お休みのお知らせ  カレンダーを利用しないのは、もったいない

 とある飲食店の、お休みのお知らせだ。 

お休み-1


 必要な情報は誤解の余地なく記されており、ちゃんと読めば分かるのが、なかなか「分かった」という気にはなれない。

 では、こんなふうに、カレンダーを利用して、休みの日の背景色を灰色にしたら、どうだろうか。

お休み-5

 一瞬のうちに理解でき、記憶にも定着するだろう。

 もしも、暦の世界に、月や曜日というものがなかったら、どうなるだろう。 
 

  2019年135日 = 2019年5月15日(水)


 休みは、128日、129日、134日、141日、142日、148日、と言われても、実感を伴わず、到底、記憶することなど不可能である。

 月や曜日という人為的な区切りを設けることによって、無色透明な毎日の連続にメリハリが生まれて、いつのことか、ということが理解されるのである。

 そして、それをカレンダーによって「可視化」することにより、一層、全体の見通しがよくなり、理解もしやすく、記憶にも定着するのだ。

 せっかく、無味乾燥な日々の連続を、カレンダーという形で構造化できるのだから、カレンダーを使わないのは、宝の持ち腐れというべきだろう。

 本稿に関連した記事としては、以下のものがある。

 【拘束時間の可視化
 
 【医院の診療時間は、こう書く

 【営業時間の表示は、こうする



司法試験合格率の推移  棒グラフと折れ線グラフの併用

Schulze BLOG 明日から司法試験】に過去8年間の司法試験の受験者数、合格率に関する数値が掲載されていたので、いつものごとく、グラフにしてみた。

合格者数-合格率


 合格者数を棒グラフ、合格率を折れ線グラフにしたのは、数は実体が存在するのに対し、率は計算によって算出される観念的なものであることから、視覚的にも、数は存在感のある棒グラフ、率は存在感の薄い折れ線グラフとするのが、直感に馴染むと考えたからである。

 合格率の色を灰色にしたのは、以前の記事【司法試験の合格率の推移  合格率のパラドックス】に掲載した下記のグラフで、受験者全体の合格率を灰色にしたのと合わせたものである。ここで別の色を使ったりすると、前のグラフと同時に見る人には混乱させることにもなりかねない。

司法試験合格率-訂正2


----- 追記 2019.5.15 -------------------------------------------------------------------

 初めのグラフに、データラベルを追加した。

合格者数合格率ラベル

 データラベルは、より厳密な情報の伝達というプラスの側面と、見た目が煩雑になるというマイナスの側面があるので、両側面を比較の上で用いなければならない。


組織内弁護士調査結果(続編)  無駄な情報は削ぎ落とす

 昨日の【組織内弁護士調査結果】の続編だ。

 【日本組織内弁護士協会(JILA)のサイト】では、過去数年間の調査結果や分析について、ダウンロードできるようになっている。

 
組織内弁護士調査-5

 「企業内弁護士に関するアンケート調査結果」「企業内弁護士アンケートの結果」という言葉が何度も出てきているが、情報としての意味はない。

 情報として、重要なのは、以下の3点である。
   ● いつの調査か
   ● 集計結果か、その分析か
   ● ダウンロードできるか否か

 この情報だけを整理すると、こうなる。

組織内弁護士調査-6

 元のサイトには、ファイルの大きさまで出ているが、パソコンの動作に影響を及ぼすような巨大ファイルならともかく、1メガにも満たないファイルの大きさに関心を持つ人はいないだろう。




組織内弁護士調査結果

 日本組織内弁護士協会(JILA)が、組織内弁護士に関する調査結果を発表している【組織内弁護士のアンケートデータ】。

組織内弁護士調査-1

組織内弁護士調査-2


 「組織内弁護士のアンケートデータ」という表題のもとに、「企業内弁護士に関するアンケート調査集計結果」へのリンクが設けられている。
 
 「組織」と「企業」が使い分けられているが、意識的な使い分けなのか、無頓着な「表記ゆれ」なのか、ここだけを見ても分からない。

 一般に組織という場合、企業に限らず、官公庁、自治体、学校法人、宗教法人等も含まれるのだが、「企業」内弁護士に限定してのアンケートなのだろうか。

 その点はさておき、とりあえず、調査結果を見てみた。

組織内弁護士調査-3


 こんな数字だらけの表が、全部で50以上も、ぎっしりと並んでいる。

 途中で、頭がクラクラして、読むのをやめた。

 とりあえず、年収に関する調査結果を分かりやすくグラフにしてみた。

組織内弁護士調査-4


分かりやすくするための工夫は、以下のとおりだ。

 ● グラフは、毎度おなじみの、エクセルのデータバーの機能を利用した。

 ● 数字が左に貼り付いていたのだが、余白を設けた。

 ● 数字の桁が上下で不揃いなのを揃えた。

 ● 中央値の属する区分、最頻値の区分の背景を灰色にし、全体の状況が一目で分かるようにした。

----- 追記 2019.5.13 -------------------------------------------------------------------
 
 本稿の続編【組織内弁護士調査結果(続編)  無駄な情報は削ぎ落とす】を書いた。





上告理由書の工夫  演出はほどほどに

 裁判所の「判決書」を、ご覧になったことはあるだろうか。

 グラフや図があるわけでもないし、見出しがゴシックになっているわけでもない。カラーが使われているわけでもないし、段落と段落の間に空白の行があるわけでもない。同じ大きさ、同じ書体の黒い文字が延々と連なっており、どの頁を見ても、同じように見えてしまう。

 他方、弁護士が裁判所に出す書面は、見出しをゴシックにしたり、重要部分にアンダーラインを引いたり、読みやすく、かつ、印象に残るように、様々な工夫を凝らしているものがある。

 そんな中、一票の価値の平等を訴える訴訟の上告理由書【選挙無効請求上告事件 上告理由書】を見たのだが、こうなっていた。

 
上告理由-1


 「正当性」の文字が、若干、大きすぎるような気もしたが、いかにして裁判官に訴えるか、様々な工夫を凝らしていることが窺えた。このあと、どんな工夫を凝らしているのか興味を持って読み進めて行くこと、こんなふうになっていた。

上告理由-2

 文字や背景に色をつけるのは、効果的ではあるが、全頁、こんな調子で色を使われると、読む方も疲れてくるし、全体の印象も、「なにか、ごちゃごちゃ色を使っていたな」という程度の印象しか残らず、逆効果ではないだろうか。

 さらに、こんな頁もあった。

上告理由-3

 強調部分にアンダーラインを引いているのだが、よく見ると、一頁の文章のすべてにアンダーラインが引かれている。

 これでは、強調の意味はない。

 幼稚園のときに見た紙芝居「アリババと40人の盗賊」の一シーンを想い出した。 
 

どろぼうはポケットからチョークを出して、カシムの家の戸に白い目じるしをつけました。そして大元気で、森の仲間のところへ帰って行きました。
 それからまもなく、モルジアナは、このへんな目じるしを見つけました。
 これはきっと、だんなさまに悪いことをしようとする者がつけたしるしにちがいない、とモルジアナは思いました。それで、チョークを取って来て、町じゅうのどの家の戸にも、みんな同じようなしるしをつけて歩きました
 さて、どろぼうたちは、町へ行った仲間から、あの切りきざんだ人間の家がわかったということを聞いて、大へんよろこびました。そしてその晩、戸に白い目じるしのついている家をさして、かたきうちに出かけました。けれども、町までおしかけて来た時、どの家の戸にも同じ目じるしがついているので、どれが目ざす家だか、かいもく知れませんでした

青空文庫 アリ・ババと四十人のどろぼう

 何をするにしても、ほどほどが大事、ということである。

 【実務に理解の深い教員の養成は急務なのだが・・・  過剰演出は不要
 【不要な情報はカットする



ロースクール入学者の推移

 【Schulze BLOG】に、ロースクール入学者総数と内訳(社会人出身、法学部以外出身)の昨年までの推移が載っていたので、折れ線グラフにしてみた。

 
ロー入学者


 ● 実数は実線、割合は点線とした。

 ● 内訳を表示するので、総数は中立的な色(無彩色である、灰色)を用いた。

 ● 凡例は、一箇所にまとめるのではなく、各グラフの近くに配置した。


物体に反射・透過する  助詞と動詞の対応関係

 【いちばんよくわかるWebデザインの基本きちんと入門】という本の52頁に、こんな記載があった。

  可視光線は、物体に反射・透過することによって波長が変わります。


 「物体に反射・透過」の部分が気にかかった。

 まずは、以下の5つの文を見てほしい。

【1】 物体に反射する
【2】 物体を透過する
【3】 物体に反射・透過する
【4】 物体を透過・反射する
【5】 物体に反射したり、物体を透過する


 名詞+助詞+動詞 の組み合わせで、どのような助詞が用いられるかは、名詞、動詞の組み合わせによって異なる。

 上記の【1】【2】のとおり、「物体、反射」なら「に」だし、「物体、透過」なら「を」だ。

 ところが、一つの名詞が二つの動詞と結びつく場合、助詞を一つしか用いないとすると、【3】【4】のように、直近の動詞に合う助詞を選択せざるを得ない。

 だが、そうすると、二つ目の動詞との関係では、選択された助詞は,必然的に不適切な助詞とならざるを得ない。

 それを防ぐには、【5】のように、動詞が二つなら名詞も助詞も二つにして、最適な助詞を選択するほかはない。

 ただ、そうすると、同じ名詞が2回出てきて、くどすぎる感じがする。

 【3】【4】と【5】とは、一長一短ということになり、常にどちらという訳には行かないようである。



 






元号西暦の対応表を電車の時刻表で表現する

 元号と西暦の対応関係を表現した電車の時刻表のような表が話題になっている【「天才かよ」この発想はなかった 時刻表風の歴代元号表が話題 デイリー 2019.5.3】。

 
元号


 ご覧のとおり、西暦の上2桁を「時」、下2桁を「分」に見立てた時刻表に、元号を記載している。

 西暦の4桁の数字を分解して時刻表に見立てるという発想はなかなかのものである。この発想をヒントに、他の分野でも、「分かりやすく」するための工夫ができるかも知れない。

 なお、南北朝時代は、南朝を赤、北朝を青で表しているのも、直感に馴染むもので好ましい。



トランプに勝てる民主党候補  

 来年の秋の米大統領選に向けて、早くも予備選レースが始まっている。【米民主の大統領候補、トランプ氏と支持拮抗】という記事に、こんな図が載っていた。

 
大統領-1

 数字を見ていけば、対トランプ戦で、どの候補が強いのかは分かる。だが、どうせ図解するなら、候補の優劣が直感的に分かる方がいい。

 
大統領-2

 これなら、どの候補ならトランプに勝てそうか、一目で分かる。

 なお、色分けについては、【赤い州、青い州】に書いた。



neighbors are annoying  迷惑なのは、どっち?

