これが当社の商材です! 

 最近は少なくなったが、一時、ホームページの作成や、SEO対策の営業の電話が頻繁にかかって来ていた。

 ほとんどは、即座に断っていたのだが、たまに、興味本位で話だけは聞いてみようと考え営業マンの訪問を受けることがあった。

 ある日、営業マンの話を聞いていると、耳を疑うような発言があった。
 

これが当社の商材です。


 「商材」という単語は、文字通り、「商売の材料」という意味である。確かに営業マンからすれば、「商売の材料」には、違いないのだが、顧客になるかも知れない相手に対して、その言葉はないだろう。

 先方の目的は、当方と契約して、お金を支払ってもらうことである。

 そのためには、お金を支払おうという気になってもらうものを提供しなければならず、それが、「商材」というわけだが、あからさまに、「商材」という言葉を使われると、「お金を払わせるための道具」と言われているようで、いい気分がしない。

 ここは、「商材」ではなく、「製品」「サービス」といった言葉を使うべきである。

 もちろん、「商材」であれ、「製品」「サービス」であれ、その対価として金銭が支払われるのは事実なのだが、「商材」という言葉は、そのことが生々しく表面に現れているのに対して、「製品」「サービス」には、それが現れていないという違いがあるのだ。

 話は変わるが、私が契約したのではないのだが、ホームページ作成会社の使った言葉が顧客の意に沿わなかった、次のような例がある。

 そのサイトは、ある鍼灸院のサイトで、最新の治療法である「●●療法」というのを紹介することになった。

 ところが、作成会社は、「●●療法」ではなく、「●●事業」という言葉を使ったのだ。早速、鍼灸院の経営者は、作成会社に対して、「●●療法」に変更するように申し入れた。

 これも、先の例と同じく、「●●事業」というのは、鍼灸院サイドで収益を上げるもの、といったイメージが強いため、あくまで、患者さんに寄り添った表現である「●●療法」という言葉への変更を求めたものである。

 このように実態としては同じであっても、用いる言葉によって、受け手が抱く感情は異なるのであるから、相手に、どのような感情を抱いてほしいのかを常に考えて、言葉を選択すべきである。

 逆に、聞き手になったときは、相手が選択した言葉の表面上語感に惑わされないようにしなければならない、ということである。

 このことは、以前ものブログ【「忘れました」「失念しました」】にも書いたことである。

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 難解な文章で読者の貴重な時間を奪ってしまう人達のことを、「時間泥棒」と名付けました。

 このブログは、「時間泥棒」を立派に更生させることを目的として開設したものです。

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