「分かりやすさ」と情報操作

 以下の図は、ここ数年間の大阪の有効求人倍率の変化を、「分かりやすく」グラフにしたものである。 
 
求人-大阪維新


 この図を見れば、
  ①大阪の求人倍率が他府県から突出して改善していること
  ②特に、ここ2年の間に急激に改善していること
が一目で「分かる」。

 ところで、次の図も、やはり、大阪の有効求人倍率の変化に関するグラフである。
 
求人-実態

 どちらの図も、同じ統計データ【職業安定業務統計(厚労省)】に基づくものである。

 ご覧のとおり、最初のカラーの図を見ると、大阪が有効求人倍率で、トップに立っているように「見える」。ところが、次のモノクロの図を見ると、東京、愛知などは、大阪よりも有効求人倍率は遙かに高いことが分かる。どちらが、真実を伝えているかは、明白である。

 もちろん、「分かりすさ」を追究するためには、元の情報を全て再現するのではなく、必要に応じて取捨選択することが必要である。また、元の情報を、そのまま再現するのではなく、「分かりやすく」加工することが必要になる場合もある。

 だが、情報の取捨選択、情報の加工は、やり方によっては、上記のように、「恣意的」「御都合主義」ととられかねないものである。

 最初の図は、【大阪維新の会】のもの、二番目の図は、【特集 「大阪都構想」の大嘘.適菜収+新潮45取材班】に掲載されたものである。

 情報の取捨選択、加工は、「分かりやすさ」のためには不可欠であるが、行きすぎると、「詐欺」と言われかねないということである。大阪維新の会の橋下代表は、話を「分かりやすく」伝えることにかけては天才的な能力を有しており、彼の手法には学ぶべきところがあるのだが、上記のような「操作」は、もはや限度を超えており、詐欺師呼ばわりされてもやむを得ないだろう。

居住環境と思考の枠組み

 少し長くなるが、欠陥住宅全国ネットの記事を引用する。

イギリス等の教会の尖塔は、霧深く薄暗い風土で物の見え方が曖昧模糊としていたゲルマン世界において、神秘的・超越的存在に対する憧憬が、キリスト教の一神教の本質と合致した結果、天に向かう垂直性・上昇性として表現されたものだとか。これは、ギリシャ・ローマといった乾いた明るい風土で物の見え方が明快な世界において、水平性が強調された建物が多いことと対照的である。また、古代エジプトにおいては、ナイル川により生活領域が南北方向に限定され、太陽が運行する東西方向が加わり、直交座標で空間を捉える結果、ピラミッド建築が生まれたとか。   【「ふぉあ・すまいる」33号『京都から、とりとめもないお便り』 神崎哲(欠陥住宅京都ネット) 】


 地形、気候といった、それぞれの地域の特性が人々の思考、美意識に反映し、それが現実の建築物の形に影響を与えるというのは、これまで考えたことはなかったが、指摘されてみれば、まさにそのとおりである。

 東北の曲がり家、白川郷の合掌造りなど、日本国内でも地域の特性に応じた建築物が存在することは知っていたが、そのような特徴的な建築物が存在する理由は、馬の飼育や豪雪への対応といった専ら実用的な観点からの違いに過ぎないと認識していた。

 ところが、前記の説明では、実用面よりも、地域の特性が人々の思考の枠組に影響を与え、それが建築物に反映しているのだという点で、非常に新鮮だった。

 ゲルマンとギリシア・ローマの違いもなるほどと思ったのだが、それ以上に納得したのが古代エジプトの行である。というのは、私自身の育った環境に照らして、まさに実感できたからである。

 私は高校を卒業するまで、場所は転々としたが、いずれも、とある企業の社宅で育ったのだが、その社宅は皆が皆、整然とした縦横の道路が走っており、幼稚園に入った頃から、毎日、自転車で、その縦横の道を疾走し、道というものは、このように縦横に直交しているものだという認識が植え付けられていたのである。

 だから、中学に入って直交座標を習っても何ら違和感なく理解できたし、大学に入ると、町全体が碁盤の目の京都で暮らすようになって、なんでも直交座標で理解するという思考方法は一層、強化されていったのである。

 そういったことから、どんなことでも、縦横の二次元の表にできないと物事を理解するのが苦痛になり、その反面、二次元の表にしてしまえば、物凄く理解できた気になり、それをもとに考えるのも、ずっと楽になったのである。
 
 だが、私にとっては文章よりも縦横の表にした方がずっと分かりやすいことでも、人によっては、かえって分かりにくいこともあるということは、司法試験の勉強を始めた頃から何となく気づくようになり、親しい友人からは、私の方が特殊なのだと言われたこともあった。結局、表になじむか否かという思考の枠組は、物心がついたときの環境に大きく影響されるのだろう。

 そういうわけで、以下の3本のブログは、私にとっては「分かりやすさが第一」という、このブログの趣旨からは当然すぎることなのだが、誰にとってもそうだとは限らないのだということも、弁えておく必要があるのである。
 【証拠説明書は表に限る
 【期限内に・・・
 【三次元の表

留守番電話は、ゆっくりと

 話し言葉では、相手の話が早口のため聞き取れないことがある。

 そんなときは、対面でも、電話でも、もう一度聞き返せば足りるのであるが、困るのは留守番電話の場合である。

 電話をしてきた人の名前や電話番号など、どうしても必要な情報が何度再生しても聞き取れないことがある。

 電話番号は、かかってきた時刻から着信履歴に残っている番号を見てわかることもあるが、人の名前については、そうもいかない。折り返しの電話をするにしても、「よく聞きとれなかったんですけれど、山なんとかさんという方、おられますか?」などという、なんとも頼りない電話をするしかない。

 総じて、普通の会話では、それほどは早口でない人でも、留守番電話になると、早口になる傾向があるように思う。自分が留守番電話にメッセージを残す場合のことを振り替えって考えると、相手が機械であることから、何となく不安になり、つい早口になってしまうように思う。

 そうしてみると、留守番電話の場合、意識的にゆっくり話すことが必要なようである。
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「時間泥棒」仕置人 (改称予定)

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 玉石混淆の情報が溢れる社会の中で、効率よく、的確に、情報を取得し、提供するには、どうすればいいのか、ということを常に考えています。

 ところが、そんなことには無頓着な人も多いようで、読者に対する配慮の一欠片もない文章を目にすることがあります。

 難解な文章で読者の貴重な時間を奪ってしまう人達のことを、「時間泥棒」と名付けました。

 このブログは、「時間泥棒」を立派に更生させることを目的として開設したものです。

 記事を読んで、自分も「時間泥棒」かな、と思ったら、早速、改めて下さい。また、あなたの廻りに「時間泥棒」がいたら、あなたの力で立派に更生させてあげて下さい。

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