犯罪取締りを強化しよう

 人が何らかの論理的な主張をする場合、単純化すると、次のような構造になる。
 

 ① Aという事実があれば、Bであるべきだ。
 ② 具体的にAに該当する事実が存在する。
 ③ よって、Bであるべきだ。

 

①は価値判断に関わる部分であり、②は事実認識に関する部分であり、この二つを組み合わせると、その結果として、論理的に、③が導かれる。

 たとえば、こんな具合だ。

 ① 犯罪が増えている【A】ならば、犯罪の取り締まりを強化【B】すべきだ。
 ② 殺人事件が増えている。
 ③ よって、殺人事件の取り締まりを強化すべきである。

 

 仮に①の価値判断が正しくても、②の事実認識に誤りがあれば、誤った結論③が導かれることになる。

 では、上記の②は、真実か?

 次の表を見てほしい。
 

殺人統計
殺人被害者統計

 意外に思われた方が多いのではないだろうか。

 殺人事件は、単に「増えていない」どころの話ではなく、「大幅に減っている」のである。具体的には、この60年間で、殺人事件の被害者の数は5分の1に激減しており、人口10万人あたりの被害者数は、2.4人から0.3人へと、8分の1に減っているのである。

 私自身、殺人事件が減っているという認識はあったもののの、これほどまでに減っているとは、つい、さっきまで知らなかった。

 池田の小学校での殺傷事件、秋葉原の路上での殺傷事件、相模原の施設での殺傷事件などが、これでもかというほど、テレビのワイドショーなどで取り上げられることによって、知らず知らずのうちに、殺人事件が増えているといった誤った認識が受け付けられて行くのだろう。

 多くの人が、誤った認識に基づいて、誤った主張をして、その主張に基づく政策が現実化して行くとしたら、民主主義とは、恐ろしい制度である。

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