私が殺人罪で逮捕されたときから・・・

① 私が殺人罪で逮捕されたときから弁護していた被告人は、京都の出身です。

② 私が殺人罪で逮捕されたときから弁護してくれた弁護士は、京都の出身です。


 ①は、とあるSNSでの発言なのだが、「私が殺人罪で逮捕された」の部分を見て、一瞬ぎょっとした。後ろの「弁護していた被告人」のところまで読めば、逮捕されたのは「私」でないことは明らかなのだが、人騒がせな一文である(あるいは、注意を惹きつけて、最後まで読ませよう、という意図だったのかもしれないが・・・)。

 これに対して、②の場合、逮捕されたのは「私」であり、何の問題もない。

 ①の意味を伝えたいときに、一瞬の迷いも生じさせることなく正しく伝えようと思ったら、次のようにすればよい。 

【原文】  私が殺人罪で逮捕されたときから弁護していた被告人は、京都の出身です。

【修正例】 殺人罪で逮捕されたときから私が弁護していた被告人は、京都の出身です。


 主語の後に動詞が二つ以上ある場合、主語は一番目の動詞に対応していると考えるのが普通である。二番目の動詞と対応することを明示するには、主語の位置を一番目の動詞の後ろにずらすほかない。

 ただ、そうすると、一番目の動詞に対応する主語は文中には存在しないことになる。すると、読み手の側で、なんとか、主語を補おうと考えることになるだろう。その場合、一番、候補に挙がりやすいのが、書き手、すなわち「私」である。主語を省略する場合の多くが、そうだからである。

 そこで、その懸念を払拭する必要があるのだが、次のようにすればどうだろう。 

【再修正例】 本人が殺人罪で逮捕されたときから私が弁護していた被告人は、京都の出身です。


 「本人」と言えば、読み手には、「書き手以外の誰か」と思ってもらえるに違いない。



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 弁護士として、どうすれば、効率よく、的確に、情報を取得・提供できるか、ということを常に考えています。

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 このブログは、「時間泥棒」を立派に更生させることを目的として開設したものです。

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