医院の診療時間は、こう書く

 街で見かける医院の前には、診療時間を表す次のようなプレートがある。

模範

 一目瞭然で、これ以上、分かりやすくは、しようがない。

 ところが、中には、一目見ただけでは分からない、次のようなものもある。

医院


 休診日の欄に「水曜・土曜午後、日曜・祝日」とあるのだが、果たして、水曜は終日休診なのか、あるいは、午後だけ休診なのか、すぐには、分からない。

 曜日の区切りに、「・」と「、」の二種類を使っていることから、仮に水曜が終日休診だとすると、「水曜、土曜午後、日曜・祝日」と書くのが自然なように思われ、そうすると、「水曜・土曜午後」となっているのは、水曜は土曜と同じく午後休診だ、ということのようにも考えられる。

 一応、こんなふうに考えられるものの、絶対そうだ、とは言い切れないだろう。

 次は、同じビルにある薬局なのだが、これも分かりにくい。 

薬局

 終了時刻について、12:30の右に18:30を配置しているのは、終了時刻が水・土は早く月・火・木・金は遅いことが直感的に理解できるので、この工夫は結構である。

 ところが、開始時刻は、どの日も、9:30であるにも関わらず、水・土は、少し右に配置している。その結果、直感的には、水・土は、開始時刻が遅いように思えてしまうのだが、数字を読めば、開始時刻は同じことが分かる。
 
 なぜ、こんなふうに、ことさら誤解を招きそうな表現をするのか、私には理解できない。


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 昨日、冒頭で、「一目瞭然で、これ以上、分かりやすくは、しようがない。」と書いたのだが、もう一工夫する余地があった。

模範-2

 背景色を変えることによって、休みがいつか、ということが、瞬間的に脳裏に焼きつけられる【2018.3.15 追記】。



色使いに要注意

 街に出ると、ブログの素材に事欠かない。

 次に掲げるのは、御所の散歩の帰りに見かけた小学校の掲示板のポスターだ。
 
挨拶

 ぱっと見には、「から元気に    しよう」としか読めない。

 近づいて見ると、なんとか、「自分から元気にあいさつしよう」と読むことができる。「自分」と「あいさつ」を強調しようとして、文字の色を「赤」にしたのだろうが、褪色してしまい、意図とは逆に、強調したかった部分が読めなくなっているのである。

 あと数年もすれば、「青」の「元気」の部分も褪色が進み、「から  に     しよう」となってしまうのは間違いなさそうだ。

 次に掲げるのは、大阪の地下鉄堺筋線の車内のドアの上の案内板だ。

ドア


 南森町の下に、 左 とあるのは、同駅では、左側のドアが開くことを示している。他方、天神橋筋六丁目の下の  は、「右」と書いてあるのだが、非常に読みくい。 

 文字の背景を黄色と青色に分けるのは、違いを際立たせるという点では大変結構なのだが、濃い青色だと、文字の黒と明るさに差がないため、文字が読みにくくなっているのだ。こんなときは、文字の色を白にして、  とすれば、ずっと読みやすくなる。




借りている資料=貸出状況 ?

 私が利用している図書館では、ネットで本を検索・予約して近くの分館まで本を取り寄せ、分館で本を受け取ることができる。大変、便利で、日常的に利用している。

 また、自分の借りている本の返却期限や、予約した本の取り寄せ状況も、下記の図のように、ネット上に「Myライブラリ」というのがあって、それを見れば、いつでも自分で確認できるようになっている。
 
ライブラリ


 一番上の[A]が、「Myライブラリ」のメニュー画面である。

 メニュー画面で「借りている資料」をクリックすれば、出てくる画面の表題は、当然「借りている資料」だと考える。ところが、実際に出てくる[B]の画面の表題は、「借りている資料」ではなく、「貸出状況一覧」となっている。

