コンコース階と改札階  同じ対象は同じ言葉を使う

 姉を地下鉄の駅まで送って行ったときのこと、階段で下りようとしたところ、姉はエレベーターがいいという。

 そこで、エレベーターのところまで行ったのだが、ボタンの上の方に、こんな説明書きがある。

地下鉄-1

 地下鉄のエレベーターの地上にある出入り口なのだから、改札のあるコンコース階へ行くことは分かりきったことなのに、ご丁寧な説明である。

 だが、単に無用な説明というだけではない。

 「コンコース」という言葉は何十年も前から使われている言葉なのだが、私は未だになじめず、「ホーム階とは違う階だから、改札階だな」と頭の中で確認作業をしなければ、分かった気にならない。

 何も書いていなければ、何の疑問も抱くことなくボタンを押していたはずなのに、「コンコース階」などと書かれたために、よけいな神経を使わされたのである。「改札階」と書けば足りるのである。

 結局、有害無益な表示ということになる。


 さて、エレベーターに乗り込んでドアが閉まり、そのまま待っていると、エレベーターは止まったまま、「行く先階のボタンを押して下さい」というアナウンスが流れて来た。

 行く先と言っても、行き先はコンコース階に決まっており、選択の余地はない。だったら、ドアが閉まれば、すぐに動き出せばいいのに、なぜ、改めて、ボタンを押させるのだろう。


 「面倒なことをさせるな」と思いながら、「コンコース階」というボタンを探すと、こんな表示がある。

地下鉄-2

 私が捜しているカタカナの「コンコース」という文字はなく、「改札階」という漢字と、「Concourse」というアルファベットが書かれている。

 意味の上では同じでも、はじめに「コンコース階」という文字を見た私は、「改札階」ではなく、「コンコース階」という文字を探そうとしたのである。「コンコース階」を使いたければ、「コンコース階」で統一してくれればいいものを、こんな不統一な表現をされると、ほんの僅かではあるが、ストレスに感じるのだ。


● 分かりきったことを説明しない

● 適切な日本語がある場合、外来語を使用しない
  もちろん、エレベーターのように、日本語として定着しているものは、今さら、昇降機などと書かれると、そちらの方が疲れるが、コンコース階は改札階の方がいいだろう。

● 選択の余地がないのに、「選択」を迫らない

● 同じ対象には、同じ言葉を用いる




ゴールデンウィーク期間のごみの収集  無意味な限定はしない

 10連休で、ごみの収集がどうなるのか気になったので、ネットで調べてみた。

 【京都市情報館 ゴールデンウィーク期間のごみの収集について】では、次のように書かれている。

ごみ収拾-1

 ゴールデンウィークは、4月27日から5月6日までだ。説明を見る限り、「通常通り実施」というのは、ゴールデンウィークの全期間ではないようだ。

 ということは、記載された日以外の日は、ゴールデンウィークのため、ごみ収集はしないということなのか。

 ところが、カレンダーで確認すると、記載されなかった日、すなわち、4月27、28日、5月4,5日は、土日であり、そもそも、ふだんから、ごみ収集は行なわれていない。

 結局、ゴールデンウィークの間も、普段と同じ、ということである。

 だったら、こう書けば足りる。

ごみ収集-2

社会実情データ図録

 素晴らしいサイトを見つけた。

 人口、産業、環境など、様々な社会の実情を示す統計データを収集し、かつ、それを棒グラフや折れ線グラフで可視化した【社会実情データ図録】というサイトだ。

 このブログでも何度も述べてきたように、数字を羅列した表と比べて、棒グラフや折れ線グラフの方が、以下の点で遙かに優れている。

 ● 一覧性 数字を一つずつ目で追っていかなくても、一目で、全体の傾向が分かる。

 ● 訴求性 時の経過に伴う増減、項目ごとの大小などが、強く印象づけられる。

 ● 記憶への定着 グラフが画像として記憶に定着する。

 上記のサイトは、多種多様な統計情報を収集整理し、かつ、それをグラフで可視化し、分かりやすくするための工夫を随所に凝らした、私がネットで見る限り、これ以上のサイトはないというくらい素晴らしいサイトである。

 もちろん、どんなに素晴らしいと言っても、完璧という訳にはいかない。だからこそ、このブログの素材として取り上げた次第である。

 今回の素材は、上記のサイト中の、地域別の人口規模の順位の変遷を示すグラフである。
 
地域別人口

地域別人口規模順位の変遷


 北陸や北九州が南関東に次ぐ2位だった時代があるというのは驚きだったし、平安時代の前期に南関東が畿内を超えていたというのも意外だった。

 また、1000年の都、天下の台所と称された京都や大阪を含む「畿内」が、江戸時代後期から戦後間もない時期まで、人口規模で5番以下だったのも、にわかには信じられなかった。

 こういった事実が、数字を数字のまま提示するのではなく、グラフ化することによって、可視化されるのである。

 ただ、このグラフにも、以下のような問題はある。

 【1】 多種多様な色や形のマーカーが使われていて、見ていて疲れること
 【2】 色と地域の結びつきに何の関連もないこと

 【1】については、以前の記事【実務に理解の深い教員の養成は急務なのだが・・・  過剰演出は不要】を、【2】については、【色使いは、こうする】を見てほしい。
 
 せっかくのサイトである。さらにブラッシュアップしてほしくて、このブログで取り上げた次第である。

----- 追記 -------------------------------------------------------------------

 上記の【社会実情データ図録】を見つけた経緯は、こうである。

 これまでも、【犯罪取締りを強化しよう】に書いたように、前々から、統計に反する事実が真実のごとく受け入れられ、その認識によって社会が動いていくことに、いいようのない不安を持っていた。

 そんなとき、たまたま、図書館で【統計データはためになる! -棒グラフから世界と社会の実像に迫る-】【 統計データが語る 日本人の大きな誤解】という本を見つけた。一通り目を通して、まさに、その通りだ、こういった書籍こそ、もっともっと多くの人に読まれるべきだし、社会的影響力の大きなマスコミ関係者、とりわけ、ワイドショーのコメンテーターに読まれるべき書籍だと思った。

 その書籍の中で、同じ著者による上記のサイトが紹介されており、その情報量に圧倒されたのだった。

----- 追記 2019.5.1 -------------------------------------------------------------------

 冒頭のグラフを元に自分でも作ってみた。

クリックして拡大
地域別人口-2


 ● 色は7種類、マーカーの形は3種類に抑えた。
 ● 北海道から沖縄にかけて、寒冷→温暖というイメージに合うように色を選択した。
 ● 同じ色の地域については、マーカーの形を、北に位置する地域から順に、●■▲とした。

 こういった工夫をしたことにより、たとえば、縄文時代は東日本に人口が偏っていたことが一目で理解することができるようになった。 

 ただ、工夫をしてみたものの、色の種類が多くて疲れるし、マーカーの形による識別も、必ずしも容易とは言えず、冒頭のグラフと五十歩百歩かも知れない。

 比較するのが16地域と多いため、これ以上「分かりやすく」するのは困難と思うが、誰か、より「分かりやすい」グラフを作成できたら、ぜひ、連絡してほしい。

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 なお、改めて、元のグラフを見たのだが、マーカーの形が全て異なっている。これなら、色に頼らずマーカーの形だけで識別することが可能であり、ユニバーサルデザインの観点からは好ましいといえる。

----- 追記 2019.5.2 -------------------------------------------------------------------

 昨日のグラフを見返してみたのだが、やはり、色が多いと疲れる。そこで、色使いを変えて、青→薄紫→赤のグラデーションにした。緑、黄、橙がなくなって、だいぶ落ち落ち着いた感じがする。

