ビットコインの画像

 古くからの読者の方は気づいておられるだろうが、このブログの最初の頃の記事は、画像(図表、写真など)はなかった【2014年3月の記事・9本】。

 ところが、次第に画像が増えて、ここ1年くらいは、画像のない記事の方が珍しいくらいだ。

 法律書でも、私が学生の頃は、文字だけというのが普通だったが、30年くらい前から、簡単な図解が取り入れられるようになってきた。

 国会中継でも、質問に立った議員が問題点を図解したパネルを示すというのは、日常的な光景になってきている。

 こういった画像を用いるのは、「分かりやすさ」、「記憶に残りやさ」の点で、単なる文字情報より遙かに優れているからである。実際、自分で過去の記事を見返すときも、画像をみれば、一瞬にして内容が思い出せるのに対して、画像がなければ、冒頭の数行を読まなければ、思い出せないのである。

 ただ、分かりやすく、記憶に残りやすいということは、誤った理解、印象を、広く、長く与えてしまう危険があるということであり、そのことは、常に意識しておかなければならない。

 たとえば、ネット上の仮想通貨「ビットコイン」だが、ネット上には、次のような画像があふれている【グーグルでの画像検索】。

ビットコイン

 こういう画像を何度も見せられていると、「仮想通貨」のはずなのに、物理的に存在するような気がしてくる。

 私自身、4年前、ビットコイン取扱業者のマウントゴックスが破綻した際に相談を受けたことがあり、いろいろ仕組みを調べたこともあって、「仮想通貨」であることは百も承知しているのだが、それでも、こういった画像を見る度に、物理的に存在するような気がしてくるのである。

 ビットコインという言葉は、ここ1年ほど、テレビでも結構、取り上げられるようになって、耳にしたことのある人も多いとは思うが、こういった画像がすり込まれていけば、一方で「仮想通貨」という説明を聞いてはいても、なにか物理的に実在するもののように記憶に定着していくのではないだろうか。

 そのうち、真鍮か何かで作った「ビットコイン」を売りつけるという、新手の詐欺が出てくるのではないか、心配である。「そんな馬鹿な?」と思われるかも知れないが、あれほど、「振り込め詐欺」がテレビや新聞で取り上げられているにも関わらず、未だに被害が後を絶たないことを考えれば、決して杞憂ではない。

 ところで、ビットコインとは違って、こちらは実在の硬貨なのだが、誤った印象を与えかねない画像がある。

8パーセント

 消費税が5%から8%に引き上げられたとき、NHKのニュースで、こんな画像をよく見かけた。

 そのとき思ったのは、なぜ、5円玉と1円玉なのか、ということだ。100円の物を買うのなら、消費税は8円だが、年間消費支出は、ほとんどの国民が100万円を超えているだろう。だとすれば、ニュースの画像は5円玉や1円玉ではなく1万円札というのが実態に即している。

 税抜き金額で100万円の支出をしていた人にとっては、消費税が5万円から8万円になるわけで、結構高額な負担なのだが、5円が8円になるだけなら、微々たる金額、という印象を持ってしまう。

 「印象操作」というのは、こうするものだ、ということを教えてくれる好例である。



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 このブログは、「時間泥棒」を立派に更生させることを目的として開設したものです。

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