 同様に、メニュー画面で「予約した資料」をクリックして出てくる[C]の画面の表題は、「予約した資料」ではなく「予約状況一覧」となっているのだ。

 意味としては、「借りている資料」=「貸出状況一覧」であり、「予約した資料」=「予約状況一覧」なのかも、知れない。

 けれども、利用者としては、クリックした文字列と見かけ上は異なる文字列が出てきたら、戸惑ってしまう。「似たような言葉」だからといって、同じ意味とは限らないからだ。

 図書館のシステムの作成者は、[A]のメニューでは、「利用者の視点」から、「借りている」という表現をしたのだが、[B]では、「図書館の視点」から、「貸出」という表現になったのである。

 これに加えて、[A]では、「資料」、[B]では「状況」と異なる表現を用いている。実質的には同じことなのだが、「資料」と「状況」は明らかに異なる概念であり、状況によっては使い分けが必要なこともあるが、ここで使い分けるのは、混乱の元である。

 上記で指摘した「不統一」による「分かりにくさ」は、ちょっと気を緩めると、誰でも冒してしまい勝ちなものである。

 振り返って見れば、依頼者の方に、あるときは「裁判」、別のときは「訴訟」と言ったり、「口頭弁論」とか「期日」とかを無頓着に使うことがあり、依頼者の方を混乱させているのかも知れない。
 
 使う側は、「同じもの」として使っていても、部外者にとっては、「同じ概念」のような気もするが、ひょっとすると「別の概念」ではないか、という思いをすることがあるのだから、いくら注意してもし過ぎることはない。

 ところで、「貸出状況一覧」の画面の右上には、「予約状況一覧」とあり、ここをクリックすれば、「予約状況一覧」の画面に飛べる。逆に「予約状況一覧」の画面から「貸出状況」の画面にも飛べるのだが、クリックするのは、画面の右上ではなく、中央下部の「貸出状況一覧」の文字の部分である。

ライブラリー・2

 何も考えずに普通にやれば、同じような仕様になるはずなのだが、あえて異なる仕様にしているのは、私には理解できない深い事情があるのかも知れない。








弁護士の取扱業務

 各地の弁護士会では、市民が弁護士を利用しやすいように、所属会員のプロフィールをネットで公開している。中でも重要なのが、個々の弁護士の取扱業務である。

 取扱業務の表示方法は各弁護士会で様々なのだが、次に掲げる二つの弁護士会の表示方法を見比べて、どちらが分かりやすいか考えてほしい。

 ただ「考えてほしい」と言われても戸惑う人もいるかも知れないので、たとえば、次のような問題を相談できる弁護士を弁護士会のウェブサイトで調べる場合を想定してほしい。

  ① 夫のDVに悩まされており、弁護士に頼んで離婚をしたい。
  ② 交通事故で保険会社が提示した賠償額で示談をすべきか否かを相談したい。

 
業務

 
 まず、①のDVを理由に離婚したいという場合、A弁護士会の甲弁護士のプロフィールを見ると、取扱業務として「離婚・家族関係」と記されていたとする。早速、電話で予約をして甲弁護士のもとを訪ねた場合、こんなことも想定される。

 相談者:実は、夫のDVが酷くて、離婚をしたいんですけど。
 弁護士:申し訳ありませんが、私は、DV事件はしていないんです。
 相談者:ネットで見たプロフィールには離婚事件をやっていると書いてあったんですけど。
 弁護士:一般の離婚事件はやってますけど、DVに絡んだ事件はしていないんです。
 相談者:だったら、離婚事件とだけ書のじゃなくて「DVは除く」と書いくれていれば、無駄足を運ばずにすんだじゃないですか。
 弁護士:でも、DV事件をする人は「DV関係」と載せていて、私は「DV関係」と載せていないんですから、分かるはずじゃないですか。
 相談者:ほかの人のも見比べれば、分かるかも知れませんが、それって、不親切なんじゃないですか。

 これに対して、B弁護士会のような記載法であれば、「DV関係」には●が付いていないのだから、DV事件をやらないことは、誤解の余地なく、分かることである。

 次は、②の交通事故の相談をする場合である。

 A弁護士会の方は、ずらっと並んでいる取扱業務を最後まで一つずつ確認して、「交通事故」という記載がないことを確かめないと、その弁護士が交通事故を取り扱っていないことは分からない。

