表の作成にあたっての注意事項

 先日のブログ【伝達力と説得力】では触れなかったが、表の作成にあたっても、「分かりやすさ」のための工夫が随所に凝らされている。
 
 再度、表を掲載するで、練習問題だと思って、私の説明を読む前に、どこに工夫があるのか、その工夫の持つ意味は何か、ということを考えてほしい。

定数-1


定数-3


 色使い

 4つの表には、数字の意味、計算式を示すために、「議員1人当たりの有権者数」という言葉が全部で、7箇所、出現している。

 他方、各表で異なるのは、「各県」「鳥取」「神奈川」の箇所である。

 それぞれの計算式の違いを端的に理解してもらうためには、共通の「議員1人当たり有権者数」という言葉ではなく、「各県」「鳥取」「神奈川」といった、各式に固有の部分に着目してもらう必要がある。

 そこで、この、「各県」「鳥取」「神奈川」という文字については、太字(ボールド)、かつ、赤色にしたのである。

 ただ、「赤」といっても様々なのだが、ソフトが予め用意している「赤」は、それこそ目一杯の赤であり、そのまま使うと少しどぎつすぎて目に負担になる。そこで、少し明度を落として黒っぽくしているのである。

 コンピュータに苦手意識のある方には敬遠されるかもしれないが、ここで、コンピュータで色を表現するときの方法について、少し、整理しておく。

  コンピュータでは、色を、3原色(赤、緑、青)の組合せで表現する。

  具体的には、通常、各色の英語の頭文字と、各色の数値を組み合わせて、R=64、G=128、B=255 のように表現する。

  使われる数値は、十進法の、0から255までの、256段階である。

  ただ、コンピュータでは、16進法を使う場合が多く、16進法の、0~FFという数字が使われる。

  16進法では、0~9の数字に加えて、A~Fの文字が数字の代用として用いられ、Aは十進法の10、Fは十進法の15に対応する。上記の例を16進数で表現すると、R=40、G=80、B=FF となる。ただ、16進数を用いる場合は、R,G,Bを省略して、4080FFのように、6桁の数字で表現することが多い。

  そうすると、目一杯の赤は、FF0000 となり、暗めの赤は、例えば、990000 のようになる。

  このブログでも、本文の文字の色を変えているところでは、ソース(実際に画面で表示される文字列そのものと、その各文字の、色、大きさなどを指示するコンピュータに対する命令文とが、一体となったもの)には、【color=#4080FF】のような文字が書かれているのである。

  とは言っても、一々、ブログを書く際に、実際に、このような16進数を記載しているのではなく、色パネルを呼び出して、そこから適切だと思う色を選択すれば、ブログ作成ソフトが、コードを作成してくれるのである。

 このように、ソフトにコード作成を任せておいてもいいのだが、後から、「僅かに赤みを加えたい」と思ったときは、色の表現の仕組みを知っていれば、コードを開いて直接に、Rにあたる部分の数字を少しだけ増やすことができるし、その方が、色パネルを開くよりも適切に目的の色を設定することができる。

 鳥取県か、鳥取か

 上記の表の中では、「都」「府」「県」は省略している。分かりきったことは、極力、読者の目に触れないようにするのが、「優しさ」というものである。

 ただ、「道」だけは省略していない。「北海」という呼称は一般的でないからである。

 「不統一」ではあるが、ここでは、「不統一を回避」するのに勝る利益があるから、あえて、そうしているのである。

 これまでも述べてきたことであるが、このブログに書かれている「原則」は、あくまでも、「原則」であり、その都度、具体的に読み手のことを考えて、「例外」処理が妥当なときは、原則から外れることも必要なのである。

 数字の位置、桁揃え

 冒頭の表は、エクセルで作成したものだが、エクセルでは、数字は、セル(データが入る長方形の枠)の右端に寄せて表示されるのが原則である。

 この表の場合、セルが結構、横長になっているので、そのままだと、数字が極端に右端に偏ってしまい、見栄えが悪い。そこで、②の表では、センタリング(中央揃え)を行っている。

 ただ、センタリングは、桁数、少数以下の数字の数、それぞれが皆同じ場合にはいいのだが、①のように桁数が異なる場合、センタリングをすると、各数字の右端が揃わなくなってしまう。

 そこで、①の表では、右寄せインデント(数字の末尾をセルの右端から一定の間隔を空けたところにする)で対応している。

 最後に

 今日のブログでは、非常に細かいことを、くどくどと説明してきた。
 
 ・そこまで必要なのか
 ・そんなことまで、一々考えていられない

 と言う人も、いるかも知れない。

 けれども、私は、敢えて言うことにする。
 
 ・ここまで必要です!
 ・面倒でも、ここまで、するべきです!

 情報発信は、1対1のこともあるが、多くは、1対多である。メーリングリスト、ブログやSNS等になると、1対1000、1対10000ということも珍しくはない。

 「分かりやすい表現」によって、読み手の負担が、仮に、0.1秒でも軽減されるとしたら、1000人分の合計は、100秒、10000人なら、1000秒である。

 その「分かりやすい表現」をするために、書き手が1分間、余分な労力を費やしたとしても、社会全体では、差引、40秒から940秒(15分40秒)の得である。

 そう考えると、読み手に配慮して「分かりやすさが第一」を実践する行為は、ゴミを道路に投げ捨てないのと同様、社会人の当然の常識、エチケットとも言えるだろう。

 ただ、この「常識」の具体的内容は、発展途上であり、私自身、このブログを書き始める前の自分の文章を読み返してみると、よく、いい加減な文章を書いていたものだと恥ずかしくなることもある。

 話は飛躍するが、今では、公共の場での禁煙は当然の常識となっているが、約40年前に「嫌煙権の確立を求める市民の会」が発足した当時は、職場で1人で室内禁煙を求めても、相手にされなかったのである。

 また、20年前なら、飲んだ後で車を運転して帰ろうとしても、せいぜい、飲み屋の女将さんから「気をつけて」と言われるくらいだったが、今は、酒気帯び運転で摘発されたら、新聞に載ったり、下手をすれば、懲戒免職もありうる時代である。

 「昔は、こんな当たり前のことを、わざわざブログで書いている人がいたんだね」と言われる時代が来ることが、私の夢である。

 夢で終わるか否かは、ここまで読まれた読者の方の行動次第である。


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 このブログは、「時間泥棒」を立派に更生させることを目的として開設したものです。

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