クリックして拡大
地域別人口-3


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街で見かけた建築看板  数字の区切り方(3桁区切り、小数点)

 少子高齢化と言われるが、京都市中心部では、幼稚園や保育園の新設が相次いでいる。

 今日も街を歩いているときに、幼稚園の建築看板を見かけたが、その一部だ。

建築-1


 数字の区切りに「,」「.」「、」の三種が使われている。

建築-2


 「,」は、大きな数を読みやすくするための3桁ごとの区切り、「.」は小数点であるのは明らかだが、「、」は何だろう。

 「、」の後ろには数字が二つしかないのだから、三桁区切りではなく、小数点の意味だということがわかる。

 ところで、下の表のとおり、世界的には、三桁区切りは、「,」とは限らず、「.」や「 」(スペース)を用いる国もあれば、小数点は「.」とは限らず、「,」を用いる国もある。 

数字区切り

海外の言語別の小数点および桁区切りの記号一覧


 こういった、日本と表記方法の違う国とのやりとりでは、日本のやり方を押しつけるわけにはいかないだろうが、せめて日本国内では、「、」など用いないでほしいものである。

 「、」を用いるのは、おそらく、漢数字のときの習慣がアラビア数字に持ち込まれたのだと思われるが、漢数字の使用は極力、避けるべきである。

 もちろん、一石二鳥、四苦八苦、七転八倒などの熟語は、1石2鳥、4苦8苦、7転8倒なと書いたら、かえって何のことか分からなくなってしまう。




法学部卒、非・法学部卒  共通部分は一瞬にして共通であることが分かるようにする

 先日の【司法試験受験予定者の属性に関するグラフ】に掲載したグラフの中から、受験資格のグラフを再掲する。

属性資格訂正

 何度か見ているうちに、もう少し改善できないかと考え、次のようにした。

属性資格右詰

 どう変えたか。

 比較できるように、変えた部分だけ取り出して並べてみた。

属性資格右詰比較

 比べてみると、右側の方が、すっきりしていることが分かるだろう。

 「すっきり」した理由は、「法学部卒」の文字の位置が縦に4つ揃っていることだ。
 
 そして、2行目と4行目では、「非・」と言う文字が「法学部卒」の左に飛び出しており、1行目、3行目との違いが嫌でも印象づけられる。

 ところが、左側の書き方だと、「法学部卒」というのが4行すべてに共通して書かれていることを読み取るのに一瞬ではあるが時間がかかる。このように共通部分を理解した上で、「非・」という部分が違うことを理解するのである。

 要するに、共通部分が一瞬にして分かり、だからこそ、違う部分も一瞬にして分かる、と言う点が、右側の方が優れている理由である。



数字の配置  統一感より、分かりやすさ

 先日の【司法試験受験予定者の属性に関するグラフ】に掲載した5つのグラフのうち、最初の2つ、性別、受験資格のグラフを再掲する。

zokusei-seibetsu.png
 

属性資格訂正

 「%」を表す数字の位置が微妙に異なっている。

 本来、同じような表なのだから、数字の位置は、できれば統一的なものにした方がいいに決まっている。

 けれども、あえて不統一にしたのには訳がある。

 性別の方を受験資格に合わせると、次のようになる。

属性性別-2

 ご覧のとおり、「71.65」の「7」が、ちょうど緑の棒グラフの右端に接触しているため、「7」と認識するのが、若干、困難になっている。

 次に、受験資格の方を性別に合わせると、次のようになる。

属性資格-2

 「91.98」の2番目の「9」が、ちょうど棒グラフの右端部分に重なって、読みにくくなっている。

 こういう理由で、「統一感」より「分かりやすさ」を優先したのである。

 ところで、この記事で書いたことは、全く気にならない人もいるだろう。

 ブログを書いていて、この記事は誰でも大いに共感してくれるだろうと思える記事もあれば、細かすぎて、あまり共感をえられないだろうと思える記事もある。

 けれども、この記事を書き続けることによって、少しでも多くの人が、「分かりやすさが第一」と考えて表現に気を遣うようになってくれれば、私のストレスは軽減するし、誤解に基づく無用な紛争も軽減するのは間違いない。

 

司法試験受験予定者の属性に関するグラフ

 司法試験の受験予定者の属性別の人数が確定した【2019年(平成31年/令和元年)司法試験の受験予定者数が確定 4,899人(昨年▲827人、14.4%減)】ので、グラフにした。

 なお、以前の記事【司法試験出願者の属性  情報伝達における二つの重要な視点】は、「出願者」の属性に関するものであり、今回のは、「受験予定者」の属性に関するものである。

zokusei-seibetsu.png
 

属性資格訂正


zokusei-kaisuu.png


属性科目訂正


zokusei-shikenchi.png


----- 追記 2019.4.23 -------------------------------------------------------------------

 本稿のグラフを作成するに当たって気を付けた点について書いた。
 【数字の配置  統一感より、分かりやすさ

 より分かりやすくするために、受験資格のグラフを訂正し、その理由について述べた。
 【法学部卒、非・法学部卒  共通部分は一瞬にして共通であることが分かるようにする


ノートルダム大聖堂  写真には説明がいる

 パリのノートルダム大聖堂の火災で尖塔が崩落した【中日新聞 2019.4.16 ノートルダム大聖堂炎上 パリの象徴、尖塔焼失】。テレビでは映像が映し出されているのだが、大聖堂が全体としてどんな形をしているのかは、映像を見ても分からない。

 なんとなく、もやもやした感じだったのだが、毎日新聞の記事に、崩落部分を色分けした大聖堂の見取り図が載っているのを見て、すっきりした。

大聖堂-1

 ただ、上にある写真と見取図の対応関係が分からない。

 写真と見取図を比べていって、ようやく、この辺りから、この部分を写したのだろう、ということが分かった。

大聖堂-2

 最初から、こういった矢印を付けてくれていれば、悩むこともなかったのだが。

 

情報の科学と技術  中途半端な分かりやすさ

 このブログを書くようになってから、ネットで、このブログと同趣旨の記事がないか、意識的に注意している。

 これはと思えるような記事に巡り会うことは滅多にないのだが、そんな記事に出会ったときは、嬉しく思うこともあれば、「ちょっと負けたな」と思うこともある。

 そんな記事の中で、私が脱帽するしかない、最高の記事は、以前にも紹介した【伝わるデザイン - 研究発表のユニバーサルデザイン - 】である。

 そのサイトの運営者は、本業は生物系の研究者なのだが、その研究の傍ら「伝わるデザイン」を徹底して探求し、その結果を公にしているのである。

 今日、「情報の科学と技術」という、まさに情報伝達の技術を専門にしていると思われるサイトを見つけ、「伝わるデザイン」に匹敵することが書かれているかも知れないと思い、期待が膨らんだ。

 そのサイトに【情報の科学と技術65巻11号 情報をわかりやすくするデザイン: 情報デザインは「何であって」「何でない」のか】という記事があり、表をグラフにすることによって、全体的な傾向が直感的に把握できることを、例を挙げて解説していた。

果物-1

果物-2

 このブログでも再三にわたって述べてきたことであり、異論はない。

 だが、ここに掲げられた表もグラフも、問題がある。

 最初は、表の方だ。

果物-1

 左端に、1、2・・という数字、上端に、A、B・・というアルファベットの記載がある。

 おそらく、表計算ソフトのエクセルで作った表を画像として取り込む際に表の周囲も一緒に取り込んだため、無用な行番号、列番号まで入っているのだろう。

 けれども、行番号などの情報は、本筋とは全く無関係な「雑音」に過ぎない。「雑音」があると、脳の情報処理能力の一部を「雑音」に割かなければならず、その分、本質的なものの理解の妨げになる。

