表が嫌だとは言わせない

 以前、遺産分割調停で相手方代理人から提出された書面を見て頭がクラクラした。不動産の評価の仕方で、妻の相続分が、どう変わるかをシミュレーションしているのだが、こんな感じだった。

 【1】A不動産の評価を、1500万円とした場合(固定資産産評価額)
   預金 1000万円
   相続財産合計 2500万円
   妻の相続分  1250万円
 
 【2】A不動産の評価を、2000万円とした場合(甲不動産(株)査定額)
   預金 1000万円
   相続財産合計 3000万円
   妻の相続分  1500万円
 
 【3】A不動産の価格を、1800万円とした場合(乙不動産(株)査定額)
   預金 1000万円
   相続財産合計 2800万円
   妻の相続分  1400万円 


 上の例は、提出された書面を単純化したものだが、実際は、他にも相続財産がいくつかある上に、「特別受益」「遺留分」なども登場して、それらが、3頁にわたって延々と記載されていた。

 こんな書面を前提に考えようとしても、とても考える気力が湧いてこない。そこで、私の方で、エクセルで一覧表を作り直して、裁判所に提出した。こんな表だ。

遺産


 不動産評価の違いは、横一列に並んでおり、一目瞭然だし、結果としての、妻の相続分の違いも、一番下の行に並んでおり、これも一目瞭然だ。

 他方、最初の書面だと、いちいち、頁をめくって該当部分を探さなければ、上記のことは分からない。私には、こんな効率の悪いことは耐えられないのだが、こういった書面が書ける人は、並外れた忍耐力の持ち主なのだろう。

 遺産分割にせよ、交通事故にせよ、弁護士業務において、各種の数字を扱わなければならないことが多いのだが、そんなとき、表にするかしないかで、一覧性に大きな違いが出てくる。

 30年前ならいざしらず、エクセルのような便利な表計算ソフトがある今の時代に表にできるものを敢えて表にしない、ということは、許されない。民事訴訟規則を改正して、表にできるものは表にするように義務づけてほしいものである。

 文章でだらだら書くのではなく、表にすべきだということは、これまでも繰り返し書いてきたが、それだけ、重要だということである。

   【期限内に提出されたものが・・・
   【表にするしかない!
   【営業時間の表示は、こうする



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 このブログは、「時間泥棒」を立派に更生させることを目的として開設したものです。

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