I am not a lowyer.

 ノーベル物理学賞に決まった中村修二氏が受賞発表後の記者会見で、研究の原動力は何かと尋ねられて、「アンガー(怒り)」と答えたという【毎日新聞 2014.10.18】。

 受賞記者会見で、こういった発言をしたことについては、品位を欠くといった意見もあるようだが、何かをなすにあたって「アンガー(怒り)」が原動力の一つになることは間違いないだろう。

 かくいう私も、ノーベル賞級の研究とは比ぶべくもないが、このブログを書く原動力の一つに、「アンガー(怒り)」があるのは間違いない。

 どうして読み手のことを考えずに、こんな無神経な文章が書けるのか。そう思うことが多いのである。こんな分かりにくい文章のために、どれだけの数の読み手が無駄な時間を費やしたり、ストレスを感じたりしているのだろう、と思うのである。

 自分は常に読み手のことを考えて、「分かりやすい文章」を書くために時間を労力を費やしているのに、他方で、「分かりにくい文章」を読まされるために、そこでも時間と労力を費やさなければならない。こんな割の合わない話はないではないか。こう考えると、無神経な書き手に対し、「怒り」が込み上げてくるのだ。

 そうは言っても「怒り」を抱えているだけでは何にもならない。「無神経な書き手」を「配慮ある書き手に」にするために頑張る他はない。そう思って、このブログを始めたのである。だから、このブログの右端の「プロフィール」欄に書いていることこそ、私の願いなのである。
 

 記事を読んで、自分も「時間泥棒」かな、と思ったら、早速、改めて下さい。また、あなたの廻りに「時間泥棒」がいたら、あなたの力で立派に更生させてあげて下さい。


 ところで、このブログに取り上げる素材は、幸か不幸か尽きることはない。

 「分かりにくい文章」には、いくつかの類型があるが、なかでも私の「逆鱗」に触れるのは、外国語、外来語の多用である。実際、このブログを始めるきっかけになったのは、外来語が満載の文章だったのである【フランチャイザーのフランチャイジーに対する債権を担保するために、フランチャイジーからフランチャイザーに対して・・・】。

 今日も、とある事務所のウェブサイトのメニューで、下記のような記載を目にした。

 Home
 WORKS
 PROFILE
 EVENT
 CLIENTS
 RECLUIT


 本文は日本語で書かれているのであるから、日本語を解する人を前提にしているのは間違いない。だったら、メニューも日本語で書けば足りるのである。

 それを、英語の方が「かっこいい」「お洒落」という、英語を習い始めた田舎の中学生並みの感覚しか持ち合わせていないから、こんなところで英語を使ってしまうのであろう。中学時代にやり取りした年賀状を見返してみると、私も含めて私の周囲が、いかに英語を崇拝していたのか想い出され、思わず赤面してしまう。

 使っている単語自体は、平易な英単語であるから、理解できないわけではない。だが、日本語を母語とする人を相手にしているウェブサイトである。日本語で書けばいいではないか。ことさら、アルファベットを使ったために、読み手は無駄な神経を使わされるのである。

 しかも、みっともないのは、自分では洗練したウェブサイトだと思っているのだろうが、「RECLUIT」などという英語もどきの言葉を書いているのである。ろくに英語もできない中学生が背伸びして英語を使っているようで、みっともないこと、この上ない。

 法律事務所のウェブサイトや名刺でも、「弁護士」のつもりで「Lowyer」と書かれたのを見たことが一度ならずある。こんなことをやっていたら、「変態」とか「馬鹿外人」といった漢字が大書されたTシャツを着て喜んでいる外国人を笑ってなどいられないではないか。

アンケートの質問事項

 私が所属する弁護会では、会員専用ページで、各会員の委員会、法律相談の予定を掲載しているが、特に重要なのは、法律相談の予定で、前日には青色、当日には赤色で、注意を喚起している。こんな具合だ。

法律相談予定

 ただ、いくら会員専用頁を作成する側が頑張ったところで、各会員が会員専用頁を毎日見るのでなければ、意味がない。

 そこで、各会員が会員専用頁をどれくらいの頻度で見ているかをアンケートすることになった。

 問題は、その際の、アンケート項目である。日常よく目にするアンケートであれば、さしづめ、次のようになるだろう。
 

 あなたは、会員専用頁を、どれくらいの頻度で見ていますか。
 ① ほぼ毎日、見る
 ② よく見る
 ③ ときどき見る
 ④ たまに見る
 ⑤ まったく見ない


 私は、こういったアンケートを見る度に考えてしまうのである。
 
 3日に1度だったら、「よく見る」だろうか、それとも、「ときどき見る」だろうか。アンケートに答える人が、それぞれの基準で答えたとき、それを集計することに、どれほどの意味があるのだろうか。