 住宅街にある某大学の学生寮の前を通りかかったら、寮の玄関前に、こんな注意書きがあった。

注意書き

 最初に日本語を読んだ後、上に書かれている英文を見たのだが、思わず、目を疑った。
 

   The neighbors are very annoying !!


 深夜に外で話をすると近所の人が文句を言ってきて面倒だから静かにしろと言っているようだ。

 日本語の方は、学生たちが迷惑をかけている、という謙虚な(というより、むしろ、当然な)認識なのだが、英文の方は、何の反省もなく、文句を言ってくる近隣住民の方が悪いような書き方である。
 
 annoy に限らず、 surprise , interest , respect などの、人の感情に関わる動詞は、感情を抱く主体が主語ではなく目的語となり、逆に、感情を抱かせる原因が主語となるので、注意をしないと、全く逆の意味になってしまう。

 この点については、【annoying と annoyed の違い。】というサイトがある。

ところで、冒頭の注意書きだが、英文だけでなく、日本語の方にも問題がないわけではない。
 

   話しをしないで!!


 名詞の「はなし」は、「話し」ではなく「話」である。

 この点については、以前の記事【孫や息子の嫁を養子にする話し】にも書いた。





 

3期連続ランキング戦優勝と決勝トーナメント進出 修飾関係は「、」で明示する

 【藤井聡太七段、タイトルホルダー撃破!「令和」活躍のカギは将棋AI活用法】という記事の一節である。
 

24日、藤井聡太七段(16)が第32期竜王戦4組ランキング戦準決勝で高見泰地叡王(25)に127手で勝ち、決勝へ進出した。これにより3組への昇級も決定した。

 藤井(聡)七段は、3期連続ランキング戦優勝と決勝トーナメント進出へあと1勝に迫った。


 「3期連続ランキング戦優勝と決勝トーナメント進出」の「3期連続」というのは、「ランキング戦優勝」だけを修飾するのか、「決勝トーナメント進出」も修飾するのか、決め手がない。

 数式のように括弧を使えば明確になるのだが、普通の文章で使うわけにも行かないので、読点「、」で使って修飾関係を枚辞するほかない。

 【0】 3期連続ランキング戦優勝と決勝トーナメント進出

 【1】 3期連続ランキング戦優勝と、決勝トーナメント進出
 【1】 (3期連続ランキング戦優勝)と(決勝トーナメント進出)

 【2】 3期連続の、ランキング戦優勝と決勝トーナメント進出 
 【2】 3期連続(ランキング戦優勝と決勝トーナメント進出)


 なお、規定【竜王戦 Wikipedia】によれば、ランキング戦に優勝すれば自動的に決勝トーナメントに進出ということになり、また、竜王戦3組以下の組では、ランキング戦に優勝しない限り、決勝トーナメントへの進出はないため、事実としては、【2】の意味ということになる。


コンコース階と改札階  同じ対象は同じ言葉を使う

 姉を地下鉄の駅まで送って行ったときのこと、階段で下りようとしたところ、姉はエレベーターがいいという。

 そこで、エレベーターのところまで行ったのだが、ボタンの上の方に、こんな説明書きがある。

地下鉄-1

 地下鉄のエレベーターの地上にある出入り口なのだから、改札のあるコンコース階へ行くことは分かりきったことなのに、ご丁寧な説明である。

 だが、単に無用な説明というだけではない。

 「コンコース」という言葉は何十年も前から使われている言葉なのだが、私は未だになじめず、「ホーム階とは違う階だから、改札階だな」と頭の中で確認
作業をしなければ、分かった気にならない。

 何も書いていなければ、何の疑問も抱くことなくボタンを押していたはずなのに、「コンコース階」などと書かれたために、よけいな神経を使わされたのである。「改札階」と書けば足りるのである。

 結局、有害無益な表示ということになる。


 さて、エレベーターに乗り込んでドアが閉まり、そのまま待っていると、エレベーターは止まったまま、「行く先階のボタンを押して下さい」というアナウンスが流れて来た。

 行く先と言っても、行き先はコンコース階に決まっており、選択の余地はない。だったら、ドアが閉まれば、すぐに動き出せばいいのに、なぜ、改めて、ボタンを押させるのだろう。


 「面倒なことをさせるな」と思いながら、「コンコース階」というボタンを探すと、こんな表示がある。

地下鉄-2

 私が捜しているカタカナの「コンコース」という文字はなく、「改札階」という漢字と、「Concourse」というアルファベットが書かれている。

 意味の上では同じでも、はじめに「コンコース階」という文字を見た私は、「改札階」ではなく、「コンコース階」という文字を探そうとしたのである。「コンコース階」を使いたければ、「コンコース階」で統一してくれればいいものを、こんな不統一な表現をされると、ほんの僅かではあるが、ストレスに感じるのだ。


● 分かりきったことを説明しない

● 適切な日本語がある場合、外来語を使用しない
    もちろん、エレベーターのように、日本語として定着しているもlのは、今さら、昇降機などと書かれると、そちらの方が疲れるが、コンコース階は改札階の方がいいだろう。

● 選択の余地がないのに、「選択」を迫らない

● 同じ対象には、同じ言葉を用いる




ゴールデンウィーク期間のごみの収集  無意味な限定はしない

 10連休で、ごみの収集がどうなるのか気になったので、ネットで調べてみた。

 【京都市情報館 ゴールデンウィーク期間のごみの収集について】では、次のように書かれている。

ごみ収拾-1

 ゴールデンウィークは、4月27日から5月6日までだ。説明を見る限り、「通常通り実施」というのは、ゴールデンウィークの全期間ではないようだ。

 ということは、記載された日以外の日は、ゴールデンウィークのため、ごみ収集はしないということなのか。

 ところが、カレンダーで確認すると、記載されなかった日、すなわち、4月27、28日、5月4,5日は、土日であり、そもそも、ふだんから、ごみ収集は行なわれていない。

 結局、ゴールデンウィークの間も、普段と同じ、ということである。

 だったら、こう書けば足りる。

ごみ収集-2

社会実情データ図録

 素晴らしいサイトを見つけた。

 人口、産業、環境など、様々な社会の実情を示す統計データを収集し、かつ、それを棒グラフや折れ線グラフで可視化した【社会実情データ図録】というサイトだ。

 このブログでも何度も述べてきたように、数字を羅列した表と比べて、棒グラフや折れ線グラフの方が、以下の点で遙かに優れている。

 ● 一覧性 数字を一つずつ目で追っていかなくても、一目で、全体の傾向が分かる。

 ● 訴求性 時の経過に伴う増減、項目ごとの大小などが、強く印象づけられる。

 ● 記憶への定着 グラフが画像として記憶に定着する。

 上記のサイトは、多種多様な統計情報を収集整理し、かつ、それをグラフで可視化し、分かりやすくするための工夫を随所に凝らした、私がネットで見る限り、これ以上のサイトはないというくらい素晴らしいサイトである。

 もちろん、どんなに素晴らしいと行っても、完璧という訳にはいかない。だからこそ、このブログの素材として取り上げた次第である。

 今回の素材は、上記のサイト中の、地域別の人口規模の順位の変遷を示すグラフである。
 
地域別人口

地域別人口規模順位の変遷


 北陸や北九州が南関東に次ぐ2位だった時代があるというのは驚きだったし、平安時代の前期に南関東が畿内を超えていたというのも意外だった。

 また、1000年の都、天下の台所と称された京都や大阪を含む「畿内」が、江戸時代後期から戦後間もない時期まで、人口規模で5番以下だったのも、にわかには信じられなかった。

 こういった事実が、数字を数字のまま提示するのではなく、グラフ化することによって、可視化されるのである。

 ただ、このグラフにも、以下のような問題はある。

 【1】 多種多様な色や形のマーカーが使われていて、見ていて疲れること
 【2】 色と地域の結びつきに何の関連もないこと

 【1】については、以前の記事【実務に理解の深い教員の養成は急務なのだが・・・  過剰演出は不要】を、【2】については、【色使いは、こうする】を見てほしい。
 
 せっかくのサイトである。さらにブラッシュアップしてほしくて、このブログで取り上げた次第である。

----- 追記 -------------------------------------------------------------------

 上記の【社会実情データ図録】を見つけた経緯は、こうである。

 これまでも、【犯罪取締りを強化しよう】に書いたように、前々から、統計に反する事実が真実のごとく受け入れられ、その認識によって社会が動いていくことに、いいようのない不安を持っていた。

 そんなとき、たまたま、図書館で【統計データはためになる! -棒グラフから世界と社会の実像に迫る-】【 統計データが語る 日本人の大きな誤解】という本を見つけた。一通り目を通して、まさに、その通りだ、こういった書籍こそ、もっともっと多くの人に読まれるべきだし、社会的影響力の大きなマスコミ関係者、とりわけ、ワイドショーのコメンテーターに読まれるべき書籍だと思った。

 その書籍の中で、同じ著者による上記のサイトが紹介されており、その情報量に圧倒されたのだった。

----- 追記 2019.5.1 -------------------------------------------------------------------

 冒頭のグラフを元に自分でも作ってみた。

クリックして拡大
地域別人口-2


 ● 色は7種類、マーカーの形は3種類に抑えた。
 ● 北海道から沖縄にかけて、寒冷→温暖というイメージに合うように色を選択した。
 ● 同じ色の地域については、マーカーの形を、北に位置する地域から順に、●■▲とした。

 こういった工夫をしたことにより、たとえば、縄文時代は東日本に人口が偏っていたことが一目で理解することができるようになった。 

 ただ、工夫をしてみたものの、色の種類が多くて疲れるし、マーカーの形による識別も、必ずしも容易とは言えず、冒頭のグラフと五十歩百歩かも知れない。

 比較するのが16地域と多いため、これ以上「分かりやすく」するのは困難と思うが、誰か、より「分かりやすい」グラフを作成できたら、ぜひ、連絡してほしい。

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 なお、改めて、元のグラフを見たのだが、マーカーの形が全て異なっている。これなら、色に頼らずマーカーの形だけで識別することが可能であり、ユニバーサルデザインの観点からは好ましいといえる。

