タウリン1000ミリグラム

 以前、【マグネシウムは、41ミリグラム】という記事を書いたが、仮に、41ミリグラムでなく、「0.041グラム」だったら、あのとき「凄い!」と感嘆していたタレントも、それほどには感嘆しなかったのではなかろうか。

 リポビタンDのCMで、「タウリン1000ミリグラム配合」という言葉が耳に焼き付いている人は多いと思うが、これなども、1グラムと表現すれば足りるところを、ことさら、大きな数字を使って、たくさん含まれているのだという印象を与えるだけのものだと思っていた。

 実は、「タウリン1000ミリグラム配合」というのが栄養ドリンクのCMだというところまでは分かっていたのだが、具体的に何というのだったか思い出せなかったので、この記事を書くに当たって、ネットで調べて、リポビタンDだと分かったのだが、そのとき、思いがけない内容の記事に遭遇した。

 【「タウリン1000mg配合」は「1g」ではない!】という記事で、以下のように、1グラムではなく1000ミリグラムとしているのを擁護するような内容の記事である。

 

 1000mg配合と1g配合では同じ意味ではない。誤差範囲が異なるのだ。
 1g配合だと、有効数字が1ケタしか無く、誤差範囲は四捨五入で考えると0.5g以上1.5g未満となり、1gも幅がある。
 しかし、1000mg配合と表記すると、有効数字の精度は4ケタもあり、誤差範囲は999.5mg以上1000.5mg未満となる。
 リポビタンDはタウリンというありふれた成分ですら誤差範囲を1mg未満に抑えるほど精密に製造されているのだ!


 言われてみれば、その限りでは、なるほどと、納得できる。

 けれども、「誤差範囲を1mg未満に抑えるほど精密に製造されている」ということを表現したければ、他にも、「1.000グラム」という表現もあったのだ。

 CMに、「1.000グラム」ではなく、「1000ミリグラム」を採用したのは、やはり、大きな数字を使って、実態より多量に配合されているように見せかけようとする意図が働いていたとしか考えられない。

 ところで、「タウリン」だが、いったい、どのような効能があるのだろうか、私自身、年に1、2回は、リポビタンDを飲んでいるのだが、何となく「元気の素」ぐらいの認識しかない。

 しょせん、CMは、視聴者に「本当に理解してもらう」ことを目的としているのではなく、「なんか元気が出そうだし、飲んでみよう」という気にさせることが目的であるから、「タウリン」が何かを説明する必要などはないのである。

 このようにして、CMは、確実に人々の思考能力を奪い続けて行くのである。

 このブログは、そのような社会に対する細やかな抵抗である。

 最後に、天才CMディレクターと呼ばれた杉山登志氏の言葉(遺書)を掲げておく【Wikipedia 杉山登志】。

  リッチでないのに
  リッチな世界などわかりません。
  ハッピーでないのに
  ハッピーな世界などえがけません。
  「夢」がないのに
  「夢」をうることなどは……とても
  嘘をついてもばれるものです。
                     — 杉山登志




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