「ランドルト環」は、いらない

 一昨日の記事【背景と文字のコントラスト】に引き続き、「弁護士ドットコム」の話である。

 前回と同じ、第35号には、【 ネットトラブル訴訟実務 今知りたい「ポイント」と「課題」 】 という、大変、有益な記事が載っている。

 記事の内容だけでなく、デザインも、それなりに工夫した跡がうかがえる。

 まず、記事の最初で、ネットトラブルの現状に関する統計情報が掲載されているのだが、その見出しが、次のようになっている。

ネットトラブル-1


 30年くらい前だと、文字を拡大して印刷すると、上記の文字のように、「ギザギザ」になったものである。

 こういった文字は、「ビットマップフォント」というもので、当時のパソコンの能力からは、やむを得ないものだった。

 けれども、今では、どんなパソコンでも、「アウトラインフォント」が搭載されており、いくら文字を拡大しても、斜めの線が「ギザギザ」になることなく、滑らかなまま、表現される。

 あえて、こういった「ギザギザ」文字を用いたのは、インターネット登場以前の世界とは違う、新たな世界に入ったのだ、ということを強調したいがために、インターネット登場当時のパソコンに特有の「ギザギザ」文字を用いたのだろう。

 その狙い自体は、分からなくもない。たとえば、講演会のポスターなどの、アイキャッチャーとして、一箇所だけに用いる、というのであれば、それは、それでいいだろう。

 けれども、これは、雑誌の中の見出しである。この「ギザギザ」文字が、6頁中の15箇所の見出しに使われているのである。

 この「ギザギザ」文字を見る度に、ストレスを感じざるを得ない。アウトラインフォントで十分である。

 次は、記事中の統計のグラフである。

ネットトラブル-2

 ぱっと見ただけでは、この視力検査の輪っかの出来損ないのようなものは、なんだ?と思ってしまう。

 よく見ると、内側のパーセントの数字の大きさに対応していることが分かり、「なるほど」と納得する。

 けれども、それなら、普通の円グラフでいいではないか。このグラフのように、太めの円周の長さの違いよりも、円グラフの扇形の面積の大小の違いのほうが、より、視覚的に訴えるものがあり、分かりやすい。

 何度も言うが、「分かりやすさが第一」である。

 デザインは、自らの発想力、努力の跡を評価してもらうための手段ではない。より「分かりやすく」するための手段である。

 ところで、今回の記事の題名の「ランドルト環」というのは、視力検査の輪っかのことである。一般の人は、ほとんど知らないだろうし、筆者の私でさえ、30分前に知ったばかりの言葉である。

 あえて、こんな「分かりにい」言葉を用いたのは、いつも[分かりやすい」題名に慣れきっている読者に、刺激を与え、「いったい、何が書かれているのだろう?」という疑問をもって読んでもらいたかったからである。

 こんなことを書いていると、誰かのブログで、「筆者の独りよがり」と指摘されるかも知れない。






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