----- 追記 2019.5.2 -------------------------------------------------------------------

 昨日のグラフを見返してみたのだが、やはり、色が多いと疲れる。そこで、色使いを変えて、青→薄紫→赤のグラデーションにした。緑、黄、橙がなくなって、だいぶ落ち落ち着いた感じがする。

クリックして拡大
地域別人口-3


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街で見かけた建築看板  数字の区切り方(3桁区切り、小数点)

 少子高齢化と言われるが、京都市中心部では、幼稚園や保育園の新設が相次いでいる。

 今日も街を歩いているときに、幼稚園の建築看板を見かけたが、その一部だ。

建築-1


 数字の区切りに「,」「.」「、」の三種が使われている。

建築-2


 「,」は、大きな数を読みやすくするための3桁ごとの区切り、「.」は小数点であるのは明らかだが、「、」は何だろう。

 「、」の後ろには数字が二つしかないのだから、三桁区切りではなく、小数点の意味だということがわかる。

 ところで、下の表のとおり、世界的には、三桁区切りは、「,」とは限らず、「.」や「 」(スペース)を用いる国もあれば、小数点は「.」とは限らず、「,」を用いる国もある。 

数字区切り

海外の言語別の小数点および桁区切りの記号一覧


 こういった、日本と表記方法の違う国とのやりとりでは、日本のやり方を押しつけるわけにはいかないだろうが、せめて日本国内では、「、」など用いないでほしいものである。

 「、」を用いるのは、おそらく、漢数字のときの習慣がアラビア数字に持ち込まれたのだと思われるが、漢数字の使用は極力、避けるべきである。

 もちろん、一石二鳥、四苦八苦、七転八倒などの熟語は、1石2鳥、4苦8苦、7転8倒なと書いたら、かえって何のことか分からなくなってしまう。




法学部卒、非・法学部卒  共通部分は一瞬にして共通であることが分かるようにする

 先日の【司法試験受験予定者の属性に関するグラフ】に掲載したグラフの中から、受験資格のグラフを再掲する。

属性資格訂正

 何度か見ているうちに、もう少し改善できないかと考え、次のようにした。

属性資格右詰

 どう変えたか。

 比較できるように、変えた部分だけ取り出して並べてみた。

属性資格右詰比較

 比べてみると、右側の方が、すっきりしていることが分かるだろう。

 「すっきり」した理由は、「法学部卒」の文字の位置が縦に4つ揃っていることだ。
 
 そして、2行目と4行目では、「非・」と言う文字が「法学部卒」の左に飛び出しており、1行目、3行目との違いが嫌でも印象づけられる。

 ところが、左側の書き方だと、「法学部卒」というのが4行すべてに共通して書かれていることを読み取るのに一瞬ではあるが時間がかかる。このように共通部分を理解した上で、「非・」という部分が違うことを理解するのである。

 要するに、共通部分が一瞬にして分かり、だからこそ、違う部分も一瞬にして分かる、と言う点が、右側の方が優れている理由である。



数字の配置  統一感より、分かりやすさ

 先日の【司法試験受験予定者の属性に関するグラフ】に掲載した5つのグラフのうち、最初の2つ、性別、受験資格のグラフを再掲する。

zokusei-seibetsu.png
 

属性資格訂正

 「%」を表す数字の位置が微妙に異なっている。

 本来、同じような表なのだから、数字の位置は、できれば統一的なものにした方がいいに決まっている。

 けれども、あえて不統一にしたのには訳がある。

 性別の方を受験資格に合わせると、次のようになる。

属性性別-2

 ご覧のとおり、「71.65」の「7」が、ちょうど緑の棒グラフの右端に接触しているため、「7」と認識するのが、若干、困難になっている。

 次に、受験資格の方を性別に合わせると、次のようになる。

属性資格-2

 「91.98」の2番目の「9」が、ちょうど棒グラフの右端部分に重なって、読みにくくなっている。

 こういう理由で、「統一感」より「分かりやすさ」を優先したのである。

 ところで、この記事で書いたことは、全く気にならない人もいるだろう。

 ブログを書いていて、この記事は誰でも大いに共感してくれるだろうと思える記事もあれば、細かすぎて、あまり共感をえられないだろうと思える記事もある。

 けれども、この記事を書き続けることによって、少しでも多くの人が、「分かりやすさが第一」と考えて表現に気を遣うようになってくれれば、私のストレスは軽減するし、誤解に基づく無用な紛争も軽減するのは間違いない。

 

司法試験受験予定者の属性に関するグラフ

 司法試験の受験予定者の属性別の人数が確定した【2019年(平成31年/令和元年)司法試験の受験予定者数が確定 4,899人(昨年▲827人、14.4%減)】ので、グラフにした。

 なお、以前の記事【司法試験出願者の属性  情報伝達における二つの重要な視点】は、「出願者」の属性に関するものであり、今回のは、「受験予定者」の属性に関するものである。

zokusei-seibetsu.png
 

属性資格訂正


zokusei-kaisuu.png


属性科目訂正


zokusei-shikenchi.png


----- 追記 2019.4.23 -------------------------------------------------------------------

 本稿のグラフを作成するに当たって気を付けた点について書いた。
 【数字の配置  統一感より、分かりやすさ

 より分かりやすくするために、受験資格のグラフを訂正し、その理由について述べた。
 【法学部卒、非・法学部卒  共通部分は一瞬にして共通であることが分かるようにする


ノートルダム大聖堂  写真には説明がいる

 パリのノートルダム大聖堂の火災で尖塔が崩落した【中日新聞 2019.4.16 ノートルダム大聖堂炎上 パリの象徴、尖塔焼失】。テレビでは映像が映し出されているのだが、大聖堂が全体としてどんな形をしているのかは、映像を見ても分からない。

 なんとなく、もやもやした感じだったのだが、毎日新聞の記事に、崩落部分を色分けした大聖堂の見取り図が載っているのを見て、すっきりした。

大聖堂-1

 ただ、上にある写真と見取図の対応関係が分からない。

 写真と見取図を比べていって、ようやく、この辺りから、この部分を写したのだろう、ということが分かった。

大聖堂-2

 最初から、こういった矢印を付けてくれていれば、悩むこともなかったのだが。

 

情報の科学と技術  中途半端な分かりやすさ

 このブログを書くようになってから、ネットで、このブログと同趣旨の記事がないか、意識的に注意している。

 これはと思えるような記事に巡り会うことは滅多にないのだが、そんな記事に出会ったときは、嬉しく思うこともあれば、「ちょっと負けたな」と思うこともある。

 そんな記事の中で、私が脱帽するしかない、最高の記事は、以前にも紹介した【伝わるデザイン - 研究発表のユニバーサルデザイン - 】である。

 そのサイトの運営者は、本業は生物系の研究者なのだが、その研究の傍ら「伝わるデザイン」を徹底して探求し、その結果を公にしているのである。

 今日、「情報の科学と技術」という、まさに情報伝達の技術を専門にしていると思われるサイトを見つけ、「伝わるデザイン」に匹敵することが書かれているかも知れないと思い、期待が膨らんだ。

 そのサイトに【情報の科学と技術65巻11号 情報をわかりやすくするデザイン: 情報デザインは「何であって」「何でない」のか】という記事があり、表をグラフにすることによって、全体的な傾向が直感的に把握できることを、例を挙げて解説していた。

果物-1

果物-2

 このブログでも再三にわたって述べてきたことであり、異論はない。

 だが、ここに掲げられた表もグラフも、問題がある。

 最初は、表の方だ。

果物-1

 左端に、1、2・・という数字、上端に、A、B・・というアルファベットの記載がある。

 おそらく、表計算ソフトのエクセルで作った表を画像として取り込む際に表の周囲も一緒に取り込んだため、無用な行番号、列番号まで入っているのだろう。

 けれども、行番号などの情報は、本筋とは全く無関係な「雑音」に過ぎない。「雑音」があると、脳の情報処理能力の一部を「雑音」に割かなければならず、その分、本質的なものの理解の妨げになる。

 次に、グラフの方だ。

果物-2

 どの折れ線が、どの果物に対応しているのか、線の幅、濃さ、マーカーの形を照らし合わせて、漸く理解することができる。

 直感的に理解できるようにするには、こうすればよい。

果物-3


 2つの図(表とグラフ)には「分かりやすさ」の点で問題があるのだが、いずれも、「情報の分かりやすさ」に無頓着な一般人が適当に作成した図ではない。

 それどころか、冒頭で述べたように「情報の科学と技術」という専門誌に、「情報デザイン学者」【Wikipedia】と言われる人が、「複雑な情報を整理し,わかりやすく編集して伝える」技術の一例として説明する際に用いた図である。

 記事の中には、こんな記述もあった。
 

「情報をわかりやすくする」ためのデザインは生活や社会のあらゆる場面で求められている。よって,情報デザインが対象とする状況も生活のありとあらゆる場面に広がっている。そのため情報デザインはアカデミズムの側からでなく,日常生活の効率化・機能化を目指す実践や実学を通して発展してきた。それだけ実践的な知としての完成度も高いということができるかもしれない。


 確かに、そのとおりだろう。

 上記2つの表は、「アカデミズム」のレベルが、実践や実学のレベルに追いついていないことを端的に証明するものとなっており、図らずも、「アカデミズム」に身を置く筆者の主張の説得力を高めているのである。

上野千鶴子氏の東大入学式での祝辞の論評  理解不能な文章は、早めに見切りを付ける

 上野千鶴子氏の東大入学式での祝辞が話題となっている【BLOGOS 東大入学式の祝辞は、なぜこんなに話題になったのか?】、

様々な論評の中の一節にこんなのがあった【上野千鶴子・東京大学名教授の東大入学式祝辞への違和感】。

私が私の正義の信念から公へ怒りをもつなら、私はその怒りに、私がベットできるすべてまでで答えられるのであって、オール・インをしてはいけない。そのつけはいずれ他者に回る。


「ベット」という言葉は、使ったことはないが、聞いたことは何度かある。「賭け」のことである【 カジノ用語辞典】。

 「オール・イン」という言葉は、聞いたこともなかったが、「賭け」の話の中で出てくるのだから、有り金全部を賭けることだろう、という推測ができるが、調べてみると、ポーカーで手持ちのチップを全部、賭けることだそうだ【ニコニコ大百科】。
 
