京都府京都市中京区

 住所の記載で、ここ10数年、よく見かける表現だ。

京都府京都市中京区


 けれど、こんな表現は、私は、絶対に使わない。
 同じ京都府内の都市でも、宮津市や福知山市なら、「京都府」を頭につけるのも肯ける。
 だが、京都市に「京都府」をつけるのは、屋上屋以外の何ものでもない。

 「分かりやすさ」とは、単に「丁寧に」「詳しく」表現すればいいのではない。不要な情報は、可能な限り削ぎ落とした方が、読む人に余分な「情報処理の手間」をかけなくてすむのである。

 もちろん、「不要な情報」と言っても、一義的に決まるものではなく、冒頭の例でも、外国人を対象にした文章であれば、「京都府」があったほうがいいかもしれない。

 ところで、なぜ、冒頭のような例が増えたかというと、文章の作成をコンピュータに依存するようになったのが原因だと思われる。たとえば、年賀状ソフトなどで、郵便番号を「604-1234」と入力すると、自動的に「京都府京都市・・・・」と町名まで表示されるものが出回るようになった結果、大阪市や札幌市などのように日本人なら、どこの都道府県にあるかを知らない者がないくらいに有名な大都市名であっても、都道府県名を記載するのを不自然と感じない人が増えたようである。

 これとは逆に、東京の人に電話番号を確認すると、いきなり「5432-・・」と冒頭の「03」を省略する人が、たまにいる。本人は、東京のことしか眼中になく、相手が、どこの人かを考えることもなく、市外局番を省略してしまうのだろうが、不親切極まりない。

 もちろん、同じ東京の人相手に「03」を付けるのは、聞いた側は鬱陶しいことである。

 結局、「分かりやすさ」の基本、相手の知識、経験、文脈を常に考えて、もっとも適切な表現を選択することこそ、大事だということである。

 ところで、冒頭の、都市名の前に都道府県名をつけるべきか、という点に関しては、司法研修所では、訴状の住所の記載に関して、県庁所在地の都市の場合は省略し、それ以外の都市の場合は、都道府県名をつける、と習った記憶がある。概ね、それでいいのかも知れないが、宇都宮、前橋、津、大津、松江といった都市には、都道府県名をつけたほうがいいような気もする。

「□」は、ロシアの「ロ」ではない

 ギリシャの国民投票で財政緊縮策の受入に反対するとの結果が出て、ギリシャがEUを離脱するのではないか話題になっているが、以下の図は、今朝の朝日新聞に載っていた図で、これまでのEUおよびユーロ圏の拡大を示したものである。
 
ユーロ拡大

 この図で引っかかったのは、右上の「ユーロ導入国」のしたの丸括弧の中の□である。たまたま、地図上では、ロシアの場所にあるので「ロシア」の「ロ」かとも思ったのだが、そんなはずはない。ついで、記号としての四角形かと思ったのだが、各国の地図には、そのような四角形は存在しない。そのうち、□の辺が微妙に太くなっていることに気づき、改めて地図に目をやると、国の境界が太く記されているのに気づいた。
 
 ここまで来て、ようやく、□は、ユーロ導入国と非導入国の境界を太い黒の線で区切るということを示すものだということが分かった。

 私が、そのことをすぐに理解できなかった原因は、次の2点である。
 ①口の線の色が黒で、海岸線を示す灰色との対比が明確でなかったこと
 ②形が、正方形で、実際の境界のような細かな出入りのある曲線とは結びつかなかったこと

 だとすると、改善案は、必然的に、以下のとおりとなる
 ①□の線、ユーロ圏の境界の線を、ともに、赤にする。
 ②□ではなく、歪んだ曲線で囲まれた形を用いる。

 おそらく、①だけで、十分と思われる。
検索フォーム
カレンダー
06 | 2015/07 | 08
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -
素材、分野別の表示
★ 下記の言葉をクリックすると、関連記事が表示されます。

グラフ 原発 マスコミ 学校 色彩 法曹界 時間 錯覚 司法試験 大学 NHK 修飾関係 主語述語 官公庁 外来語 京大 言葉の意味 将棋 IT エクセル インターネット 一般企業 地図・案内図 政界 東大 指示語 読点 論理の飛躍 テレビ テレビ朝日 地方自治体 法律 家電製品 図書館 裁判所 

プロフィール

「時間泥棒」仕置人 (改称予定)

Author:「時間泥棒」仕置人 (改称予定)
.

 玉石混淆の情報が溢れる社会の中で、効率よく、的確に、情報を取得し、提供するには、どうすればいいのか、ということを常に考えています。

 ところが、そんなことには無頓着な人も多いようで、読者に対する配慮の一欠片もない文章を目にすることがあります。

 難解な文章で読者の貴重な時間を奪ってしまう人達のことを、「時間泥棒」と名付けました。

 このブログは、「時間泥棒」を立派に更生させることを目的として開設したものです。

 記事を読んで、自分も「時間泥棒」かな、と思ったら、早速、改めて下さい。また、あなたの廻りに「時間泥棒」がいたら、あなたの力で立派に更生させてあげて下さい。

最新記事
全記事表示リンク

全ての記事を表示する

最新コメント
月別アーカイブ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

FC2カウンター
リンク