 他方、B弁護士会の方は、「交通事故」の欄に●が付いていないのを見れば、交通事故を扱っていないことが分かる。

 一般に何かが「ない」ということを確認するのは、大変である。

 例えば、試験の合格発表でも、ぱっと見て自分の番号が見つからなかったとしても、何度も見なければ不合格だということに確信が持てず、見落としではないかと気になってしまう。

 もし、番号の前に〇や×の記号をつけるという方法で発表してくれれば、一度見ただけで、納得できるだろう(「分かりやすさ」の点では、そのとおりなのだが、実際に、こんな方式がとられていないのは、不合格という事実をあからさまに突きつけるのは気の毒だ、という配慮かも知れない)。

 さらに、こんなことも考えられる。

 19歳の息子が逮捕されたので弁護士に相談しようと考えた人は、A弁護士会の記載例だと、取扱業務に「刑事事件」とあれば、当然、その弁護士に相談にのってもらえると思うだろう。

 刑事事件と少年事件を分けて、単に刑事事件という場合は少年事件は除くのだ、というのは、弁護士側の論理であって、一般の人に、それを押しつけても始まらない。

 B弁護士会のように、「刑事事件」のすぐ下に「少年事件」とあれば、「刑事事件」というのは、成人の刑事事件に限るということを理解してもらえるだろう。より明確にするには、「刑事事件(成人)」「刑事事件(少年)」という記載がいい。

 以上の三つの例を見れば、B弁護士会の方が市民に優しい弁護士会と言えるのは明らかだろう。

永世名人、永世竜王の条件は?

 藤井六段の活躍が多くの人の関心を呼び、各地の将棋教室で生徒が急増しているそうだ。

 かくいう私も、日本将棋連盟のウェブサイトを見て、詰め将棋を解いたり、棋戦の勝敗を確認するようになった。

 今回の将棋ブームは、もちろん、藤井六段の活躍が最大の要因であるが、羽生竜王の永世七冠達成も寄与していることは間違いない。

 そこで、この「永世」の称号なのだが、これを得るための条件は、こうなっている(【日本将棋連盟】 王座だけは、「永世」ではなく「名誉」)。
 
永世-1

 念のため補足すると、例えば、永世竜王になるには、連続して5期竜王になるか、あるいは、通算で7期竜王になればいい、ということである。

 表のとおり、各タイトルで条件が異なるのだが、この表を睨んでいても、どのタイトルが「永世」の条件が緩やかなのか厳しいのかは、なかなか分からない。

 分かりにくさの原因は、条件が、「連続」「通算」と二系統出てくるためだ。さらに、この両者が、まったく独立の条件ではなく、例えば、「5期連続」だと当然に「5期通算」になるように、部分的に従属関係にあることも、分かりにくさの原因だ。

 そこで、「永世」の条件を、二次元の図で表現してみた。
永世-2


 図にすると、各タイトルで「永世」の称号を得られるのが、どのような場合かが視覚化される。視覚化されると、条件の緩やかなものから厳しいものへと、順に、名人=棋聖 < 竜王 < 王位=王座 < 王将・棋王 となっていること、また、王将と棋王は、どちらが厳しいとは一概に言えないことが、よく分かる。



 
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Author:「時間泥棒」仕置人 (改称予定)
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 玉石混淆の情報が溢れる社会の中で、効率よく、的確に、情報を取得し、提供するには、どうすればいいのか、ということを常に考えています。

 ところが、そんなことには無頓着な人も多いようで、読者に対する配慮の一欠片もない文章を目にすることがあります。

 難解な文章で読者の貴重な時間を奪ってしまう人達のことを、「時間泥棒」と名付けました。

 このブログは、「時間泥棒」を立派に更生させることを目的として開設したものです。

 記事を読んで、自分も「時間泥棒」かな、と思ったら、早速、改めて下さい。また、あなたの廻りに「時間泥棒」がいたら、あなたの力で立派に更生させてあげて下さい。

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