 こうして日本語になったのだが、何が言いたいのかは、分からない。筆者は、こんな表現で分かると思っているのだろうか。

 この筆者の文には、こんな表現もある。
 

そこでの倫理の形はアーチャー的絶望に至る。

 

では人ができることはその人のATフィールドの延長くらいしかないのかといえば、連帯と友愛がそれを超えるだろう。


 「アーチャー的絶望」は、ネットで検索しても、4件しか出てこず、結局、意味は分からなかった【グーグル検索結果 "アーチャー的絶望"】。

「ATフィールド」は、「アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』に登場する特殊能力(バリア)」のことだそうだ【ニコニコ大百科】。「ATフィールド」の意味は分かっても、文の意味は分からない。

 もの凄く、無駄な時間を費やしたようだ。

 ここまで書いて、筆者のプロフィールを確認した【極東ブログ finalventプロファイル】。

 筆者はアルファブロガー(人気ブロガー)であり、老舗出版社からエッセイを出版したりしているそうである。

 そういう事実を突きつけられると、この筆者の文章を理解できない私の頭が悪いのかと、だんだん、自信がなくなって、絶望的な気分になりそうだ。

 いや、絶望している場合ではない。外来語をちりばめた小難しい文章であれば、理解できなくても、いや、理解できないからこそ、そこに魅力を感じる人々が多いのに違いない。そう自分に言い聞かせて、アーチャー的絶望から脱出するしかないだろう。


雑誌目録 

 京都市図書館には様々な雑誌が置かれているが、どこに、どんな雑誌が置かれているのかをネットで確認することができる【京都市立図書館 雑誌目録】。

目録-0

 
目録-1

 図書館の略号の後ろに、括弧書きで、6m とか 3m とかの記載がある。

 一瞬、雑誌が書棚に6メートルにわたって並んでいる状態を想像したのだが、常識的に考えて、そんなことはない。

 よく見ると、1y とか 3y などの記載もある。

 m と y と並んでいるのを見れば、月、年のことだろうと、推測もつく。要するに、どれくらい過去に遡って雑誌を保管しているのかを示しているのだ。

 改めて画面を見直してみると、上に、こんな説明がある。

目録-2

 目を凝らしてみると、3y:3年間 6m:6か月間 となっており、思った通りだったことが分かる。

 けれども、この濃い灰色の背景色は、一体なんだろう。

 ごく薄い背景色なら効果的だが、黒に近い背景色だと、読みづらい。この読みにくさは、ウェブサイトを作った時点で、考えるまでもなく気づきそうなものだが、なぜ放置されているのか不思議である。

 また、図書館の略号についても説明がある。

目録-3

 長い名前の図書館もふくめ、みな、1文字か2文字で記されることになっている。

 「記されている」ではなく、「記されることになっている」というのは、実際には、上記の略号で記されていない図書館もあるのだ。

目録-1

 「久我のもり」という記載があるが、「久我」と略称されるはずだったのだ。

 どうして、こんな「ちぐはぐ」なことができるのか。不思議である。

群雄割拠の将棋界を俯瞰する 2019.4.1 現在

群雄割拠の将棋界を俯瞰する】【左下から右上へ】の続編である。

将棋棋士


 これだけの情報を、文字だけで伝えようとすると、どれだけの文字数が必要となるだろう。また、文字情報を見ただけで、概要を理解するには、どれだけの時間がかかることだろう。以下のことは、表を眺めていれば、すぐに分かることである。

【1】 A級にいた50代の棋士も、全員、A級から陥落している。
【2】 A級にいた40代の棋士は、4割くらいは、A級に踏みとどまっている。
【3】 20代のA級棋士は、豊島ひとりだけである。
【4】 20代のタイトル経験者4人のうち3人が関西本部所属である。 

 こういったことが可能になるのは、棋士の様々な属性を、表の中の配置、アンダーライン、文字色、枠線、星印、背景色といった様々なもので表現し、かつ、それが同時に目に入るからである。文字情報では、到底、不可能なことである。

「同時に目に入る」ということは、記憶に止めておく必要がない、ということである。文字情報を読みながら、何十字もの情報を記憶に止めておくのは、不可能に近いことである。

 昨日の記事のとおり、【もっと、もっと、図形情報を活用しよう】ということである。


もっと、もっと、図形情報を活用しよう

 文字情報よりも図形情報(表、グラフ、写真、イラスト)の方が、理解感銘力記憶の定着の点で優れていると言うことは、このブログでも度々書いてきた。

 今日、たまたま、図形情報の有用性を裏付けるような記事を二件、見つけた。

 一つは心臓疾患に関する、こんな記事だ【VOA For Heart Health -- Seeing Is Believing】。

Experiments suggest that people who see detailed pictures of their clogged arteries may be more likely to stay healthy than people who do not. ・・・ experts say patients only remember a small part of what their doctor tells them to do. Seeing a picture is much more effective. To use a popular English expression, “A picture is worth a thousand words.” 


 原文からは離れるが、とことん意訳すると、こうなる。

医者の忠告など患者はほとんど覚えていないが、詰まった血管の写真を見せられると、ほっといても健康に気をつけるようになる。 百万言を費やすより、一枚の写真だ。


 もう一つは、福島第一原発事故の調査に関連した【福島原発全交流電源喪失は津波が原因か(その8)】と言う記事だ。

運転データなどについて資料要求すると、最初は提供できないと答え、再度請求すると東京電力の施設内の部屋(東新ビル1階の部屋があてがわれました)の中での閲覧なら認めると言い、運転データなどただ見ても何もわかるはずがない、エクセルでグラフにしないと分析できないのだからデータ自体を出せ、出さないと国会から要求するぞと言ってようやくデータを出すというようなことが多々ありました。


 図形情報の有用性は、少しずつではあるが、認識されつつある。

 一例を挙げると、私の学生時代(70年代)には、法律の基本書で図解を取り入れているものは極めて少なかったが、90年前後から、ふんだんに図解を取り入れた基本書を見かけるようになった。

 国会の質問でも、グラフの書かれたパネルを示しながら質問すると言うのが当たり前になってきた。

 相当前からのことだが、歴史の本については、漫画で学習するの当たり前の時代になっているようだ【日本史漫画のすすめは?大学受験勉強に最適なマンガ!】。


  


 
 
 

15歳で司法試験に合格した中学生  ご飯論法、2パターン

 講談社のサイトに【15歳で司法試験に合格した中学生も!天才少年「その後の人生」】という記事がある。

 うっかりすると、「凄い!」と思うし、実際、「凄い!」と思わせるのが狙いだろう。

 今の制度になる前は、司法試験は、一次試験と二次試験に分かれており、一次試験は一般教養の試験であり大学の教養課程を修了していれば免除されていた。

 二次試験を受ける者の大半は大学の3年生以上であり、一次試験に合格した上で二次試験をうける者は、数えるほどしかいなかった。

 だから、「司法試験」と言えば普通は二次試験のことを指した。

 冒頭の記事の見出しは、「司法試験」としか書いていないので、中学生が合格したのは二次試験だと思うのが普通である。ところが、記事の中身を読むと、中学生が合格したのは二次試験ではなく一次試験だと書かれている。

 出版社の側は、合格したのが司法試験であることは間違いないのだから、見出しは嘘ではない、というのだろう。

 だが、こんなことを繰り返していると、そのうち、「どうせ、あの出版社だから」と思われるようになるだろう。そんな信用の低下と引き換えにしてでも、当面の閲覧数を稼ぎたい、ということだろう。

 このように、ある言葉にAB二通りの意味がある場合、どちらの意味であるかを明らかにせずに、その言葉を使い、Aだと思わせておいて、あとで、都合が悪くなると、AではなくBの意味で使ったのだと居直る論法を「ご飯論法」という【文春オンライン 池上彰「WEB 悪魔の辞典」】。