 次に、グラフの方だ。

果物-2

 どの折れ線が、どの果物に対応しているのか、線の幅、濃さ、マーカーの形を照らし合わせて、漸く理解することができる。

 直感的に理解できるようにするには、こうすればよい。

果物-3


 2つの図(表とグラフ)には「分かりやすさ」の点で問題があるのだが、いずれも、「情報の分かりやすさ」に無頓着な一般人が適当に作成した図ではない。

 それどころか、冒頭で述べたように「情報の科学と技術」という専門誌に、「情報デザイン学者」【Wikipedia】と言われる人が、「複雑な情報を整理し,わかりやすく編集して伝える」技術の一例として説明する際に用いた図である。

 記事の中には、こんな記述もあった。
 

「情報をわかりやすくする」ためのデザインは生活や社会のあらゆる場面で求められている。よって,情報デザインが対象とする状況も生活のありとあらゆる場面に広がっている。そのため情報デザインはアカデミズムの側からでなく,日常生活の効率化・機能化を目指す実践や実学を通して発展してきた。それだけ実践的な知としての完成度も高いということができるかもしれない。


 確かに、そのとおりだろう。

 上記2つの表は、「アカデミズム」のレベルが、実践や実学のレベルに追いついていないことを端的に証明するものとなっており、図らずも、「アカデミズム」に身を置く筆者の主張の説得力を高めているのである。

上野千鶴子氏の東大入学式での祝辞の論評  理解不能な文章は、早めに見切りを付ける

 上野千鶴子氏の東大入学式での祝辞が話題となっている【BLOGOS 東大入学式の祝辞は、なぜこんなに話題になったのか?】、

様々な論評の中の一節にこんなのがあった【上野千鶴子・東京大学名教授の東大入学式祝辞への違和感】。

私が私の正義の信念から公へ怒りをもつなら、私はその怒りに、私がベットできるすべてまでで答えられるのであって、オール・インをしてはいけない。そのつけはいずれ他者に回る。


「ベット」という言葉は、使ったことはないが、聞いたことは何度かある。「賭け」のことである【 カジノ用語辞典】。

 「オール・イン」という言葉は、聞いたこともなかったが、「賭け」の話の中で出てくるのだから、有り金全部を賭けることだろう、という推測ができるが、調べてみると、ポーカーで手持ちのチップを全部、賭けることだそうだ【ニコニコ大百科】。
 
 こうして日本語になったのだが、何が言いたいのかは、分からない。筆者は、こんな表現で分かると思っているのだろうか。

 この筆者の文には、こんな表現もある。
 

そこでの倫理の形はアーチャー的絶望に至る。

 

では人ができることはその人のATフィールドの延長くらいしかないのかといえば、連帯と友愛がそれを超えるだろう。


 「アーチャー的絶望」は、ネットで検索しても、4件しか出てこず、結局、意味は分からなかった【グーグル検索結果 "アーチャー的絶望"】。

「ATフィールド」は、「アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』に登場する特殊能力(バリア)」のことだそうだ【ニコニコ大百科】。「ATフィールド」の意味は分かっても、文の意味は分からない。

 もの凄く、無駄な時間を費やしたようだ。

 ここまで書いて、筆者のプロフィールを確認した【極東ブログ finalventプロファイル】。

 筆者はアルファブロガー(人気ブロガー)であり、老舗出版社からエッセイを出版したりしているそうである。

 そういう事実を突きつけられると、この筆者の文章を理解できない私の頭が悪いのかと、だんだん、自信がなくなって、絶望的な気分になりそうだ。

 いや、絶望している場合ではない。外来語をちりばめた小難しい文章であれば、理解できなくても、いや、理解できないからこそ、そこに魅力を感じる人々が多いのに違いない。そう自分に言い聞かせて、アーチャー的絶望から脱出するしかないだろう。


雑誌目録 

 京都市図書館には様々な雑誌が置かれているが、どこに、どんな雑誌が置かれているのかをネットで確認することができる【京都市立図書館 雑誌目録】。

目録-0

 
目録-1

 図書館の略号の後ろに、括弧書きで、6m とか 3m とかの記載がある。

 一瞬、雑誌が書棚に6メートルにわたって並んでいる状態を想像したのだが、常識的に考えて、そんなことはない。

 よく見ると、1y とか 3y などの記載もある。

 m と y と並んでいるのを見れば、月、年のことだろうと、推測もつく。要するに、どれくらい過去に遡って雑誌を保管しているのかを示しているのだ。

 改めて画面を見直してみると、上に、こんな説明がある。

目録-2

 目を凝らしてみると、3y:3年間 6m:6か月間 となっており、思った通りだったことが分かる。

 けれども、この濃い灰色の背景色は、一体なんだろう。

 ごく薄い背景色なら効果的だが、黒に近い背景色だと、読みづらい。この読みにくさは、ウェブサイトを作った時点で、考えるまでもなく気づきそうなものだが、なぜ放置されているのか不思議である。

 また、図書館の略号についても説明がある。

目録-3

 長い名前の図書館もふくめ、みな、1文字か2文字で記されることになっている。

 「記されている」ではなく、「記されることになっている」というのは、実際には、上記の略号で記されていない図書館もあるのだ。

目録-1

 「久我のもり」という記載があるが、「久我」と略称されるはずだったのだ。

 どうして、こんな「ちぐはぐ」なことができるのか。不思議である。

群雄割拠の将棋界を俯瞰する 2019.4.1 現在

群雄割拠の将棋界を俯瞰する】【左下から右上へ】の続編である。

将棋棋士


 これだけの情報を、文字だけで伝えようとすると、どれだけの文字数が必要となるだろう。また、文字情報を見ただけで、概要を理解するには、どれだけの時間がかかることだろう。以下のことは、表を眺めていれば、すぐに分かることである。

【1】 A級にいた50代の棋士も、全員、A級から陥落している。
【2】 A級にいた40代の棋士は、4割くらいは、A級に踏みとどまっている。
【3】 20代のA級棋士は、豊島ひとりだけである。
【4】 20代のタイトル経験者4人のうち3人が関西本部所属である。 

 こういったことが可能になるのは、棋士の様々な属性を、表の中の配置、アンダーライン、文字色、枠線、星印、背景色といった様々なもので表現し、かつ、それが同時に目に入るからである。文字情報では、到底、不可能なことである。

「同時に目に入る」ということは、記憶に止めておく必要がない、ということである。文字情報を読みながら、何十字もの情報を記憶に止めておくのは、不可能に近いことである。

 昨日の記事のとおり、【もっと、もっと、図形情報を活用しよう】ということである。


もっと、もっと、図形情報を活用しよう

 文字情報よりも図形情報(表、グラフ、写真、イラスト)の方が、理解感銘力記憶の定着の点で優れていると言うことは、このブログでも度々書いてきた。

 今日、たまたま、図形情報の有用性を裏付けるような記事を二件、見つけた。

 一つは心臓疾患に関する、こんな記事だ【VOA For Heart Health -- Seeing Is Believing】。

Experiments suggest that people who see detailed pictures of their clogged arteries may be more likely to stay healthy than people who do not. ・・・ experts say patients only remember a small part of what their doctor tells them to do. Seeing a picture is much more effective. To use a popular English expression, “A picture is worth a thousand words.” 


