マウスの細胞を弱酸性液に浸し刺激を与えるだけで万能細胞を作る

マウスの細胞を弱酸性液に浸し刺激を与えるだけで、iPS細胞のようにさまざまな細胞になる万能細胞を作ることに、理研のチームが成功した。
                                                  【ITmedia ニュース


 一月半前に日本中が沸き立ったニュースだが、さて、万能細胞を作るにはどうすればいいのか。
 (もちろん、現時点では、実際に万能細胞を作ることができるのか真偽不明であるが、上記の文から読み取れる万能細胞の作成方法は、どのようなものか、という問題である)

 ①弱酸性液に浸すだけ
 ②弱酸性液に浸した上で、さらに別の刺激を与える

 「酸の刺激だけで万能細胞」といった記事も見かけるので、①が正しいのだろう。

 しかし、「弱酸性液に浸し刺激を与える」という表現では、①②いずれとも解される。

 こんな例を考えてみよう。

a. 「『手を引かないと命はないぞ』と言って脅迫する」という場合は、「『手を引かないと命はないぞ』と言葉を発する行為そのものが脅迫行為であり、脅迫行為としては、それで完結している。

b. 次に、「ハンカチで汗を拭いて脅迫する」という場合は、汗を拭いた行為は脅迫それ自体とは無関係であり、その後に、何らかの脅迫行為を行ったと言うことである。

c. ところが、「ナイフを取り出し脅迫する」という場合は、①何も言わなくてもナイフを見ただけで相手が十分に畏怖した場合は、ナイフを取り出すことで脅迫行為は完結したということになるし、②ナイフを取り出した上で、さらに「言うこと聞かないと・・」などの言葉を用いた脅迫手段をとったとも考えられる。

 冒頭の「弱酸性液に浸す」という場合は、①それだけで十分な刺激として完結しているとも解されるし、②弱酸性というのは刺激としては不十分であり、さらに別の刺激を加えるのだとも解されるのである。つまり、上記のc.のような場合ということである。

 そこで、いずれの意味であるかを明瞭にするには、以下のような表現にすればよい。

 ①弱酸性液に浸すという刺激を加える
 ②弱酸性液に浸した上で刺激を加える

以上に述べたことを抽象化すると、以下のようになる。

「AをしてBをする」というとき、AとBの意味内容から、場合分けされる。

a. AがBそのものとして十分だという場合     
   ① A以外の行為は行われない

b. AがBとは無関係という場合    
   ② Aとは別にBにあたる行為が行われる

c. AがBの一つの手段と解される場合、以下のいずれかである
   ① A以外の行為は行われない
   ② Aに加えて、Aとは別のBにあたる行為が行われる 
   
そこで、c.の場合、以下の表現で明瞭に区別することが必要となる。
 ①AというBを行う
 ②Aをした上でBを行う
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