 ただ、一口に「ご飯論法」といっても、以下の2パターンある。

意味の  縮小
意味の  拡張


の2パターンである。

ご飯論法-3

 冒頭の司法試験の例は、もちろん、意味の拡張のパターンである。

 くれぐれも、騙されないようにしてほしい。












東電幹部強制起訴の議決書  超長文を、改行、字下げにより、構造化する 

 3年前に【「強制起訴」の違和感】という記事を書いたが、そのきっかけとなったのは、福島原発事故当時の東電幹部が「強制起訴」されたという報道だった。

 次に掲げるのは、「強制起訴」を決定した検察審査会の議決書【京女法学第9号 福島第一原発苛酷事故と「強制起訴」制度】に記載された「犯罪事実」である。


被疑者勝俣恒久(以下「被疑者勝俣」という。)は、平成 14 年 10 月から東京電力株式会社(以下「東京電力」という。)の代表取締役社長として、平成 20 年 7 月からは東京電力の代表取締役会長として、同社の経営における最高責任者としての経営判断を通じて、被疑者武黒一郎(以下「被疑者武黒」という。)は、平成 17年 6 月から東京電力の常務取締役原子力・立地本部長として、平成 19 年 6 月からは東京電力の代表取締役副社長原子力・立地本部長として、同社の原子力担当の責任者として原子力発電所に関する知識、情報を基礎に実質的経営判断を行うことを通じて、被疑者武藤栄(以下「被疑者武藤」という。)は、平成 17 年 6 月から東京電力の執行役原子力・立地本部副本部長として、平成 20 年 6 月からは東京電力の常務取締役原子力・立地本部副本部長として、平成 22 年 6 月からは東京電力の取締役副社長原子力・立地本部長として、同社の原子力担当の責任者として原子力発電所に関する知識、情報を基に技術的事項に関して実質的判断を行うことを通じて、いずれもその頃、福島第一原子力発電所(以下「福島第一原発」という。)の運転停止又は設備改善等による各種安全対策に関する実質的判断を行い、福島第一原発の地震、津波による原子力発電所の重大事故の発生を未然に防止する業務に従事していた者であるが、福島第一原発は、昭和 40 年代に順次設置許可申請がなされて設置され、我が国では津波に対する余裕の最も少ない原子力発電所とされていたところ、文部科学省に設置された地震調査研究推進本部(以下「推本」という。)の地震調査委員会が平成 14 年 7月 31 日に公表した「三陸沖から房総沖にかけての地震活動の長期評価について」(以下「長期評価」という。)において、三陸沖北部から房総沖の海溝寄りの領域内のどこでも Mt(津波マグニチュード)8.2前後の津波地震が発生する可能性があるとされ、原子力安全委員会が平成 18 年 9月に改訂した耐震設計審査指針(以下「新指針」という。)では、津波について、施設の供用期間中に極めてまれではあるが発生する可能性があると想定することが適切な津波によっても、施設の安全機能が重大な影響を受ける恐れがないことを十分に考慮したうえで設計されなければならないとされ、原子力安全・保安院は、それを受け、各電力事業者に対し、既設の原子力発電所について新指針に照らした耐震バックチェックを指示し、そのバックチェックルールでは、津波の評価につき、既往の津波の発生状況、最新の知見等を考慮することとされ、他方、それまでの海外の事例や東京電力内で発生した浸水被害等により、想定津波水位を大きく超える巨大津波が発生して原子力発電所が浸水した場合には、非常用の電源設備や冷却設備等が機能喪失し、最悪の場合には炉心損傷等の重大事故が発生する可能性が既に明らかになっていたところ、平成 19 年 11 月ころより、東京電力では、耐震バックチェックにおける津波評価につき、推本の長期評価の取扱いに関する検討を開始した結果、平成 20 年 3 月ころには、推本の長期評価を用いると福島第一原発の O.P.(小名浜港工事基準面)+ 10メートルの敷地(以下「10m 盤」という。)を大きく超える津波が襲来する可能性があることが判明し、それ以降、被疑者武藤においては少なくとも平成 20 年 6 月にはその報告を受け、被疑者武黒においては少なくとも平成 21 年 5 月ころまでにはその報告を受け、被疑者勝俣においては少なくとも平成 21 年 6 月ころまでにはその報告を受けることにより、被疑者ら 3名はいずれも、福島第一原発の 10m 盤を大きく超える津波が襲来する可能性があり、それにより浸水して非常用の電源設備や冷却設備等が機能喪失となり、炉心損傷等の重大事故が発生する可能性があることを予見し得、したがって、被疑者武藤は少なくとも平成 20 年 6 月以降、被疑者武黒は少なくとも平成 21 年 5 月以降、被疑者勝俣は少なくとも平成 21 年 6 月以降、福島第一原発の 10m 盤を大きく超える津波が襲来した場合に対する何らかの設備改善等の安全対策を講じることを検討し、何らかの合理的な安全対策を講じるまでの間、福島第一原発の運転を停止すること等も含めた措置を講じることにより、いつか発生する可能性のある大規模地震に起因する巨大津波によって福島第一原発が浸水し、炉心損傷等の重大事故が発生することを未然に防止すべき注意義務があるのにこれを怠り、必要な安全対策を講じることなく、運転を停止することもないまま漫然と福島第一原発の運転を継続した過失により、平成 23 年 3月 11 日午後 2 時 46 分に発生した東北地方太平洋沖地震(以下「本件地震」とい。)に伴い、本件地震に起因して生じた巨大津波による福島第一原発の浸水により、全電源喪失により非常用の電源設備や冷却設備等を機能喪失させ、炉心損傷等の重大事故を発生させ、同日以降に生じた水素ガス爆発等により福島第一原発から大量の放射性物質を排出させた結果、別紙被害者目録(省略、以下同様)記載の被害者計 13 名につき、水素ガス爆発等により生じたがれきに接触するなどして同人らにそれぞれ同目録記載の傷害を負わせ、福島第一原発から約 4.5 キロメートルに位置する福島県双葉郡大熊町大字熊字新町 176 番 1 所在の医療法人博文会双葉病院に入院していた患者のうち計 44 名につき、前記放射性物質の大量排出に起因して災害対策基本法に基づく避難指示により、長時間の搬送、待機等を伴う避難をさせ、その避難の過程において同目録記載の同人らの既往症をそれぞれ悪化させ、よって、同目録記載の日に同人らをそれぞれ同目録記載による死因により死亡させたものである。


 まさか、今、上記の全文を読んだ人はいないと思うが、全部で、2353文字、句点「。」なしで、延々と続いている。

 一つの文の長さの一般的な目安としては、50文字だから、その約50倍である。

 こんな長文を一息に読める人は、超人的な理解力、記憶力の持ち主だろうが、そんな人は滅多にいないのだから、凡人向けに、より分かりやすくするほかはない。

 かりに、「。」で区切って一文一文を短くしなくても、文章を「構造化」すれば、だいぶ理解しやすく、かつ、記憶に残りやすくなる。

 こんな具合である。


被疑者勝俣恒久(以下「被疑者勝俣」という。)は、
 平成 14 年 10 月から東京電力株式会社(以下「東京電力」という。)の代表取締役社長として、
 平成 20 年 7 月からは東京電力の代表取締役会長として、
同社の経営における最高責任者としての経営判断を通じて、

被疑者武黒一郎(以下「被疑者武黒」という。)は、
 平成 17年 6 月から東京電力の常務取締役原子力・立地本部長として、
 平成 19 年 6 月からは東京電力の代表取締役副社長原子力・立地本部長として、
同社の原子力担当の責任者として原子力発電所に関する知識、情報を基礎に実質的経営判断を行うことを通じて、

被疑者武藤栄(以下「被疑者武藤」という。)は、
 平成 17 年 6 月から東京電力の執行役原子力・立地本部副本部長として、
 平成 20 年 6 月からは東京電力の常務取締役原子力・立地本部副本部長として、
 平成 22 年 6 月からは東京電力の取締役副社長原子力・立地本部長として、
同社の原子力担当の責任者として原子力発電所に関する知識、情報を基に技術的事項に関して実質的判断を行うことを通じて、

いずれも
その頃、福島第一原子力発電所(以下「福島第一原発」という。)の運転停止又は設備改善等による各種安全対策に関する実質的判断を行い、福島第一原発の地震、津波による原子力発電所の重大事故の発生を未然に防止する業務に従事していた者であるが、

福島第一原発は、
  昭和 40 年代に順次設置許可申請がなされて設置され、
  我が国では津波に対する余裕の最も少ない原子力発電所とされていたところ、

文部科学省に設置された地震調査研究推進本部(以下「推本」という。)の地震調査委員会が平成 14 年 7月 31 日に公表した「三陸沖から房総沖にかけての地震活動の長期評価について」(以下「長期評価」という。)において、
  三陸沖北部から房総沖の海溝寄りの領域内のどこでも Mt(津波マグニチュード)8.2前後の津波地震が発生する可能性があるとされ、

原子力安全委員会が平成 18 年 9月に改訂した耐震設計審査指針(以下「新指針」という。)では、
  津波について、施設の供用期間中に極めてまれではあるが発生する可能性があると想定することが適切な津波によっても、施設の安全機能が重大な影響を受ける恐れがないことを十分に考慮したうえで設計されなければならないとされ、

原子力安全・保安院は、
  それを受け、各電力事業者に対し、既設の原子力発電所について新指針に照らした耐震バックチェックを指示し、
  そのバックチェックルールでは、津波の評価につき、既往の津波の発生状況、最新の知見等を考慮することとされ、

他方、
それまでの海外の事例や東京電力内で発生した浸水被害等により、
想定津波水位を大きく超える巨大津波が発生して原子力発電所が浸水した場合には、非常用の電源設備や冷却設備等が機能喪失し、最悪の場合には炉心損傷等の重大事故が発生する可能性が既に明らかになっていたところ、

平成 19 年 11 月ころより、
 東京電力では、耐震バックチェックにおける津波評価につき、推本の長期評価の取扱いに関する検討を開始した結果、

平成 20 年 3 月ころには、
 推本の長期評価を用いると福島第一原発の O.P.(小名浜港工事基準面)+ 10メートルの敷地(以下「10m 盤」という。)を大きく超える津波が襲来する可能性があることが判明し、

それ以降、
 被疑者武藤においては少なくとも平成 20 年 6 月にはその報告を受け、
 被疑者武黒においては少なくとも平成 21 年 5 月ころまでにはその報告を受け、
 被疑者勝俣においては少なくとも平成 21 年 6 月ころまでにはその報告を受けることにより、

被疑者ら 3名はいずれも、
   福島第一原発の 10m 盤を大きく超える津波が襲来する可能性があり、
   それにより浸水して非常用の電源設備や冷却設備等が機能喪失となり、
   炉心損傷等の重大事故が発生する
 可能性があることを予見し得、

したがって、
被疑者武藤は少なくとも平成 20 年 6 月以降、
被疑者武黒は少なくとも平成 21 年 5 月以降、
被疑者勝俣は少なくとも平成 21 年 6 月以降、
  福島第一原発の 10m 盤を大きく超える津波が襲来した場合に対する何らかの設備改善等の安全対策を講じることを検討し、何らかの合理的な安全対策を講じるまでの間、福島第一原発の運転を停止すること等も含めた措置を講じることにより、いつか発生する可能性のある大規模地震に起因する巨大津波によって福島第一原発が浸水し、炉心損傷等の重大事故が発生することを未然に防止すべき注意義務があるのにこれを怠り、

 必要な安全対策を講じることなく、運転を停止することもないまま漫然と福島第一原発の運転を継続した過失により、

 平成 23 年 3月 11 日午後 2 時 46 分に発生した東北地方太平洋沖地震(以下「本件地震」とい。)に伴い、本件地震に起因して生じた巨大津波による福島第一原発の浸水により、全電源喪失により非常用の電源設備や冷却設備等を機能喪失させ、炉心損傷等の重大事故を発生させ、同日以降に生じた水素ガス爆発等により福島第一原発から大量の放射性物質を排出させた結果、

別紙被害者目録(省略、以下同様)記載の被害者計 13 名につき、水素ガス爆発等により生じたがれきに接触するなどして同人らにそれぞれ同目録記載の傷害を負わせ、

福島第一原発から約 4.5 キロメートルに位置する福島県双葉郡大熊町大字熊字新町 176 番 1 所在の医療法人博文会双葉病院に入院していた患者のうち計 44 名につき、前記放射性物質の大量排出に起因して災害対策基本法に基づく避難指示により、長時間の搬送、待機等を伴う避難をさせ、その避難の過程において同目録記載の同人らの既往症をそれぞれ悪化させ、
よって、同目録記載の日に同人らをそれぞれ同目録記載による死因により死亡させたものである。