 原文からは離れるが、とことん意訳すると、こうなる。

医者の忠告など患者はほとんど覚えていないが、詰まった血管の写真を見せられると、ほっといても健康に気をつけるようになる。 百万言を費やすより、一枚の写真だ。


 もう一つは、福島第一原発事故の調査に関連した【福島原発全交流電源喪失は津波が原因か(その8)】と言う記事だ。

運転データなどについて資料要求すると、最初は提供できないと答え、再度請求すると東京電力の施設内の部屋(東新ビル1階の部屋があてがわれました)の中での閲覧なら認めると言い、運転データなどただ見ても何もわかるはずがないエクセルでグラフにしないと分析できないのだからデータ自体を出せ、出さないと国会から要求するぞと言ってようやくデータを出すというようなことが多々ありました。


 図形情報の有用性は、少しずつではあるが、認識されつつある。

 一例を挙げると、私の学生時代(70年代)には、法律の基本書で図解を取り入れているものは極めて少なかったが、90年前後から、ふんだんに図解を取り入れた基本書を見かけるようになった。

 国会の質問でも、グラフの書かれたパネルを示しながら質問すると言うのが当たり前になってきた。

 相当前からのことだが、歴史の本については、漫画で学習するの当たり前の時代になっているようだ【日本史漫画のすすめは?大学受験勉強に最適なマンガ!】。


  


 
 
 

15歳で司法試験に合格した中学生  ご飯論法、2パターン

 講談社のサイトに【15歳で司法試験に合格した中学生も!天才少年「その後の人生」】という記事がある。

 うっかりすると、「凄い!」と思うし、実際、「凄い!」と思わせるのが狙いだろう。

 今の制度になる前は、司法試験は、一次試験と二次試験に分かれており、一次試験は一般教養の試験であり大学の教養課程を修了していれば免除されていた。

 二次試験を受ける者の大半は大学の3年生以上であり、一次試験に合格した上で二次試験をうける者は、数えるほどしかいなかった。

 だから、「司法試験」と言えば普通は二次試験のことを指した。

 冒頭の記事の見出しは、「司法試験」としか書いていないので、中学生が合格したのは二次試験だと思うのが普通である。ところが、記事の中身を読むと、中学生が合格したのは二次試験ではなく一次試験だと書かれている。

 出版社の側は、合格したのが司法試験であることは間違いないのだから、見出しは嘘ではない、というのだろう。

 だが、こんなことを繰り返していると、そのうち、「どうせ、あの出版社だから」と思われるようになるだろう。そんな信用の低下と引き換えにしてでも、当面の閲覧数を稼ぎたい、ということだろう。

 このように、ある言葉にAB二通りの意味がある場合、どちらの意味であるかを明らかにせずに、その言葉を使い、Aだと思わせておいて、あとで、都合が悪くなると、AではなくBの意味で使ったのだと居直る論法を「ご飯論法」という【文春オンライン 池上彰「WEB 悪魔の辞典」】。

 ただ、一口に「ご飯論法」といっても、以下の2パターンある。

意味の  縮小
意味の  拡張


の2パターンである。

ご飯論法-3

 冒頭の司法試験の例は、もちろん、意味の拡張のパターンである。

 くれぐれも、騙されないようにしてほしい。












東電幹部強制起訴の議決書  超長文を、改行、字下げにより、構造化する 

 3年前に【「強制起訴」の違和感】という記事を書いたが、そのきっかけとなったのは、福島原発事故当時の東電幹部が「強制起訴」されたという報道だった。

 次に掲げるのは、「強制起訴」を決定した検察審査会の議決書【京女法学第9号 福島第一原発苛酷事故と「強制起訴」制度】に記載された「犯罪事実」である。


被疑者勝俣恒久(以下「被疑者勝俣」という。)は、平成 14 年 10 月から東京電力株式会社(以下「東京電力」という。)の代表取締役社長として、平成 20 年 7 月からは東京電力の代表取締役会長として、同社の経営における最高責任者としての経営判断を通じて、被疑者武黒一郎(以下「被疑者武黒」という。)は、平成 17年 6 月から東京電力の常務取締役原子力・立地本部長として、平成 19 年 6 月からは東京電力の代表取締役副社長原子力・立地本部長として、同社の原子力担当の責任者として原子力発電所に関する知識、情報を基礎に実質的経営判断を行うことを通じて、被疑者武藤栄(以下「被疑者武藤」という。)は、平成 17 年 6 月から東京電力の執行役原子力・立地本部副本部長として、平成 20 年 6 月からは東京電力の常務取締役原子力・立地本部副本部長として、平成 22 年 6 月からは東京電力の取締役副社長原子力・立地本部長として、同社の原子力担当の責任者として原子力発電所に関する知識、情報を基に技術的事項に関して実質的判断を行うことを通じて、いずれもその頃、福島第一原子力発電所(以下「福島第一原発」という。)の運転停止又は設備改善等による各種安全対策に関する実質的判断を行い、福島第一原発の地震、津波による原子力発電所の重大事故の発生を未然に防止する業務に従事していた者であるが、福島第一原発は、昭和 40 年代に順次設置許可申請がなされて設置され、我が国では津波に対する余裕の最も少ない原子力発電所とされていたところ、文部科学省に設置された地震調査研究推進本部(以下「推本」という。)の地震調査委員会が平成 14 年 7月 31 日に公表した「三陸沖から房総沖にかけての地震活動の長期評価について」(以下「長期評価」という。)において、三陸沖北部から房総沖の海溝寄りの領域内のどこでも Mt(津波マグニチュード)8.2前後の津波地震が発生する可能性があるとされ、原子力安全委員会が平成 18 年 9月に改訂した耐震設計審査指針(以下「新指針」という。)では、津波について、施設の供用期間中に極めてまれではあるが発生する可能性があると想定することが適切な津波によっても、施設の安全機能が重大な影響を受ける恐れがないことを十分に考慮したうえで設計されなければならないとされ、原子力安全・保安院は、それを受け、各電力事業者に対し、既設の原子力発電所について新指針に照らした耐震バックチェックを指示し、そのバックチェックルールでは、津波の評価につき、既往の津波の発生状況、最新の知見等を考慮することとされ、他方、それまでの海外の事例や東京電力内で発生した浸水被害等により、想定津波水位を大きく超える巨大津波が発生して原子力発電所が浸水した場合には、非常用の電源設備や冷却設備等が機能喪失し、最悪の場合には炉心損傷等の重大事故が発生する可能性が既に明らかになっていたところ、平成 19 年 11 月ころより、東京電力では、耐震バックチェックにおける津波評価につき、推本の長期評価の取扱いに関する検討を開始した結果、平成 20 年 3 月ころには、推本の長期評価を用いると福島第一原発の O.P.(小名浜港工事基準面)+ 10メートルの敷地(以下「10m 盤」という。)を大きく超える津波が襲来する可能性があることが判明し、それ以降、被疑者武藤においては少なくとも平成 20 年 6 月にはその報告を受け、被疑者武黒においては少なくとも平成 21 年 5 月ころまでにはその報告を受け、被疑者勝俣においては少なくとも平成 21 年 6 月ころまでにはその報告を受けることにより、被疑者ら 3名はいずれも、福島第一原発の 10m 盤を大きく超える津波が襲来する可能性があり、それにより浸水して非常用の電源設備や冷却設備等が機能喪失となり、炉心損傷等の重大事故が発生する可能性があることを予見し得、したがって、被疑者武藤は少なくとも平成 20 年 6 月以降、被疑者武黒は少なくとも平成 21 年 5 月以降、被疑者勝俣は少なくとも平成 21 年 6 月以降、福島第一原発の 10m 盤を大きく超える津波が襲来した場合に対する何らかの設備改善等の安全対策を講じることを検討し、何らかの合理的な安全対策を講じるまでの間、福島第一原発の運転を停止すること等も含めた措置を講じることにより、いつか発生する可能性のある大規模地震に起因する巨大津波によって福島第一原発が浸水し、炉心損傷等の重大事故が発生することを未然に防止すべき注意義務があるのにこれを怠り、必要な安全対策を講じることなく、運転を停止することもないまま漫然と福島第一原発の運転を継続した過失により、平成 23 年 3月 11 日午後 2 時 46 分に発生した東北地方太平洋沖地震(以下「本件地震」とい。)に伴い、本件地震に起因して生じた巨大津波による福島第一原発の浸水により、全電源喪失により非常用の電源設備や冷却設備等を機能喪失させ、炉心損傷等の重大事故を発生させ、同日以降に生じた水素ガス爆発等により福島第一原発から大量の放射性物質を排出させた結果、別紙被害者目録(省略、以下同様)記載の被害者計 13 名につき、水素ガス爆発等により生じたがれきに接触するなどして同人らにそれぞれ同目録記載の傷害を負わせ、福島第一原発から約 4.5 キロメートルに位置する福島県双葉郡大熊町大字熊字新町 176 番 1 所在の医療法人博文会双葉病院に入院していた患者のうち計 44 名につき、前記放射性物質の大量排出に起因して災害対策基本法に基づく避難指示により、長時間の搬送、待機等を伴う避難をさせ、その避難の過程において同目録記載の同人らの既往症をそれぞれ悪化させ、よって、同目録記載の日に同人らをそれぞれ同目録記載による死因により死亡させたものである。


