ドイツと繋がっているのだから、ここを切り離して旧教側に組み入れるのは理解に苦しむ。

宗教改革-2


 ここまで書いて改めて思ったのだが、どうして、名の通った出版社の教科書に掲載されている図に、どうして、こんな明らかな誤りが掲載されて、放置されているのか、という問題である。

 個人がネットに掲載している地図なら、その個人の思い込み、不注意などによって、誤った、理解に苦しむ情報が掲載されるのも、「やむをえない」と言わざるを得ない。このブログも、私一人で作っているため、気がつかない誤りが潜んでいるかも知れない。

 けれども、今回の素材として取り上げた書籍は、元は、高校の教科書である。一般の書籍以上に、念入りに校正がなされていると思うのだが、それでも、こんな誤りが放置されているのである。

 素材を提供してくれた出版社には、メールを送っておこうと思うが、これまでの多くのケースと同じく、「貴重なご意見、ありがとうございました。今後の当社の業務の参考にさせていただきます」と言った定型文の回答が自動送信されてきて、「それっきり」ということになるのか、実際に次の版から改訂されるのか、楽しみである。


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