1m×1m×2cmは、何リットル?

 先日、関西電力の高浜原発4号機で定期検査中に警報が発信されたという発表があり、その中に次のような記述があった【関西電力からのお知らせ 2018.8.19】。

直ちに現場の状況を確認したところ、床面に約1m×約1m×約2cmの油(約2リットル)が漏れていることを確認したことから、制御油ポンプを停止しました。


 「約1m×約1m×約2cm」の最後「2cm」の印象が強く、極薄くベターッと油が拡がったのだな、1m四方に広がったのを見れば結構な量に見えるかも知れないが、結局は、たいした量ではないのだな、と思った。

 だが、後ろに、「約2リットル」と書かれているのを見て、よくある大きめの飲料水のペットボトル1本分になるのだから、そんなに少ないとは言えないな、と思った。

 それで、念のため、「約1m×約1m×約2cm」というのが、実際に2リットルになるのか計算をしてみようと思い立った。

 すると、どうだろう。

 100cm × 100cm × 2cm = 20000 立方センチ つまり、 20リットルだ(1リットルは、1000立方センチ)。

 20リットルと言えば、普通の灯油缶一缶分の量であり、ペットボトルなら20本、結構な量である。

 関電は、油漏れを些細なものであると印象づけるために、意図的に、「2リットル」と記載したのか。

 ところで、この関電の発表の「2リットル」という数字を、マスコミも、そのまま報道している【NHK 高浜原発4号機で油漏れトラブル 2018.8.20 (Internet Archive)】、【福井新聞 高浜4号で潤滑油漏れ 給水ポンプ 定検中、床に2リットル】、【フクナワ 高浜原発4号機で潤滑油漏れ 定検中、床に2リットル 】。

 関電の発表を鵜呑みにするのでなく、ちゃんと自分で再計算するという程度の検証さえしていないのか。検証したけれど気づかなかったのか。そうすると、小学生レベルの計算間違いでさえ、分からないということになる。もっと複雑な問題になったら、関電の発表を右から左へと垂れ流すことしかできないのではないか。

 仮に、関電が、マスコミの能力は、その程度のものだと承知の上で、あえて過小な数字を発表したのであれば、マスコミも舐められたものである。

 もちろん、関電自体が計算ミスをして発表した、という可能性も否定できない。

 だが、この程度の簡単な計算さえできない人物が広報担当であったとしても、この発表は、技術系の社員も、相当数が見ているはずである。それでも気づかず、この誤りが放置されているとしたら、その程度の会社に、原発のような危険極まりない設備を扱う資格はないと言わざるを得ない。

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---- 追記 2018.8.30 --------------------------------------------------------------------

 「小学生レベルの計算」と書いたが、Youtube で、【小5・算数 体積の求め方のくふう】という解説があった。


---- 追記 2018.10.4 ---------------------------------------------------------------------

 その後の関電の発表に基づき、本稿の続編【関電高浜原発の油漏れ事故の真相?】を書いたので、ご覧いただきたい。


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