本人が弁護士とともに出家することを伝えてきた

 依頼者にとって、弁護士は、いくら自分のことを理解をしてくれているといっても、やはり「他人」である。そんな中で、まるで自分自身が当事者であるかのごとく行動してくれる弁護士がいたら、どんなに心強いことだろう。

 先日、そんな弁護士の一人で刑事弁護で無罪判決を14件とったことがあるという今村核弁護士のドキュメント番組のことを友人に聞いて、早速、ユーチューブで、それを観た【ブレイブ 勇敢なる者 NHK】。

 私自身も、ネット情報の削除の事件については、自分に与えられた使命と感じるほど、力を入れており、まさに自分自身が当事者のように感じて、自らが原告になったり、刑事事件の告訴人、告発人になろうかなどと、考えることもある.。けれども、現実には、なかなか、そこまでできないものである。
 
 それだけに、今村核弁護士のような存在を知ると、無条件に尊敬してしまうのだ。とはいえ、自らの生活をも顧みずに依頼者のために全てを捧げる姿をみていると、せっかくの自分の人生なんだから、もう少し自分のことも考えたらどうなんだ、という思いもするのだが、そんな思いを抱くのは凡人の限界ということだろう。

 だからこそ、依頼者のために自らが当事者であるかのごとく振る舞う弁護士の話をを聞くと、どうして、そこまでできるのかと、興味が尽きないのである。

 ちょうど、そんな今村核弁護士の番組を観た直後に、清水富美加という女優が「幸福の科学」の活動に専念するため所属事務所を辞めるという記事を見たのだが、その一節に、こんな記載があった。

所属事務所によると、本人が弁護士とともに出家することを伝えてきたという。                                                       【朝日新聞 2017.2.13夕刊、大阪本社発行第4版16頁】


 これを見た瞬間、そこまで依頼者に寄り添い、一緒に出家までする弁護士がいるのかと驚いた。それにしても、そこまでするか?という疑問もあり、記事をよく読んでみると、弁護士まで出家するわけではないようだった。

 その後、同じ記事をネットで検索すると、以下のように、微妙に異なった表現になっていた。

関係者によると、本人が弁護士とともに所属事務所に対し、出家することを伝えたという。                             
朝日新聞デジタル 2017年2月12日19時52分


 この表現であれば、弁護士も出家する、という誤読の可能性は、ぐんと減るだろう。しかし、これでも、万全とは言えない。

 結局、「出家」の前に、「弁護士」という単語がある以上、いかに、句読点などを工夫したとしても、「弁護士が出家」と誤読する可能性があるのだ。だったら、以下のように、「出家」の後ろに「弁護士」を入れるほかはない。

所属事務所によると、本人が出家することを弁護士とともに伝えてきたという。


 より一般化して言えば、主語を動詞の直前に置く、ということになる。さらに一般化すると、これまでも、何度も触れて来たことであるが、修飾語を被修飾語の直前に置く、ということである。

 このブログで何度も触れる、ということは、それだけ、気をつけなければ行けないと言うことで、日々の新聞記事でも見かけることであり、このブログを書いている私自身でさえ、以前の文章を読んで、この原則に反していることに気づいて、こっそり訂正することもあるのだ。

 だからこそ、この基本中の基本というべき原則については、常に注意を喚起しなければならないのである。

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 このブログは、「時間泥棒」を立派に更生させることを目的として開設したものです。

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