可食してもよい

 まだ少し早いが、これからフグの季節ということなのか、昨日のテレビでフグ調理の免許の話題を取り上げていた。

 これまでは日本海側に生息していた種類のフグが北上して津軽海峡を太平洋に抜けて別の種類のフグと交配し雑種が登場したのだが、まだ、その雑種の毒性が解明されておらず、誤って食する可能性が増えている、という話と、都道府県ごとに免許が異なり、かなり緩い基準で免許を取得できる県もあり、安全性の点で問題だ、という話だった。 

 そこで、気になって、ネットで各都道府県の状況を調べてみたのだが、【大阪府のサイト】に、こんな表題の解説があった。

ふぐの可食してもよい種類と部位について


 「可食」というのは、「食べてもよい」ということなのだから、「可食してもよい」というのは、「よい」という意味の単語を二重に用いていることになる。

 同様の例で、よく見かけるのは、「過半数以上」である。「過半数」は「半数を超える」ということなのだから、「以上」をつけると重複表現になる。

 古典的な「馬から落馬する」といった重複表現は、同じ漢字「馬」が二回登場するので、重複表現であることに気づきやすいのだが、上記の二つは、意味は同じでも見かけは異なることから、重複に気づきにくいので、要注意だ。

 もちろん、重複表現をしたからと言って、「分かりにくく」なるわけではないし、むしろ、念を押しているのだから、それでいいだろうという考えもあるかも知れない。

 けれども、やはり、重複表現をしているのを見ると、書き手の姿勢、注意力まで、その程度のものか、という目で、文章全体を見られるのであり、避けるに越したことはない。

 人様にこんなことを言っている私だが、実は、ときおり、同じ間違いを冒しそうになることがある。

 裁判所に提出する書面で、こんなふうに書いてしまうのだ。
 

・・・であるから、明らかに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・であることは明らかである。


 振り返って見ると、必ずしも「明らか」とは言い切れないときに限って、こういった表現をしてしまっているようである。

 内容に十分な説得力があれば、「明らかに」などと書かなくても、当然、分かってもらえるはずである。

 一つの文の中に「明らかに」が二箇所も出てきたら、読み手としては、「書き手も、あまり自信がないのだな」と思ってしまうだろう。

---- 追記 2018.8.31 --------------------------------------------------------------------

 報道ステーションを聞いていたら、高校の日本代表チームと宮崎県選抜の練習試合で、吉田輝星選手が「デッドボールを当ててしまいました」というアナウンスが流れてきた。

 ボールを当てたからこそ、「デッドボール」になるのだから、ここは、「ボールを当てました」、「デッドボールになりました」と表現すべきところである。

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