文章の「構造化」については、これまでも、いくつか記事を書いてきた。
 
 【カリフォルニア州の司法試験
 【意味の塊ごとに改行する -調書方式-

 更に読みやすくするために、ポイントとなる部分を赤字で強調した。


被疑者勝俣恒久(以下「被疑者勝俣」という。)は、
 平成 14 年 10 月から東京電力株式会社(以下「東京電力」という。)の代表取締役社長として、
 平成 20 年 7 月からは東京電力の代表取締役会長として、
同社の経営における最高責任者としての経営判断を通じて、

被疑者武黒一郎以下「被疑者武黒」という。)は、
 平成 17年 6 月から東京電力の常務取締役原子力・立地本部長として、
 平成 19 年 6 月からは東京電力の代表取締役副社長原子力・立地本部長として、
同社の原子力担当の責任者として原子力発電所に関する知識、情報を基礎に実質的経営判断を行うことを通じて、

被疑者武藤栄(以下「被疑者武藤」という。)は、
 平成 17 年 6 月から東京電力の執行役原子力・立地本部副本部長として、
 平成 20 年 6 月からは東京電力の常務取締役原子力・立地本部副本部長として、
 平成 22 年 6 月からは東京電力の取締役副社長原子力・立地本部長として、
同社の原子力担当の責任者として原子力発電所に関する知識、情報を基に技術的事項に関して実質的判断を行うことを通じて、

いずれも
その頃、福島第一原子力発電所(以下「福島第一原発」という。)の運転停止又は設備改善等による各種安全対策に関する実質的判断を行い、福島第一原発の地震、津波による原子力発電所の重大事故の発生を未然に防止する業務に従事していた者であるが、

福島第一原発は、
  昭和 40 年代に順次設置許可申請がなされて設置され、
  我が国では津波に対する余裕最も少ない原子力発電所とされていたところ、

文部科学省に設置された地震調査研究推進本部(以下「推本」という。)の地震調査委員会が平成 14 年 7月 31 日に公表した「三陸沖から房総沖にかけての地震活動の長期評価について」(以下「長期評価」という。)において、
  三陸沖北部から房総沖の海溝寄りの領域内のどこでも Mt(津波マグニチュード)8.2前後の津波地震が発生する可能性があるとされ、

原子力安全委員会が平成 18 年 9月に改訂した耐震設計審査指針(以下「新指針」という。)では、
  津波について、施設の供用期間中に極めてまれではあるが発生する可能性があると想定することが適切な津波によっても、施設の安全機能が重大な影響を受ける恐れがないことを十分に考慮したうえで設計されなければならないとされ、

原子力安全・保安院は、
  それを受け、各電力事業者に対し、既設の原子力発電所について新指針に照らした耐震バックチェックを指示し、
  そのバックチェックルールでは、津波の評価につき、既往の津波の発生状況、最新の知見等を考慮することとされ、

他方、
それまでの海外の事例東京電力内で発生した浸水被害等により、
想定津波水位を大きく超える巨大津波が発生して原子力発電所が浸水した場合には、非常用の電源設備や冷却設備等が機能喪失し、最悪の場合には炉心損傷等の重大事故が発生する可能性が既に明らかになっていたところ、

平成 19 年 11 月ころより、
 東京電力では、耐震バックチェックにおける津波評価につき、推本の長期評価の取扱いに関する検討を開始した結果、

平成 20 年 3 月ころには、
 推本の長期評価を用いると福島第一原発の O.P.(小名浜港工事基準面)+ 10メートルの敷地(以下「10m 盤」という。)を大きく超える津波が襲来する可能性があることが判明し、

それ以降、
 被疑者武藤においては少なくとも平成 20 年 6 月にはその報告を受け、
 被疑者武黒においては少なくとも平成 21 年 5 月ころまでにはその報告を受け、
 被疑者勝俣においては少なくとも平成 21 年 6 月ころまでにはその報告を受けることにより、

被疑者ら 3名はいずれも、
   福島第一原発の 10m 盤を大きく超える津波が襲来する可能性があり、
   それにより浸水して非常用の電源設備や冷却設備等が機能喪失となり、
   炉心損傷等の重大事故が発生する
 可能性があることを予見し得

したがって、
被疑者武藤は少なくとも平成 20 年 6 月以降、
被疑者武黒は少なくとも平成 21 年 5 月以降、
被疑者勝俣は少なくとも平成 21 年 6 月以降、
  福島第一原発の 10m 盤を大きく超える津波が襲来した場合に対する何らかの設備改善等の安全対策を講じることを検討し、何らかの合理的な安全対策を講じるまでの間、福島第一原発の運転を停止すること等も含めた措置を講じることにより、いつか発生する可能性のある大規模地震に起因する巨大津波によって福島第一原発が浸水し、炉心損傷等の重大事故が発生することを未然に防止すべき注意義務があるのにこれを怠り

 必要な安全対策を講じることなく、運転を停止することもないまま漫然と福島第一原発の運転を継続した過失により、

 平成 23 年 3月 11 日午後 2 時 46 分に発生した東北地方太平洋沖地震(以下「本件地震」とい。)に伴い、本件地震に起因して生じた巨大津波による福島第一原発の浸水により、全電源喪失により非常用の電源設備や冷却設備等を機能喪失させ、炉心損傷等の重大事故を発生させ、同日以降に生じた水素ガス爆発等により福島第一原発から大量の放射性物質を排出させた結果、

別紙被害者目録(省略、以下同様)記載の被害者計 13 名につき、水素ガス爆発等により生じたがれき接触するなどして同人らにそれぞれ同目録記載の傷害を負わせ、

福島第一原発から約 4.5 キロメートルに位置する福島県双葉郡大熊町大字熊字新町 176 番 1 所在の医療法人博文会双葉病院に入院していた患者のうち計 44 名につき、前記放射性物質の大量排出に起因して災害対策基本法に基づく避難指示により、長時間の搬送、待機等を伴う避難をさせ、その避難の過程において同目録記載の同人らの既往症をそれぞれ悪化させ、
よって、同目録記載の日に同人らをそれぞれ同目録記載による死因により死亡させたものである。



----- 追記 2019.4.11 -------------------------------------------------------------------

 議決書の犯罪事実を読み直してみて、以下の一節が引っかかった。

必要な安全対策を講じることなく、運転を停止することもないまま漫然と福島第一原発の運転を継続した過失により


 引っかかった点を、赤字で示す。

必要な安全対策を講じることなく、運転を停止することもないまま漫然と福島第一原発の運転を継続した過失により


 「運転を停止することもないまま・・・運転を継続」というのは、重複表現である。

 「運転を停止して、運転を継続」という事態がありうるのであれば、「運転を停止することなく、運転を継続」というのも意味があるが、「運転を継続」というのは、とりもなおさず、「運転を停止することなく」ということである。

 思い入れが強ければ、つい、こういった重複表現を使いたくなるものであり、そのことについては、【可食してもよい】でも書いた。




授業時間数の帯グラフ   同じ区分は同じ色で

 日本教育新聞(2019.4.8)の一面に、指導要領が定める標準の授業時間数を大幅に上回る時間の授業を行っている学校に対して、文部省が授業計画の見直しを指示した、という記事が載っていた。その記事の中に、昨年度の授業計画に関するグラフが掲載されている。

授業時間-1

 小5と中1について、授業時間数の範囲を大きく6つの時間帯に区分し、各区分ごとの学校の割合を示している。

 各区分は青の濃淡で段階的に着色されているのだが、グラフの上の方にある、時間数の多い学校が、薄く描かれている点は、直感に反する点で、問題ではある。

 その点に気をつけてグラフを見ると、同じ色の区分が中1の方が小5より上にあることから、授業時間数は全体として中1の方が少ないように見える。

 この結果は、常識に反する結果なので、改めて、グラフの各区分の横の数字を比べてみると、同じ色のものが同じ時間数となっているわけではなかった。

 そこで、同じ授業時間数のところを赤線で対応づけると、次のようになる。

授業時間-2

 各段階の色の対応が、一段階ずつ、ずれているのである。

 小5と中1を並べ、6段階の濃淡の青で着色したのは、比較を容易にするためだったはずなのに、これでは、逆効果である。

 作成者は、自分の思いだけでグラフを着色し、他人が見ることを想像すらしなかったとしか思えない。

将棋タイトル戦の海外対局  

 一昨日、将棋の叡王戦が台北で行われたが、過去にも、将棋のタイトル戦が海外で行われることが何度かあった。

 ネット上には、これまでの海外対局を整理したサイトがある【台湾猫大厦 第4期叡王戦七番勝負開幕 第1局は4年半ぶり海外対局 なんとなんと台湾・台北市「圓山大飯店」にて】。

 こんな感じだ。

海外対局-1


 40年以上も前からの情報を収集、整理した力作なのだが、「分かりやすい」とは言いがたい。

 そこで、記載されたデータを元に「分かりやすい」表を作成してみた。

海外対局-4

 単に表にしただけでなく、同じ項目でも配置を左右にずらした結果、以下のことが一目で分かるようになっている。

 ● 竜王戦の海外対局が圧倒的に多い。

 ● 前半は、欧州、アジア、米国と散らばっていたが、後半は、アジアが中心となっている。

 また、一行ごとに背景色を変えることによって、より見やすくなっている。

 元のサイトには、(当然以下のデータは無断複写禁止である)という記載があったが、この点は、以下のように考える。

【1】 元の表の画像の一部の掲載

 元の表は、単に、過去のデータを並べただけに過ぎないので、「創作的に表現した」(著作権法2条1号)とは言えず、著作物ではなく、著作権が認められない。

 仮に著作権が認めれたとしても、出典を明示して必要な範囲で表の画像の一部を貼り付けるのは、著作権法32条の適法な引用の範囲内の行為である。

【2】 元の表のデータに基づく新たな表の作成

 私の作成した表は、元の「表現」を複製した物ではなく、元の表現に含まれた「データ」を利用したものであるから、そもそも、著作権侵害の問題が生じ得ない。

【3】 実質的考察

 著作権法等の知的財産権に関する法律で禁止されていなくても、実質的に考えて法的に保護に値する利益を侵害していれば、民法上の不法行為の成立する場合があるが、本件では、実質的に考えても、以下のとおり、何ら問題ない。

 ● 元のサイトへのリンクを張っているので、このサイトの存在によって、元のサイトの閲覧が妨げられるという関係にはなく、むしろ、このサイトを閲覧した人が元のサイトを閲覧することもあるはずである。