 まさか、今、上記の全文を読んだ人はいないと思うが、全部で、2353文字、句点「。」なしで、延々と続いている。

 一つの文の長さの一般的な目安としては、50文字だから、その約50倍である。

 こんな長文を一息に読める人は、超人的な理解力、記憶力の持ち主だろうが、そんな人は滅多にいないのだから、凡人向けに、より分かりやすくするほかはない。

 かりに、「。」で区切って一文一文を短くしなくても、文章を「構造化」すれば、だいぶ理解しやすく、かつ、記憶に残りやすくなる。

 こんな具合である。


被疑者勝俣恒久(以下「被疑者勝俣」という。)は、
 平成 14 年 10 月から東京電力株式会社(以下「東京電力」という。)の代表取締役社長として、
 平成 20 年 7 月からは東京電力の代表取締役会長として、
同社の経営における最高責任者としての経営判断を通じて、

被疑者武黒一郎(以下「被疑者武黒」という。)は、
 平成 17年 6 月から東京電力の常務取締役原子力・立地本部長として、
 平成 19 年 6 月からは東京電力の代表取締役副社長原子力・立地本部長として、
同社の原子力担当の責任者として原子力発電所に関する知識、情報を基礎に実質的経営判断を行うことを通じて、

被疑者武藤栄(以下「被疑者武藤」という。)は、
 平成 17 年 6 月から東京電力の執行役原子力・立地本部副本部長として、
 平成 20 年 6 月からは東京電力の常務取締役原子力・立地本部副本部長として、
 平成 22 年 6 月からは東京電力の取締役副社長原子力・立地本部長として、
同社の原子力担当の責任者として原子力発電所に関する知識、情報を基に技術的事項に関して実質的判断を行うことを通じて、

いずれも
その頃、福島第一原子力発電所(以下「福島第一原発」という。)の運転停止又は設備改善等による各種安全対策に関する実質的判断を行い、福島第一原発の地震、津波による原子力発電所の重大事故の発生を未然に防止する業務に従事していた者であるが、

福島第一原発は、
  昭和 40 年代に順次設置許可申請がなされて設置され、
  我が国では津波に対する余裕の最も少ない原子力発電所とされていたところ、

文部科学省に設置された地震調査研究推進本部(以下「推本」という。)の地震調査委員会が平成 14 年 7月 31 日に公表した「三陸沖から房総沖にかけての地震活動の長期評価について」(以下「長期評価」という。)において、
  三陸沖北部から房総沖の海溝寄りの領域内のどこでも Mt(津波マグニチュード)8.2前後の津波地震が発生する可能性があるとされ、

原子力安全委員会が平成 18 年 9月に改訂した耐震設計審査指針(以下「新指針」という。)では、
  津波について、施設の供用期間中に極めてまれではあるが発生する可能性があると想定することが適切な津波によっても、施設の安全機能が重大な影響を受ける恐れがないことを十分に考慮したうえで設計されなければならないとされ、

原子力安全・保安院は、
  それを受け、各電力事業者に対し、既設の原子力発電所について新指針に照らした耐震バックチェックを指示し、
  そのバックチェックルールでは、津波の評価につき、既往の津波の発生状況、最新の知見等を考慮することとされ、

他方、
それまでの海外の事例や東京電力内で発生した浸水被害等により、
想定津波水位を大きく超える巨大津波が発生して原子力発電所が浸水した場合には、非常用の電源設備や冷却設備等が機能喪失し、最悪の場合には炉心損傷等の重大事故が発生する可能性が既に明らかになっていたところ、

平成 19 年 11 月ころより、
 東京電力では、耐震バックチェックにおける津波評価につき、推本の長期評価の取扱いに関する検討を開始した結果、

平成 20 年 3 月ころには、
 推本の長期評価を用いると福島第一原発の O.P.(小名浜港工事基準面)+ 10メートルの敷地(以下「10m 盤」という。)を大きく超える津波が襲来する可能性があることが判明し、

それ以降、
 被疑者武藤においては少なくとも平成 20 年 6 月にはその報告を受け、
 被疑者武黒においては少なくとも平成 21 年 5 月ころまでにはその報告を受け、
 被疑者勝俣においては少なくとも平成 21 年 6 月ころまでにはその報告を受けることにより、

被疑者ら 3名はいずれも、
   福島第一原発の 10m 盤を大きく超える津波が襲来する可能性があり、
   それにより浸水して非常用の電源設備や冷却設備等が機能喪失となり、
   炉心損傷等の重大事故が発生する
 可能性があることを予見し得、

したがって、
被疑者武藤は少なくとも平成 20 年 6 月以降、
被疑者武黒は少なくとも平成 21 年 5 月以降、
被疑者勝俣は少なくとも平成 21 年 6 月以降、
  福島第一原発の 10m 盤を大きく超える津波が襲来した場合に対する何らかの設備改善等の安全対策を講じることを検討し、何らかの合理的な安全対策を講じるまでの間、福島第一原発の運転を停止すること等も含めた措置を講じることにより、いつか発生する可能性のある大規模地震に起因する巨大津波によって福島第一原発が浸水し、炉心損傷等の重大事故が発生することを未然に防止すべき注意義務があるのにこれを怠り、

 必要な安全対策を講じることなく、運転を停止することもないまま漫然と福島第一原発の運転を継続した過失により、

 平成 23 年 3月 11 日午後 2 時 46 分に発生した東北地方太平洋沖地震(以下「本件地震」とい。)に伴い、本件地震に起因して生じた巨大津波による福島第一原発の浸水により、全電源喪失により非常用の電源設備や冷却設備等を機能喪失させ、炉心損傷等の重大事故を発生させ、同日以降に生じた水素ガス爆発等により福島第一原発から大量の放射性物質を排出させた結果、

別紙被害者目録(省略、以下同様)記載の被害者計 13 名につき、水素ガス爆発等により生じたがれきに接触するなどして同人らにそれぞれ同目録記載の傷害を負わせ、

福島第一原発から約 4.5 キロメートルに位置する福島県双葉郡大熊町大字熊字新町 176 番 1 所在の医療法人博文会双葉病院に入院していた患者のうち計 44 名につき、前記放射性物質の大量排出に起因して災害対策基本法に基づく避難指示により、長時間の搬送、待機等を伴う避難をさせ、その避難の過程において同目録記載の同人らの既往症をそれぞれ悪化させ、
よって、同目録記載の日に同人らをそれぞれ同目録記載による死因により死亡させたものである。



