医大入試の男女差別の「救済策」

 東京医科大学の不正入試を巡って女性差別被害弁護団が結成されたという【東京医科大 女子55人不合格 弁護団「言葉がない」 テレ朝news 2018.10.24

 「女子55人不合格」というのが、どのような意味なのかが気になった。

 検討のため、以下のような説例を想定する。

 合格定員100名のところ、合格ラインを70点とすると、男子60人、女子40人が合格したはずだが、大学側は、男女比を7:3にしようと考え、男子の合格ラインを60点、女子の合格ラインを75点としたとする。

不合格-2

 上の図で、「B」の10人は、合格ラインの操作がなければ合格できたのであり、操作の被害者である。

 では、「C」の5人は、どうか。

 同じ、60~70点でも、男子なら合格したのに、女子であるがゆえに不合格になったのだから、男女差別の被害者とは言える。

 けれども、「C」の5人は、合格ラインの操作がなかったとしても、本来の合格ライン70点に届いておらず、合格はできなかったのだから、合格ラインの操作によって不合格になった、という訳ではない。

 冒頭の「女子不合格55人」というのは、本来の合格ラインに達していたのに不合格になった者(図の「B」に相当する)が55人という意味なのか、操作後の男子の合格ラインに達していたのに不合格になった者(図の「B」+「C」に相当する)が55人なのか、記事を読んでも、どちらか分からない。

 男女差別の救済策として、「B」の10人に追加合格を出すのは当然だが、「C」の5人に追加合格を出すのは、疑問が残る。

 とはいえ、男子は60点~70点で10人が合格しているのだから、その合格を取り消さない限り、「C」の5人に追加合格を出さなければ、男女差別ということになる。

 かといって、追加合格を出したら、本来、合格できなかったのに、大学が男女差別をしていたため、思いがけずも追加合格の恩恵にあずかれるわけで、割り切れないものがある。

 被害弁護団は、どのように考えているのだろうか?

----- 追記 2018.10.25 -------------------------------------------------------------------

 もう一度、得点分布表の数字に注目してほしい。

不合格-2

 出てくる数字は、40,30,20,10,5,100,60 と、全て異なった数字だ(10 だけは、男子の合格者を増やした分と同じだけ女子の合格者を減らすのだから、必然的に、同じ数字にせざるを得なかった)。

 同じ数字を複数箇所で使ったら、読者が混同しかねないからだ。

 この点については、以前の記事【兄の名前は「坂上二郎」】を参照されたい。

 なお、「D」は、元々は、50人だった。「C」の5人と合わせると、55人になる。そうすると、冒頭の見出しの「55人」と同じ数字となり、混同しかねない。そこで、50人を60人に変えた。こうすれば、混同のしようがない。

 自分で、こういった配慮をしながら、おそらく、ここまで配慮をして文章を書いている人は極めて希だろうと思う。けれども、決して難しいことをしているのではない。その気になれば、誰でもできるはずだ。

 要は、自分の文章を、他人に、迅速、的確に理解してほしい、という思いを、実行に移すか否かである。

 読者の皆さんは、自ら実践するのはもちろんのこと、可能な限り、このブログの存在を周囲の人に伝えて、広めてほしい。

 
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