写真の解説は、こうする 【続編】

 数学者・岡潔の著作を整理、解説した「数学する人生」【新潮社】の中の掲載写真の解説を素材に、【写真の解説は、こうする】という記事を書いたことがある。

 今日、その記事を読み返す際に素材となった解説も眺めてみたのだが、どうも、読んでいて落ち着かない。なんとなく、苛々するのである。

 その苛々の原因を考えているうちに、前回のブログで書いたこと以外に、問題点が満載なことに気がついた。

 以下、写真の解説の中の長方形の囲みの色と、問題点の解説の見出しの冒頭の「●」の色とは対応しているので、照らし合わせてみてほしい。

岡潔-枠


【1】 同一の対象は、同一の表現①


 「奈良市」と「奈良」。どちらも、同じようなものだが、単に「奈良」だと、「奈良市」以外の「奈良県」のどこか、という可能性もないではない。どちらも、同じ65歳の頃の自宅というのだから、「奈良」というのも、「奈良市」だろうとは思えるのだが、理窟の上では、そうとは断定できない。

【2】 同一の対象は、同一の表現②


 いずれも、岡潔、岡ミチの夫妻を指しているのだが、微妙に異なる表現となっている。

 もちろん、長い文章の中だと、同じ対象でも、文脈によっては違う表現を用いる方が適切な場合も、あるにはある。

 しかし、単に客観的な情報を伝えるだけの写真の説明文において、このような異なる表現を使うのは、「場当たり的」であり、読み手に余分な負担を与えるだけである。

【3】 「何かに関心を集めている」  主体と客体の関係に注意


 「関心を集める」というのは、主語となった人・物が、関心の対象となっている場合である。
 ここでは、「何かに関心を集めている」というのだから、関心の対象は、「何か」であり、著者は、「関心を集めている」のではなく、「関心を寄せている」のであろう。

【4】 「第三高生」  一般的でない表現


 要するに、旧制の第三高等学校の学生であることを表現したかったのだろう。

 だが、それなら、普通は、「三高生」という表現を用いる。

 グーグルで、それぞれを検索したところ、「第三高生」は「三高生」の7分の1程度の出現数であり、しかも、「第三高等学校の学生」とは違う意味で使用されているものが殆どだった。


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 難解な文章で読者の貴重な時間を奪ってしまう人達のことを、「時間泥棒」と名付けました。

 このブログは、「時間泥棒」を立派に更生させることを目的として開設したものです。

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