文章の「構造化」については、これまでも、いくつか記事を書いてきた。
 
 【カリフォルニア州の司法試験
 【意味の塊ごとに改行する -調書方式-

 更に読みやすくするために、ポイントとなる部分を赤字で強調した。


被疑者勝俣恒久(以下「被疑者勝俣」という。)は、
 平成 14 年 10 月から東京電力株式会社(以下「東京電力」という。)の代表取締役社長として、
 平成 20 年 7 月からは東京電力の代表取締役会長として、
同社の経営における最高責任者としての経営判断を通じて、

被疑者武黒一郎以下「被疑者武黒」という。)は、
 平成 17年 6 月から東京電力の常務取締役原子力・立地本部長として、
 平成 19 年 6 月からは東京電力の代表取締役副社長原子力・立地本部長として、
同社の原子力担当の責任者として原子力発電所に関する知識、情報を基礎に実質的経営判断を行うことを通じて、

被疑者武藤栄(以下「被疑者武藤」という。)は、
 平成 17 年 6 月から東京電力の執行役原子力・立地本部副本部長として、
 平成 20 年 6 月からは東京電力の常務取締役原子力・立地本部副本部長として、
 平成 22 年 6 月からは東京電力の取締役副社長原子力・立地本部長として、
同社の原子力担当の責任者として原子力発電所に関する知識、情報を基に技術的事項に関して実質的判断を行うことを通じて、

いずれも
その頃、福島第一原子力発電所(以下「福島第一原発」という。)の運転停止又は設備改善等による各種安全対策に関する実質的判断を行い、福島第一原発の地震、津波による原子力発電所の重大事故の発生を未然に防止する業務に従事していた者であるが、

福島第一原発は、
  昭和 40 年代に順次設置許可申請がなされて設置され、
  我が国では津波に対する余裕最も少ない原子力発電所とされていたところ、

文部科学省に設置された地震調査研究推進本部(以下「推本」という。)の地震調査委員会が平成 14 年 7月 31 日に公表した「三陸沖から房総沖にかけての地震活動の長期評価について」(以下「長期評価」という。)において、
  三陸沖北部から房総沖の海溝寄りの領域内のどこでも Mt(津波マグニチュード)8.2前後の津波地震が発生する可能性があるとされ、

原子力安全委員会が平成 18 年 9月に改訂した耐震設計審査指針(以下「新指針」という。)では、
  津波について、施設の供用期間中に極めてまれではあるが発生する可能性があると想定することが適切な津波によっても、施設の安全機能が重大な影響を受ける恐れがないことを十分に考慮したうえで設計されなければならないとされ、

原子力安全・保安院は、
  それを受け、各電力事業者に対し、既設の原子力発電所について新指針に照らした耐震バックチェックを指示し、
  そのバックチェックルールでは、津波の評価につき、既往の津波の発生状況、最新の知見等を考慮することとされ、

他方、
それまでの海外の事例東京電力内で発生した浸水被害等により、
想定津波水位を大きく超える巨大津波が発生して原子力発電所が浸水した場合には、非常用の電源設備や冷却設備等が機能喪失し、最悪の場合には炉心損傷等の重大事故が発生する可能性が既に明らかになっていたところ、

平成 19 年 11 月ころより、
 東京電力では、耐震バックチェックにおける津波評価につき、推本の長期評価の取扱いに関する検討を開始した結果、

平成 20 年 3 月ころには、
 推本の長期評価を用いると福島第一原発の O.P.(小名浜港工事基準面)+ 10メートルの敷地(以下「10m 盤」という。)を大きく超える津波が襲来する可能性があることが判明し、

それ以降、
 被疑者武藤においては少なくとも平成 20 年 6 月にはその報告を受け、
 被疑者武黒においては少なくとも平成 21 年 5 月ころまでにはその報告を受け、
 被疑者勝俣においては少なくとも平成 21 年 6 月ころまでにはその報告を受けることにより、

被疑者ら 3名はいずれも、
   福島第一原発の 10m 盤を大きく超える津波が襲来する可能性があり、
   それにより浸水して非常用の電源設備や冷却設備等が機能喪失となり、
   炉心損傷等の重大事故が発生する
 可能性があることを予見し得

したがって、
被疑者武藤は少なくとも平成 20 年 6 月以降、
被疑者武黒は少なくとも平成 21 年 5 月以降、
被疑者勝俣は少なくとも平成 21 年 6 月以降、
  福島第一原発の 10m 盤を大きく超える津波が襲来した場合に対する何らかの設備改善等の安全対策を講じることを検討し、何らかの合理的な安全対策を講じるまでの間、福島第一原発の運転を停止すること等も含めた措置を講じることにより、いつか発生する可能性のある大規模地震に起因する巨大津波によって福島第一原発が浸水し、炉心損傷等の重大事故が発生することを未然に防止すべき注意義務があるのにこれを怠り

 必要な安全対策を講じることなく、運転を停止することもないまま漫然と福島第一原発の運転を継続した過失により、

 平成 23 年 3月 11 日午後 2 時 46 分に発生した東北地方太平洋沖地震(以下「本件地震」とい。)に伴い、本件地震に起因して生じた巨大津波による福島第一原発の浸水により、全電源喪失により非常用の電源設備や冷却設備等を機能喪失させ、炉心損傷等の重大事故を発生させ、同日以降に生じた水素ガス爆発等により福島第一原発から大量の放射性物質を排出させた結果、

別紙被害者目録(省略、以下同様)記載の被害者計 13 名につき、水素ガス爆発等により生じたがれき接触するなどして同人らにそれぞれ同目録記載の傷害を負わせ、

福島第一原発から約 4.5 キロメートルに位置する福島県双葉郡大熊町大字熊字新町 176 番 1 所在の医療法人博文会双葉病院に入院していた患者のうち計 44 名につき、前記放射性物質の大量排出に起因して災害対策基本法に基づく避難指示により、長時間の搬送、待機等を伴う避難をさせ、その避難の過程において同目録記載の同人らの既往症をそれぞれ悪化させ、
よって、同目録記載の日に同人らをそれぞれ同目録記載による死因により死亡させたものである。



----- 追記 2019.4.11 -------------------------------------------------------------------

 議決書の犯罪事実を読み直してみて、以下の一節が引っかかった。

必要な安全対策を講じることなく、運転を停止することもないまま漫然と福島第一原発の運転を継続した過失により


 引っかかった点を、赤字で示す。

必要な安全対策を講じることなく、運転を停止することもないまま漫然と福島第一原発の運転を継続した過失により


 「運転を停止することもないまま・・・運転を継続」というのは、重複表現である。

 「運転を停止して、運転を継続」という事態がありうるのであれば、「運転を停止することなく、運転を継続」というのも意味があるが、「運転を継続」というのは、とりもなおさず、「運転を停止することなく」ということである。

 思い入れが強ければ、つい、こういった重複表現を使いたくなるものであり、そのことについては、【可食してもよい】でも書いた。




授業時間数の帯グラフ   同じ区分は同じ色で

 日本教育新聞(2019.4.8)の一面に、指導要領が定める標準の授業時間数を大幅に上回る時間の授業を行っている学校に対して、文部省が授業計画の見直しを指示した、という記事が載っていた。その記事の中に、昨年度の授業計画に関するグラフが掲載されている。