 ● データの出典を明示しているので、多大な労力をかけて調査をした元のサイトの作成者に対する社会的評価が、このサイトによって「横取り」されることもない。

 ● 他人が多大な労力をかけて作成した成果を無断で利用して利益を得るのであれば、公平の観点からも問題ではあるが、本件は、そのような場合ではない【参照:J-STAGE データベースと著作権 4. 自動車DB事件】。

 そもそも、表現行為は、全くの無から有を産み出す行為ではなく、既存の表現の一部を利用したり、表現の結果として公になった情報を利用したり、既存の表現に込められた思想、アイデアなどに触発されて、行われるものである。

 自らの表現を独占したいという元の表現者の先行者としての思いは、一定の範囲においては著作権法や民法で保護されているのであるが、元の表現者の「意思」だけで、後続の表現行為の一切を禁止することはできないし、公に表現するというのは、そのような行為なのである。

 このブログ記事による、画像、データの利用は、元のサイトで明示された意思には反するかもしれないが、ここまで読んでいただければ、元のサイトの作成者にも理解していただけるものと思うが、私の独りよがりであろうか。


  
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「問題は起こらないでしょう」だって??  断言すべきときは断言する

 他人様の表現を素材にブログを書いている以上、著作権侵害にならないよう、自分なりに気を付けているつもりである。

 だが、いくら気を付けていても、どこかで勘違いしてないとも限らない。

 今日、たまたま、図書館で、【そのブログ!「法律違反」です】と言う本を見つけて、借りてきた。

 早速、Q&A形式の第一問の「有名人の写真を勝手にブログにのせてもいい?」という問題の解説を読んでみた。

 肖像権侵害、パブリシティ権侵害、著作権侵害の問題があることを説明した上で、その最後に、次のように書かれていた(15頁)。

では、タレントにお願いして撮らせてもらった写真の場合はどうでしょう。この場合、撮影者はあなたであり、その写真の著作権者もあなたです。第三者が撮ったものではないので、前述の著作権侵害の問題は起こらないでしょう。


 これを読んで私は歯切れの悪さにいらついてしまった。

 「著作権者もあなたです」と断言しているのである。

 だとすれば、著作権侵害の問題は、「起こらないでしょう」ではなく、「起こりません」だろう。

 確かに、例外的な事態が予想される場合は、誤解や批判を避けるためには、断言しないのが無難かもしれない。

 けれども、そのような「防衛策」が習い性となって、例外的な事態が起こりえない場合にまで断言を避けていると、読者の側は、筆者に自信がないのか、あるいは、責任逃れをしているのではないか、などと考えてしまう。

 自分で写真を撮っているのだから、著作権侵害の問題など、起こりえないのである。

 断言すべき所で断言していない表現を見た結果、筆者の思考の厳密さにも疑問を持ってしまい、先を読む気をなくしてしまった。

----- 追記 2019.4.9 -------------------------------------------------------------------

 「自分で写真を撮っているのだから、著作権侵害の問題など、起こりえないのである。」と書いたが、被写体が絵画のそばに立っているときに写真を撮れば、絵画の作成者の著作権の侵害の問題は生じうる。

 けれども、そこまで想定して、「起こらないでしょう。」などと書いたら、読み手に不安を与えるだけである。

 断言するのが気になったら、「ただし、・・・」というふうに、説明を追加すればよい。

 ただ、これも、程度問題で、あらゆることを想定して行くと、「ただし」が何個あっても足りないだろう。



リザルトって何だ!

 2018年度の将棋の公式戦で最多勝利となった佐々木大地5段のインタビュー記事があった【ライブドアニュース 特集 棋士の感謝#3】。
 
 将棋のために家族で対馬から横浜に移住したこと、難病を克服して好成績を残していること、ネットテレビでで的確な解説をしていること等から、結構、注目している若手棋士ということもあり、大変、興味深く読み進めようとしたのだが、次のような一節を目にして立ち止まってしまった。

18年度の通算成績ではタイトルホルダーに並んで、各リザルトの上位に佐々木先生の名前がランクインしています。


 英語の「result」は頻繁に目にするが、カタカナの「リザルト」は初めてだった。

「result」は、一般には、結果、成績、実績と訳されるが、上記の「リザルト」は、直前に「通算成績では」とあり、それを受けて「各リザルトの上位に」と書かれており、「各部門の上位に」という意味で使われている。

 こんなところで、日本語としては聞き慣れない「リザルト」を用いる必要はない。せっかくの記事も、インタビュアーの軽薄さが気になって、素直に読み進めなくなってしまった。

 とはいえ、書かれている内容は興味深いことなので、読み進めて行ったのだが、今度は、こんな一節にぶち当たった。

佐々木先生は長崎県対馬市のご出身。離島に住んでいた小学生時代のお話からお伺いしたいと思います。離島ということでディスアドバンテージはあったと思います。


 「リザルト」に比べれば「ディスアドバンテージ」は日本語に溶け込みつつあるかも知れないが、まだまだ、違和感がある。書き換えるなら、より日本語化している「ハンディ」を使って、「離島というハンディがあったと思います。」とすべきところだろう。

 外来語は、従来の日本語になかった概念を的確に表現したり、日本語で書くと長々と説明せざるを得ない微妙な表現を一語で的確に表現したりするなど、日本語表現を豊にしてくれるものなので、一概に否定されるべきものではない。

 他方、どんな外来語でも、日本で一番最初に使われた瞬間というものがあり、2番目、3番目・・・と続いて、いつの間にか、自然な日本語となるのだから、日本語として自然に受け取られないうちは、外来語を使うな、などと言ってしまったら、外来語が日本語として定着することはなくなってしまう。

 だから、私も、日本語として定着していない外来語を一切、使うべきではない、とは言わずに、日本語として定着していない外来語を使う場合は、「分かりやすさ」が犠牲になったり、違和感を生じることを覚悟すべきである、と言うに止めることにする。

 私は、自分が日常的に使っている外来語であっても、まだ、世間的には一般化していないかも知れないと思う外来語については、括弧書きで、日本語を記している。

 たとえば、コンピュータソフトでよく使われる、デフォルト(初期設定)などである。ダウンロード、インストールなどは、そのまま使っているが、これも、たとえば、ダウンロード(導入)、インストール(組込)などと表現すべきかも知れない。

 外来語については、いくつか記事を書いてきた。

 【外来語の言い換え
 【I am not a lowyer.
 【情報セキュリティとは




選挙情報Q&A  頁番号しかない目次

 京都市では京都情報館というサイトで様々な情報発信をしており、【京都市・府議会議員選挙について】では、市議会議員選挙について、Q&A形式で様々な疑問に答えている。

選挙Q&A-0

 転居のときのQ&A【Q1 最近,京都市に引っ越してきましたが,投票できますか。】を読んだ後、次に期日前投票について調べようと思ったのだが、下の方に出ている目次は、こうだった。

選挙Q&A-1


 番号だけ出ていても、どんな質問についての解説か分からない。

 かといって、手当たり次第に番号をクリックして中身を見るのは無駄である。結局、前の頁に戻って、期日前投票に関する質問は何番かを確認することになる。

 このように番号だけで内容が書かれていないのは、本の目次に頁番号しか書かれていないのと同じであり、無用の長物である。

 どうして、こんなことに気がつかないのか。不思議である。

 ひょっとしたら、担当者がページビュー(閲覧された頁の数)を増やしたくて、こんなことをしているのかも知れない。

----- 追記 -------------------------------------------------------------------

 ところで、もう一度、Q&Aの一覧を見て、「期日前投票」が何番か捜していただこう。

選挙Q&A-0

 「期日前投票」という言葉を捜しても、どこにもない。

 上から読んでいくと、Q6に「投票日は旅行に行く予定ですが,投票することはできますか。」と書かれており、期日投票の説明は、ここにありそうだということが分かる。

 サイトの作成者は、具体的な内容の質問を書いた方が分かりやすいと考えたのかも知れないが、「期日前投票」という言葉は、今では、多くの人が知っている言葉である。

 シンプルに「期日前投票」と書いてもらった方が分かりやすい。

 その場合、「期日前投票」という言葉を知らない人のために、具体的な質問を残しておくのも、いいだろう。こんな具合だ。

Q1 【市内への転居】 最近,京都市に引っ越してきましたが,投票できますか。
Q2 【投票方法★★ 投票方法を教えてください。
Q3 【候補者の情報】 候補者のことについて知るにはどうしたらいいですか?
Q4 【議員数★★★ 今回の選挙では何人の議員が選ばれるのですか。
Q5 【開票★★★★ 開票はいつから行われるのですか。 
Q6 【期日前投票 投票日は旅行に行く予定ですが,投票することはできますか。
Q7 【不在者投票 仕事の都合でしばらく東京に滞在しています。どうしたら投票できますか。


 本稿に関連する記事を以前に書いたことがある。

  【例を挙げるだけでは伝わらない
  【番号、見出し、リード、本文

物事には順番がある

 NATO(北大西洋条約機構)が70周年を迎えたという記事の一節だ【VOA 2019.4.2 NATO Quietly Marks 70th Anniversary

NATO also has expanded to include countries that were once part of the Soviet bloc. Croatia, the Czech Republic, Estonia, Lithuania, Latvia, Hungary, Poland and Romania were formerly allied to the Soviet Union.


