タイトル獲得ならず

 【毎日 2018.9.3 将棋 藤井七段、菅井王位に敗れる タイトル獲得ならず】という記事があった。

 将棋のタイトル戦というのは、概ね、次のような段階を踏んでいる。
  ・ 一次予選
  ・ 二次予選
  ・ 挑戦者決定戦
  ・ タイトル保持者と挑戦者との七番(五番)勝負

 「タイトル獲得ならず」というのは、理屈の上では、一次予選の緒戦で敗退した場合から、七番勝負で3勝4敗に終わり、タイトルが獲得できなかった場合までの全ての場合を含む。

 けれども、「タイトル獲得ならず」と言われると、普通は、タイトル保持者との番勝負に望んだが、敗退したのだと思ってしまう。実際は、藤井七段は挑戦者決定戦の二回戦で敗退したのだった。その点では、この見出しは、「ミスリード」というべきである。

 「100%完成したという訳ではない」と言われれば、90%くらいはできていると思うが、1%しかできていなくとも、形式的には、「嘘」ではない。

 「私は酒を全く飲まないわけではない」と言われれば、その人が酒豪だとは誰も思わないだろう。

 「最高裁には行ったことがありません」と言われれば、地裁には行ったことがあるのだろうと思ってしまう。

 一般化するために、ある事柄について、両極をゼロ、100とし、その間に、1から99まで、様々な状況があり得るとする。

 「100ではない」と言えば、98か99、どんなに下でも、90程度だろうと思い込む。ところが、現実は、10のこともあれば、ゼロのことだってあり得るのだ。

 けれども、本当は5や10なのに、「100ではない」という言ったり、書いたりする人がおり、それが意図したものであれ、無意識のものであれ、見聞きした側は、少なくとも、90以上だと思いがちなので、要注意である。





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