授業時間-1

 小5と中1について、授業時間数の範囲を大きく6つの時間帯に区分し、各区分ごとの学校の割合を示している。

 各区分は青の濃淡で段階的に着色されているのだが、グラフの上の方にある、時間数の多い学校が、薄く描かれている点は、直感に反する点で、問題ではある。

 その点に気をつけてグラフを見ると、同じ色の区分が中1の方が小5より上にあることから、授業時間数は全体として中1の方が少ないように見える。

 この結果は、常識に反する結果なので、改めて、グラフの各区分の横の数字を比べてみると、同じ色のものが同じ時間数となっているわけではなかった。

 そこで、同じ授業時間数のところを赤線で対応づけると、次のようになる。

授業時間-2

 各段階の色の対応が、一段階ずつ、ずれているのである。

 小5と中1を並べ、6段階の濃淡の青で着色したのは、比較を容易にするためだったはずなのに、これでは、逆効果である。

 作成者は、自分の思いだけでグラフを着色し、他人が見ることを想像すらしなかったとしか思えない。

将棋タイトル戦の海外対局  

 一昨日、将棋の叡王戦が台北で行われたが、過去にも、将棋のタイトル戦が海外で行われることが何度かあった。

 ネット上には、これまでの海外対局を整理したサイトがある【台湾猫大厦 第4期叡王戦七番勝負開幕 第1局は4年半ぶり海外対局 なんとなんと台湾・台北市「圓山大飯店」にて】。

 こんな感じだ。

海外対局-1


 40年以上も前からの情報を収集、整理した力作なのだが、「分かりやすい」とは言いがたい。

 そこで、記載されたデータを元に「分かりやすい」表を作成してみた。

海外対局-4

 単に表にしただけでなく、同じ項目でも配置を左右にずらした結果、以下のことが一目で分かるようになっている。

 ● 竜王戦の海外対局が圧倒的に多い。

 ● 前半は、欧州、アジア、米国と散らばっていたが、後半は、アジアが中心となっている。

 また、一行ごとに背景色を変えることによって、より見やすくなっている。

 元のサイトには、(当然以下のデータは無断複写禁止である)という記載があったが、この点は、以下のように考える。

【1】 元の表の画像の一部の掲載

 元の表は、単に、過去のデータを並べただけに過ぎないので、「創作的に表現した」(著作権法2条1号)とは言えず、著作物ではなく、著作権が認められない。

 仮に著作権が認めれたとしても、出典を明示して必要な範囲で表の画像の一部を貼り付けるのは、著作権法32条の適法な引用の範囲内の行為である。

【2】 元の表のデータに基づく新たな表の作成

 私の作成した表は、元の「表現」を複製した物ではなく、元の表現に含まれた「データ」を利用したものであるから、そもそも、著作権侵害の問題が生じ得ない。

【3】 実質的考察

 著作権法等の知的財産権に関する法律で禁止されていなくても、実質的に考えて法的に保護に値する利益を侵害していれば、民法上の不法行為の成立する場合があるが、本件では、実質的に考えても、以下のとおり、何ら問題ない。

 ● 元のサイトへのリンクを張っているので、このサイトの存在によって、元のサイトの閲覧が妨げられるという関係にはなく、むしろ、このサイトを閲覧した人が元のサイトを閲覧することもあるはずである。

 ● データの出典を明示しているので、多大な労力をかけて調査をした元のサイトの作成者に対する社会的評価が、このサイトによって「横取り」されることもない。

 ● 他人が多大な労力をかけて作成した成果を無断で利用して利益を得るのであれば、公平の観点からも問題ではあるが、本件は、そのような場合ではない【参照:J-STAGE データベースと著作権 4. 自動車DB事件】。

 そもそも、表現行為は、全くの無から有を産み出す行為ではなく、既存の表現の一部を利用したり、表現の結果として公になった情報を利用したり、既存の表現に込められた思想、アイデアなどに触発されて、行われるものである。

 自らの表現を独占したいという元の表現者の先行者としての思いは、一定の範囲においては著作権法や民法で保護されているのであるが、元の表現者の「意思」だけで、後続の表現行為の一切を禁止することはできないし、公に表現するというのは、そのような行為なのである。

 このブログ記事による、画像、データの利用は、元のサイトで明示された意思には反するかもしれないが、ここまで読んでいただければ、元のサイトの作成者にも理解していただけるものと思うが、私の独りよがりであろうか。


  
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「問題は起こらないでしょう」だって??  断言すべきときは断言する

 他人様の表現を素材にブログを書いている以上、著作権侵害にならないよう、自分なりに気を付けているつもりである。

 だが、いくら気を付けていても、どこかで勘違いしてないとも限らない。

 今日、たまたま、図書館で、【そのブログ!「法律違反」です】と言う本を見つけて、借りてきた。

 早速、Q&A形式の第一問の「有名人の写真を勝手にブログにのせてもいい?」という問題の解説を読んでみた。

 肖像権侵害、パブリシティ権侵害、著作権侵害の問題があることを説明した上で、その最後に、次のように書かれていた(15頁)。

では、タレントにお願いして撮らせてもらった写真の場合はどうでしょう。この場合、撮影者はあなたであり、その写真の著作権者もあなたです。第三者が撮ったものではないので、前述の著作権侵害の問題は起こらないでしょう。


 これを読んで私は歯切れの悪さにいらついてしまった。

 「著作権者もあなたです」と断言しているのである。

 だとすれば、著作権侵害の問題は、「起こらないでしょう」ではなく、「起こりません」だろう。

 確かに、例外的な事態が予想される場合は、誤解や批判を避けるためには、断言しないのが無難かもしれない。

 けれども、そのような「防衛策」が習い性となって、例外的な事態が起こりえない場合にまで断言を避けていると、読者の側は、筆者に自信がないのか、あるいは、責任逃れをしているのではないか、などと考えてしまう。

 自分で写真を撮っているのだから、著作権侵害の問題など、起こりえないのである。

 断言すべき所で断言していない表現を見た結果、筆者の思考の厳密さにも疑問を持ってしまい、先を読む気をなくしてしまった。

----- 追記 2019.4.9 -------------------------------------------------------------------

 「自分で写真を撮っているのだから、著作権侵害の問題など、起こりえないのである。」と書いたが、被写体が絵画のそばに立っているときに写真を撮れば、絵画の作成者の著作権の侵害の問題は生じうる。

 けれども、そこまで想定して、「起こらないでしょう。」などと書いたら、読み手に不安を与えるだけである。

 断言するのが気になったら、「ただし、・・・」というふうに、説明を追加すればよい。

 ただ、これも、程度問題で、あらゆることを想定して行くと、「ただし」が何個あっても足りないだろう。



リザルトって何だ!

 2018年度の将棋の公式戦で最多勝利となった佐々木大地5段のインタビュー記事があった【ライブドアニュース 特集 棋士の感謝#3】。
 
 将棋のために家族で対馬から横浜に移住したこと、難病を克服して好成績を残していること、ネットテレビでで的確な解説をしていること等から、結構、注目している若手棋士ということもあり、大変、興味深く読み進めようとしたのだが、次のような一節を目にして立ち止まってしまった。

18年度の通算成績ではタイトルホルダーに並んで、各リザルトの上位に佐々木先生の名前がランクインしています。


 英語の「result」は頻繁に目にするが、カタカナの「リザルト」は初めてだった。

「result」は、一般には、結果、成績、実績と訳されるが、上記の「リザルト」は、直前に「通算成績では」とあり、それを受けて「各リザルトの上位に」と書かれており、「各部門の上位に」という意味で使われている。

 こんなところで、日本語としては聞き慣れない「リザルト」を用いる必要はない。せっかくの記事も、インタビュアーの軽薄さが気になって、素直に読み進めなくなってしまった。

 とはいえ、書かれている内容は興味深いことなので、読み進めて行ったのだが、今度は、こんな一節にぶち当たった。

佐々木先生は長崎県対馬市のご出身。離島に住んでいた小学生時代のお話からお伺いしたいと思います。離島ということでディスアドバンテージはあったと思います。


 「リザルト」に比べれば「ディスアドバンテージ」は日本語に溶け込みつつあるかも知れないが、まだまだ、違和感がある。書き換えるなら、より日本語化している「ハンディ」を使って、「離島というハンディがあったと思います。」とすべきところだろう。

