「R」は右とは限らない

 さきほど、近所のコンビニでアイスコーヒーを買った。

 といっても、缶や紙パックに入っているものではなく、氷の入った専用のカップを購入して、それを自分で機械にセットする方式のものだ。

 サイズが、レギュラー(普通)、ラージ(大)と二種類あり、それぞれカップをセットする場所が異なり、次のようになっていた。

コーヒー


 私が買ったのは普通サイズだから、当然、左側にセットしようとしたのだが、大きな丸で囲んだ「R」の文字が目に入って来て、一瞬、手が止まった。

 レギュラーは「R」だし、下には、「普通」と書かれてもいるので、そこにセットすれば何も問題はないのだが、一瞬、手が止まったのだ。

 というのは、「R」は、「L」との対比で、「右」を示すことがあるのに、この「R」は、左側にあったからだ。下に「REGULAR」と書かれているので、「RIGHT」でないことは明らかなのだが、「R」→「右」という慣れ親しんだ思考が邪魔をして、左側にセットすることが躊躇われたのである。

 製作者は、「R」「REGULAR」「普通」と念入りな記載をしているところから、消費者が間違えないように、それなりの注意をしていることは窺えるのだが、あと一歩、気づいてほしかったというのが、私の思いである。

 ここでは、むしろ、「R」、「L」という記載自体を削除するのが一番である。

 ここでの問題を抽象化すると、以下のとおりとなる。

略語を不用意に用いない


 略語は、略語の宿命ではあるが、本来の用語と1対1に対応しているわけではない。

 多くの場合、文脈から、どの用語に対応しているのか分かるのだが、常に分かるとは限らない。上記の例のように、「R」と「L」が並んで表示されていると、どうしても、「RIGHT」「LEFT」の略だと受け取られがちなのである。

文字と物理的配置には注意を払う


 「R」は、「RIGHT」の略と解釈される場合があるのだから、物理的にも、「右」に書いた方が混乱は生じない。エレベータの階数ボタンが、下から、1、2、・・・となっているのと同じである。

 このことは、これまでにも何度か書いたことがある。

 ● エレベータの階数ボタン
 ● 前列右から、加藤、清水、野間、高谷、石原、・・・
 ● 市ヶ谷キャンパスと市ヶ谷田町キャンパス

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