名詞は漢字に限る

 最近、将棋関係の文章を素材にすることが多くなったが、今日も、そうだ。

 先崎学という羽生世代では珍しくタイトルをとっていないものの、文才に目覚めて週刊文春に連載をもっていたほどの人の「摩訶不思議な棋士の脳」というエッセイ集からの引用だ。

 昨年、羽生王座からタイトルを奪った中村太地が、その5年前に羽生棋聖に挑戦することになったときのことを書いているのだが、こんな一節がある。

将来の将棋界を担うべき大器が大舞台に初見参するわけで、個人的にも大いに注目している。勝ったら、夏にはもでもオゴってもらおうかと思っている。


 「夏には」とあるので、夏に何かをするのかとおもったら、「もでもオゴってもうおうか」とあり、意味が通じない。読み返すと、「はも(鱧)」であることが分かる。

 ここは、漢字か、カタカナで書くべきである。

 これまでも何度となく書いているのだが、日本語の可読性は、漢字仮名混じり文であることに支えられている。

 平仮名が、ベターッと続いていたら、単語の切れ目が分からなくなる。大まかに言えば、名詞と動詞を漢字、その他を平仮名とすることによって、単語の切れ目が明確になり、読みやすくなるのだ。

 ちなみに、ほとんど平仮名ばかりの小学校1年生の国語の教科書では、こうなっている【なかがわえりこ「くじらぐも」】。

鯨

 単語の切れ目にスペースを入れて可読性を高めているのである。

 可読性を高める手段としては、次のような方法がある。
  【1】 漢字と平仮名の使い分け
  【2】 スペース
  【3】 区切り文字(読点、括弧、など)



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