「道場営業・教室の時間短縮」

 一昨年の史上最年少棋士、藤井聡太四段の誕生以来、日本列島は空前の将棋ブームに沸いているが、私も、最近では、日本将棋連盟のサイトにアクセスして対局結果を確認したり、サイトで毎日出題される詰め将棋を解いたりするのが日課になっている。

 先ほど、将棋連盟のサイトを開くと、台風12号の接近に伴う措置として、次のような告知がなされていた。

 道場営業・教室の時間短縮等の対応をさせて頂く場合があります。販売も同様です。

 
 決して、「分かりにくい」文章ではない。

 けれども、読んでいて、ものすごく、ストレスを感じる(個人の感想です)。

① 道場営業・教室の時間短縮

 まず、「道場営業・教室の時間短縮等」の部分である。

 「教室」は「営業」ではないのか?
 
 要するに、道場も教室も時簡短縮の可能性がある、と言うことであれば、「道場」に「営業」を付け、「教室」に「営業」を付けないという、不統一な表現をするべきでない。「道場・教室の時間」とするか「道場・教室の営業時間」とすれば、よいではないか。

 多分、この文章を書いた人の深層心理には、「教室」というのは、人を育て教えるという崇高な行為が行われる場所であり、対価として金銭を徴収しているものの、「営業」という、「金儲け」を連想させる単語は用いたくない、という思いがあったのではないか。

 他方、「道場」については、ある程度の棋力を有する者に対局の場所を提供する、ということで、「教室」のような「教える」という要素がないことから、そのような抵抗感がなかったのではないだろうか。

 けれども、そういった「思い」は内に秘めておいてほしい。第三者にとっては、一定の金銭を支払って一定のサービスを受けるのであるから、「営業」の「ように」見える。

 サービス提供者の内心に基づいて、「営業」だったり、「営業」でなかったり、というのを、第三者に押しつけても、迷惑なだけである。

 こういった内部の「気持ち」「事情」を、不用意に外部への情報発信に際して表に出す行為の問題については、以前のブログ【内部の論理は、内部に留める】に書いたとおりである。

② 販売も同様
 
 次に「販売も同様です」の部分である。

 なぜ、ことさら、道場・教室と分けて説明しなければならないのか。

 まとめて、「道場・教室・販売の時間短縮等」と記載した方が、よほど、シンプルである。

 もちろん、「理論上」は、以下の違いがある。
  道場・教室..対価を得て、役務(サービス)を提供する
  販売・教室..対価を得て、物を提供する

 これを、法律的に言えば、以下の違いとなる。
  道場・教室..役務提供契約(委任契約、請負契約・・・)
  販売・教室..売買契約

 けれども、法律的な問題を論じているのではない。

 要するに時間短縮等があるか否か、ということに過ぎない。だったら、区別する必要など、まったくない。
 
 「必要のないことは、しない」というのが、「分かりやすさ」の鉄則である。

 上で、「区別するいつ要など、まったくない」と言ったが、順番は別である。
   ○ 道場・教室・販売
   × 道場・販売・教室

 つまり、道場、教室といった似通ったものの間に異質な販売を含むべきではない、ということである。

 なお、いくつかの物を列挙する場合の注意点について、以前の記事【例を挙げるだけでは伝わらない】にも目を通してほしい。



 



 
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 難解な文章で読者の貴重な時間を奪ってしまう人達のことを、「時間泥棒」と名付けました。

 このブログは、「時間泥棒」を立派に更生させることを目的として開設したものです。

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