 また、直近一月くらいのことを答えればいいのか、あるいは、ここ半年くらいのことを答えればいいのか、これも人それぞれであろう。

 各人の「評価」「基準」に左右されないようなアンケートこそ、意味のあるアンケートではないのか。そこで、実際に作成したのは、次のようなアンケートである。
 

 あなたは、この30日間で、会員専用頁を何回見ましたか。
 ① 25日以上
 ② 15日~24日
 ③ 5日~14日
 ④ 1日~4日
 ⑤ まったく見ない


 これなら、人による「評価」「基準」の違いには左右されない、「客観的な」アンケートと言えるだろう。

 もちろん、アンケートは人の記憶を頼りにするのだから、24回見たか、25回見たか、記憶を喚起して答えよ、というのは無理を強いている側面もある。答える側からすると、厳密に「何日」と聞かれても、戸惑ってしまうかも知れないので、「よく」「ときどき」という曖昧な言葉を用いた方が答えやすいのかも知れない。

 答えやすさと客観性を両立させようとすると、すこし煩雑な質問になるが、次のようになるだろう。
  

 あなたは、会員専用頁を、どれくらいの頻度で見ていますか。
 ① ほぼ毎日、見る  (過去30日間に25日以上)
 ② よく見る      (過去30日間に15~24日)
 ③ ときどき見る    (過去30日間に5~14日)
 ④ たまに見る     (過去30日間に1~4日)
 ⑤ まったく見ない  (過去30日間、見ていない)


 どれが最善か、みなさんは、どう思われますか。

------------------------------------------------------------------------
アンケート項目の改訂版である。
 

 あなたは、この一月間、会員専用頁を、どれくらいの頻度で見ていますか。
 ① ほぼ毎日、見る  (週に6回以上)
 ② よく見る      (2日1回以上)
 ③ ときどき見る    (週に1回以上)
 ④ たまに見る     (月に1回以上)
 ⑤ まったく見ない 


 感覚的には、こちらの方が、しっくり来るように思う【2014.10.26追記】。

「底力を3氏の受賞はあらためて世界に示した」

 昨日のノーベル物理学賞の話題を取り上げた朝刊のコラムの一節である。

 STAP細胞問題は日本の科学への信頼を揺るがせたが、底力を3氏の受賞はあらためて世界に示した。                                                                                                    【京都新聞「凡語」 2014.10.8


 「底力を3氏の受賞はあらためて世界に示した」の部分が分かりにくい。「示した」を修飾しているのは、次の4つである。
 ①底力を
 ②3氏の受賞は
 ③あらためて
 ④世界に

 あまりにも有名で、かつ、基本中の基本と言うべき「長い修飾語を先に」という規則から外れている。

 この規則に従えば、②③①④の順、すなわち「3氏の受賞はあらためて底力を世界に示した」でなければならないはずである。

 朝刊のコラムの執筆者と言えば、新聞社社内でも、達意の文筆家という評価を得ているはずの人である。そんな人でも、こういった基本を外れた「分かりにくい」文章を書いてしまうのである。

 翻って考えてみると、「日本の作文技術」の筆者の本多勝一氏でさえ、分かりにくい文章の例として、自分の書いた文を取り上げていた箇所があったくらいだから、ときに間違いを犯すのも仕方ないと言えよう。

 そのことを自覚した上で、一度書いた文章を、そのまま公開するのではなく、書いた直後はもちろん、一晩おいてから、もう一度、読み直して、より「分かりやすく」する努力を惜しんではならない。

 ただ、新聞記事などは、自分で一晩寝かさなくても、というより、寝かしている暇はないのであるが、それに変わる部署として、「整理部」があるのだから、そこで引っかかるはずである。それでも、冒頭の一節のような文章が公にされることがあるのである。

 なお、冒頭の例だか、「底力」だけでは、今ひとつ分かりにくい。文の前半の「日本の科学への信頼」との対比が分かりやすくなるように、「日本の科学の底力」とするのがいいだろう。そうすると、「長い修飾言」になり、語順としては、元の文と同じでいいということになる。

 STAP細胞問題は日本の科学への信頼を揺るがせたが、日本の科学の底力を3氏の受賞はあらためて世界に示した。


 ただ、新聞のコラムは、字数の制限があるから、「日本の科学の」を付け加えることによって字数超過にならないよう、どこかで、字数を削らなければならない。 
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「時間泥棒」仕置人 (改称予定)

Author:「時間泥棒」仕置人 (改称予定)
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 玉石混淆の情報が溢れる社会の中で、効率よく、的確に、情報を取得し、提供するには、どうすればいいのか、ということを常に考えています。

 ところが、そんなことには無頓着な人も多いようで、読者に対する配慮の一欠片もない文章を目にすることがあります。

 難解な文章で読者の貴重な時間を奪ってしまう人達のことを、「時間泥棒」と名付けました。

 このブログは、「時間泥棒」を立派に更生させることを目的として開設したものです。

 記事を読んで、自分も「時間泥棒」かな、と思ったら、早速、改めて下さい。また、あなたの廻りに「時間泥棒」がいたら、あなたの力で立派に更生させてあげて下さい。

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