数字は、過去と比較してこそ意味がある

 今日の 「教えてもらう前と後」という番組で、「安倍内閣が憲法改正に向けて並々ならぬ意欲を持っている」ということを述べていたが、その根拠は、以下のものだった【第34回「池上彰が“どこよりも早く振り返る”2018年決定的瞬間」】。

【1】 先月の内閣改造後の閣僚20人中18人が神道政治連盟国会議員懇談会の会員である。
【2】 神道政治連盟は憲法改正を積極的に目指している。



神道政治連盟


 けれども、この論理は、極めて不十分である。

 たとえば、閣僚中に占める懇談会員の割合が、以前は5割にも満たなかったのが、今回は9割になったというのであれば、上記の結論を導くのも肯けるのだが、以前の割合は示されていない。

 そこで、調べてみたところ、次のようになっていた(空欄は不明)。

懇談会


これを見ると、過去に2回、閣僚中に会員が占める割合が90%以上になっている。そうすると、今回の改造で特別に割合が増えたわけではないことが分かる。

 また、仮に、与党議員の95%が会員だったとすると、閣僚の90%が会員というのは、何も特別なことではないことが分かる。

 今回の内閣改造で、閣僚中の会員数が90%だったという事実から特別な意味を読み取ることができるのは、
  【1】 時系列的に、突出していること
  【2】 与党議員中に占める会員の割合に比べて突出していること
 この2点が肯定された場合に限るのだが、【1】は事実ではないし、【2】は不明である。

 今回の論理の飛躍は、下記の記事で指摘した論理飛躍と同様のものである。

  【オーケストラは理系のサークル活動?
  【割合の単純比較は、危険 シートベルト不着用の危険性


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