内容が同じなら、表現も同じにする

 弁護士ドットコム38号に労災給付と自賠責保険に関する裁判の解説が載っている。その中に、遅延損害金起算日につき、各裁判所の判断の違いを比較した表がある。

遅延損害金


 ぱっと見た瞬間、3つの裁判所で異なる判断をしたのかと思った。

 だが、第1審と控訴審の各判断を読んでみると、表現上の違いはあるが、起算日を「判決確定日」としている点では、違いがない。だったら、ことさら異なる表現をするべきではない。表現が異なれば、実質的にも違うのだろうという誤解を招きかねないのである。

 次に問題なのが、「第1審」「控訴審」「最高裁」という表現だ。どう問題なのかは、下の表を見てほしい。

審級

 左の列は末尾が「審」、右の列は末尾が「裁」となっている。

 つまり、事件の進行状況を、事件の進行段階から見たのが左の列であり、事件が係属し判断を下す裁判所から見たのが右の列である。

 記事のように異なる観点からの分類を混在させるのは、読者の思考を混乱させるだけである。

 どちらかの分類で統一する場合、私は、「裁」の方で統一するのがいいと思う。

 というのは、「審」は抽象的な概念であるのに対し、「裁」は、具体的な裁判所の場所、建物、あるいは、裁判官を意識させるものであり、より、理解しやすいからである。

 同じものを指す場合でも、できる限り、抽象的な概念を避け、具体的な実態をイメージできる言葉を用いるべきことは、以前のブログ、【フランチャイザーの・・・】の 【5】「加盟店」か「加盟者」か  にも書いたとおりである。









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 このブログは、「時間泥棒」を立派に更生させることを目的として開設したものです。

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