 外来語は、従来の日本語になかった概念を的確に表現したり、日本語で書くと長々と説明せざるを得ない微妙な表現を一語で的確に表現したりするなど、日本語表現を豊にしてくれるものなので、一概に否定されるべきものではない。

 他方、どんな外来語でも、日本で一番最初に使われた瞬間というものがあり、2番目、3番目・・・と続いて、いつの間にか、自然な日本語となるのだから、日本語として自然に受け取られないうちは、外来語を使うな、などと言ってしまったら、外来語が日本語として定着することはなくなってしまう。

 だから、私も、日本語として定着していない外来語を一切、使うべきではない、とは言わずに、日本語として定着していない外来語を使う場合は、「分かりやすさ」が犠牲になったり、違和感を生じることを覚悟すべきである、と言うに止めることにする。

 私は、自分が日常的に使っている外来語であっても、まだ、世間的には一般化していないかも知れないと思う外来語については、括弧書きで、日本語を記している。

 たとえば、コンピュータソフトでよく使われる、デフォルト(初期設定)などである。ダウンロード、インストールなどは、そのまま使っているが、これも、たとえば、ダウンロード(導入)、インストール(組込)などと表現すべきかも知れない。

 外来語については、いくつか記事を書いてきた。

 【外来語の言い換え
 【I am not a lowyer.
 【情報セキュリティとは




選挙情報Q&A  頁番号しかない目次

 京都市では京都情報館というサイトで様々な情報発信をしており、【京都市・府議会議員選挙について】では、市議会議員選挙について、Q&A形式で様々な疑問に答えている。

選挙Q&A-0

 転居のときのQ&A【Q1 最近,京都市に引っ越してきましたが,投票できますか。】を読んだ後、次に期日前投票について調べようと思ったのだが、下の方に出ている目次は、こうだった。

選挙Q&A-1


 番号だけ出ていても、どんな質問についての解説か分からない。

 かといって、手当たり次第に番号をクリックして中身を見るのは無駄である。結局、前の頁に戻って、期日前投票に関する質問は何番かを確認することになる。

 このように番号だけで内容が書かれていないのは、本の目次に頁番号しか書かれていないのと同じであり、無用の長物である。

 どうして、こんなことに気がつかないのか。不思議である。

 ひょっとしたら、担当者がページビュー(閲覧された頁の数)を増やしたくて、こんなことをしているのかも知れない。

----- 追記 -------------------------------------------------------------------

 ところで、もう一度、Q&Aの一覧を見て、「期日前投票」が何番か捜していただこう。

選挙Q&A-0

 「期日前投票」という言葉を捜しても、どこにもない。

 上から読んでいくと、Q6に「投票日は旅行に行く予定ですが,投票することはできますか。」と書かれており、期日投票の説明は、ここにありそうだということが分かる。

 サイトの作成者は、具体的な内容の質問を書いた方が分かりやすいと考えたのかも知れないが、「期日前投票」という言葉は、今では、多くの人が知っている言葉である。

 シンプルに「期日前投票」と書いてもらった方が分かりやすい。

 その場合、「期日前投票」という言葉を知らない人のために、具体的な質問を残しておくのも、いいだろう。こんな具合だ。

Q1 【市内への転居】 最近,京都市に引っ越してきましたが,投票できますか。
Q2 【投票方法★★ 投票方法を教えてください。
Q3 【候補者の情報】 候補者のことについて知るにはどうしたらいいですか?
Q4 【議員数★★★ 今回の選挙では何人の議員が選ばれるのですか。
Q5 【開票★★★★ 開票はいつから行われるのですか。 
Q6 【期日前投票 投票日は旅行に行く予定ですが,投票することはできますか。
Q7 【不在者投票 仕事の都合でしばらく東京に滞在しています。どうしたら投票できますか。


 本稿に関連する記事を以前に書いたことがある。

  【例を挙げるだけでは伝わらない
  【番号、見出し、リード、本文

NATO加盟国の変遷  物事には順番がある

 NATO(北大西洋条約機構)が70周年を迎えたという記事の一節だ【VOA 2019.4.2 NATO Quietly Marks 70th Anniversary

NATO also has expanded to include countries that were once part of the Soviet bloc. Croatia, the Czech Republic, Estonia, Lithuania, Latvia, Hungary, Poland and Romania were formerly allied to the Soviet Union.


 冷戦後、ソ連ブロックの諸国が次々とNATOに加盟していったことが書かれているのだが、そこに書かれている国名の順番が気になった。

 最初が Croatia 次が Czech その次が Estonia となっているので、ABC順かと思ったのだが、その次は、Lithuania, Latvia と、逆転している。

 ということは、加盟順かと思い、調べてみると、こんな地図があった【NATO Wikipedia】。

 
NATO拡大


 これを見ると、最初に書かれていたクロアチアが、オレンジ色で2009年に加盟したことが分かる。ということは、加盟順という訳でもない。

 およそ、事物を並べて記載する場合、それなりの順番になっていた方が理解しやすく、記憶にも残る。

 それなりの順番というのは、たとえば、こんな具合である。

 ● 慣習
    東京、大阪、名古屋・・・

 ● 場所的配置
  ・ 北から南
     北海道、青森、岩手・・・
  ・ 西から東
     山口、広島、岡山・・・

 ● 時間順
    奈良、平安、鎌倉、室町、戦国、江戸・・・
 
 他に適切な順番がない場合は、場所的配置に従うのがいいと思う。

 というのは、場所というのは頭の中で、現地や地図をイメージすることができ、文章を読みながら、そのイメージの上に、列挙した事物をプロットししたり、該当部分に着色することができるからだ。そうすれば、プロットないし着色されたイメージが記憶として定着するのである。

 無秩序に並んだ文字情報を、そのまま覚えようとしても、至難の業である。文字情報が最初から場所順に並んでいれば、それをイメージ上に描くことができ、記憶にも残るのである。

 冒頭の例で言えば、北から順に、エストニア、ラトビア、リトワニア、ポーランド、チェコ、ハンガリー、クロアチア、ルーマニアとするのが、一番分かりやすいのである。

 ハンガリーの次は、クロアチア、ルーマニア、どちらにすべきか迷うのだが、一般に左(西)を先にする方が分かりやすいので、クロアチアを優先したのである。

 ところで、加盟順の描かれた地図を、もう一度、見てほしい。

NATO拡大

 左側に並んでいる凡例の色が問題だ。

 1949年から1982年までは、濃く暗い青から、薄い青に、グラデーションになっているので、凡例と一々照らし合わさなくても、地図を見るだけで加盟の順番が分かる。

 ところが、1990年以降は、はっきり言って、出鱈目な色並びであり、地図と凡例を照らし合わさなければ、順番を理解することができない。

 ただ、全部、青系統のグラデーションにすると、色の差異が微妙になり、順番が分かりにくくなるので考えものだ。

 ここは、ベルリンの壁の崩壊の前後で分けて、1990年を濃い赤として、そこから薄いピンクまでのグラデーションとするのが分かりやすいだろう。

 結果的に、加盟国を、NATOの役割が激変するベルリンの壁の崩壊の前後に分けて示すこともでき、より、理解しやすくなることだろう。

NATO拡大-2


 グラデーションについては、これまでも、何本も記事を書いている。

 【グラデーションのフェイント
 【赤い州、青い州
 【グラデーションは、こうする 風雨の予想図
 【グラデーションは、こうする その2 米中間選挙の開票結果の判明時間
 【色彩テスト 得点 ゼロ 直感に馴染む数字を使う
 








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