 冷戦後、ソ連ブロックの諸国が次々とNATOに加盟していったことが書かれているのだが、そこに書かれている国名の順番が気になった。

 最初が Croatia 次が Czech その次が Estonia となっているので、ABC順かと思ったのだが、その次は、Lithuania, Latvia と、逆転している。

 ということは、加盟順かと思い、調べてみると、こんな地図があった【NATO Wikipedia】。

 
NATO拡大


 これを見ると、最初に書かれていたクロアチアが、オレンジ色で2009年に加盟したことが分かる。ということは、加盟順という訳でもない。

 およそ、事物を並べて記載する場合、それなりの順番になっていた方が理解しやすく、記憶にも残る。

 それなりの順番というのは、たとえば、こんな具合である。

 ● 慣習
    東京、大阪、名古屋・・・

 ● 場所的配置
  ・ 北から南
     北海道、青森、岩手・・・
  ・ 西から東
     山口、広島、岡山・・・

 ● 時間順
    奈良、平安、鎌倉、室町、戦国、江戸・・・
 
 他に適切な順番がない場合は、場所的配置に従うのがいいと思う。

 というのは、場所というのは頭の中で、現地や地図をイメージすることができ、文章を読みながら、そのイメージの上に、列挙した事物をプロットししたり、該当部分に着色することができるからだ。そうすれば、プロットないし着色されたイメージが記憶として定着するのである。

 無秩序に並んだ文字情報を、そのまま覚えようとしても、至難の業である。文字情報が最初から場所順に並んでいれば、それをイメージ上に描くことができ、記憶にも残るのである。

 冒頭の例で言えば、北から順に、エストニア、ラトビア、リトワニア、ポーランド、チェコ、ハンガリー、クロアチア、ルーマニアとするのが、一番分かりやすいのである。

 ハンガリーの次は、クロアチア、ルーマニア、どちらにすべきか迷うのだが、一般に左(西)を先にする方が分かりやすいので、クロアチアを優先したのである。

 ところで、加盟順の描かれた地図を、もう一度、見てほしい。

NATO拡大

 左側に並んでいる凡例の色が問題だ。

 1949年から1982年までは、濃く暗い青から、薄い青に、グラデーションになっているので、凡例と一々照らし合わさなくても、地図を見るだけで加盟の順番が分かる。

 ところが、1990年以降は、はっきり言って、出鱈目な色並びであり、地図と凡例を照らし合わさなければ、順番を理解することができない。

 ただ、全部、青系統のグラデーションにすると、色の差異が微妙になり、順番が分かりにくくなるので考えものだ。

 ここは、ベルリンの壁の崩壊の前後で分けて、1990年を濃い赤として、そこから薄いピンクまでのグラデーションとするのが分かりやすいだろう。

 結果的に、加盟国を、NATOの役割が激変するベルリンの壁の崩壊の前後に分けて示すこともでき、より、理解しやすくなることだろう。

NATO拡大-2


 グラデーションについては、これまでも、何本も記事を書いている。

 【グラデーションのフェイント
 【赤い州、青い州
 【グラデーションは、こうする 風雨の予想図
 【グラデーションは、こうする その2 米中間選挙の開票結果の判明時間
 【色彩テスト 得点 ゼロ 直感に馴染む数字を使う
 








it took about 38 minutes  起点が大事

 もう1年も前のことだが、北朝鮮のミサイルが発射されたという誤報に関する記事の一節だ【VOA Japan Gets False Missile Warning, After Hawaii Incident】。

誤報訂正-1

The mistaken alert was discovered within 20 minutes. But it took about 38 minutes for officials to send a correction.


  一応、和訳すると、こうなる。

誤報は20分以内に発見されたが、訂正が発表されるまで38分かかった。


 一見、何の問題もないようだが、「38分」の起点が、「誤報」の時点なのか「発見」の時点なのか分からない。

誤報-4

 以下のように、起点を明示すれば、誤解の余地はない。
 

   誤報は20分以内に発見されたが、誤報から訂正まで38分かかった。

   誤報は20分以内に発見されたが、発見から訂正まで38分かかった。



----- 追記 2019.4.5 -------------------------------------------------------------------

 真相が気になって調べたところ、【Wikipedia 2018 Hawaii false missile alert】に、次のように書かれていた。

At 8:45 a.m. HST, 38 minutes after the initial alert was sent to smartphones in Hawaii, a second emergency alert was sent, which stated:
There is no missile threat or danger to the State of Hawaii. Repeat. False Alarm.


 38分というのは、誤報から訂正までの時間ということだった。

幼年時代を過ごした都内新宿区の賃貸アパートに住む 特定物か不特定物かを明確に

 60歳で弁護士を辞め推理小説を書き始めたという深木章子氏の「鬼畜の家」(講談社文庫)115頁の一節である。

由紀名は幼年時代を過ごした都内新宿区の賃貸アパートに住むことに決めた。


 以前住んでいたのと同じアパートに住むことにしたのか否か、決め手はない。

 つまり、文法上は、以下の、いずれの意味とも解されるのである。

【1】 由紀名は幼年時代を過ごした都内新宿区の賃貸アパートに住むことに決めた。

【2】 由紀名は幼年時代を過ごした都内新宿区の賃貸アパートに住むことに決めた。


 かぎ括弧を使わずに書き分けるとすれば、以下のようになる。

【1】 由紀名は幼年時代を過ごした、都内新宿区の賃貸アパートに住むことに決めた。

【2】 由紀名は幼年時代を過ごした都内新宿区で賃貸アパートに住むことに決めた。


 こんな例は、どうだろう。

私は司法試験受験時代から親しんでいる模範六法を今でも使っている。


 理屈の上では、「模範六法」というのは、実際に受験時代に使っていた模範六法そのもの、という可能性もある。

 けれども、法律の改正が頻繁に行われ、年々新しい判例も加わるのであるから、何年も前の受験時代の六法を使うことは、通常、ありえない。そうすると、「模範六法」は、「模範六法」という名前で毎年発行される書籍のことを指すことは、明らかである。

 逆に、こんな例はどうだろう。

冬彦は、子供の頃から親しんでいる木馬を今でも使っている。


 この場合は、まさに子供の頃から使って疵や手垢のついた木馬を指していることは明らかである。

 ここまで見てきたとおり、名詞は、その名称で呼ばれるものの一つを指す場合(模範六法)と、特定のものを指す場合(木馬)とがある。

 そして、文脈から、どちらであるか明らかな場合(模範六法、木馬)もあれば、そうでない場合(冒頭の賃貸アパート)もある。

 文脈から明らか、という場合を除いて、読点「、」を付けたり、助詞を工夫するなどして、誤解の余地のないようにしなければならない。

司法試験の受験資格別出願者数の推移

 【司法試験受験者の属性  情報伝達における二つの重要な視点】の追記欄に受験資格別の出願者数の推移のグラフを掲載した。

司法試験-受験資格-推移

 半月あまりたって見直してみると、一つ一つは小さなことではあるが、いくつか気になる点が出てきたため、改訂版を作成した。

司法試験-受験資格-推移-改訂

 どこが変わったか、なぜ変えたか、考えてほしい。

 ● 拡大幅
  
   拡大幅を倍近く大きくした。
   これで、一層、微妙な変化も視覚化された。

 ● 目盛線

   50人ごとの目盛線を入れた。
   その結果、微妙な違いでも、目盛線までの距離の違いにより分かるようになった。
  
 ● 凡例の並び

   折れ線は、上から、橙、青、緑、青破線となっているので、凡例も、左から、同じ順にした。
   改訂前の凡例は、左から、青、橙、緑、青破線となっていて、折れ線の順番と異なるため、若干の混乱を招いていた。

 ● 凡例の文字

   修了予定となっていたのを修了見込にした。
   グラフの元になった表では、「予定」ではなく「見込」になっていたので、それに合わせた。

   予定も見込も同じようなものだが、予定は「本人が勝手に思っている」というニュアンスがあるのに対して、見込は客観的にも、その可能性が高いという感じがするが、結論としては、どちらでもいいと思う。

   ただ、表とグラフで用語を統一しておかないと、注意深い読者に「なにか違うのだろうか」といった無用な疑問を抱かせることになるので、不統一は避けなければならない。

 いずれも、この程度のことかと思われるかもしれないが、気づいた以上は、放っておくことはできない。

 そんなことを書きながら、テレビドラマなどでの、こんなシーンを想い出した。

 陶芸家が、工房で、でき上がった作品を取り出すのを、弟子や関係者が固唾を飲んで見守っている。出てきた作品を見て皆が溜息を息をつき、口々に賞賛する。陶芸家の動きが一瞬止まり、突然、険しい表情になる。「駄目だ!」という声とともに、作品を床に投げつける。

 そういう拘りを持ち続けることが大事だと思う。

 「神は細部に宿る」という言葉もある。


司法試験合格率の男女差

 司法試験の男女別の合格率に差があるそうだ。以下の表は【Schulze BLOG】に掲載されていた表だが、元々は【早稲田大学法務研究論叢】に掲載されたものだ。

男女別合格率-表

 これまでも述べた来たように、数字だけの表を見ても、すぐには理解することができない。こんなときは、グラフにするに限る。

男女別合格率-グラフ1

 グラフだけでは物足りなければ、こんなふうに、数字をグラフの中に入れることもできる。

男女別合格率-グラフ2

 概要だけでなく、詳細な数値まで分かる点は優れているが、グラフ上に細かな数字がごちゃごちゃ並んでおり、煩雑な感じもするので、一長一短である。

 なお、このブログに貼り付けたグラフは、エクセルで作ったものを画像にしたものだが、元のエクセルのグラフなら、マウスポインタをグラフ上の小さな丸に当てれば、数値が表示されるようになっている。

 

京都市立図書館の概要  データバーの利用

 京都市立図書館は市内に分館が多数あるのだが、その概要がウェブサイトで公開されており、【京都市図書館の概要】の「京都市図書館統計概要 平成29年度統計数値等(PDF形式:2,890KB)」を見ると、こんなふうになっている。

図書館-1


 情報量としては十分なのだが、文字と数字だけであり、直感的には分からない。そこで、こんな表を作ってみた。

図書館-2

 これなら、いつ頃できたのか、どれくらいの広さなのか、ということが、一目で理解できる。

 エクセルの「データバー」という機能を使ったのだが、非常に便利な機能である。

 いくつか工夫した点を列挙する。

 ● 図書館名の記載
   ・ 各館に共通の「図書館」は、省略
   ・ 館名の冒頭にスペースを入れた
      エクセルの初期設定では、左詰で罫線に密着していて、見ていて息苦しく感じる

 ● 開館年月日の記載
   ・ 昭和 → 昭
   ・ 年、月、日 → 省略(代わりに、数字を、小数点で区切った)
   ・ 数字が一桁の場合、前に"0"を追加し、全体の長さを均一にした。
     "0"ではなく、スペースを挿入した方が見栄えがいいのだが、エクセルに、その機能がないのが残念である。

 ● 開館年月日のデータバー
   ・ 縦に昭和と平成の区切りの線を入れた
 
 ● 建物延床面積のデータバー
   ・ 縦に500㎡の線をいれた
       500㎡前後の館が多いことから、ここに線が入ることによって、比較が容易になる。


1次予選から初の本戦入り  何と対比しているのかを明確に

五番勝負の舞台へ火花 ヒューリック杯棋聖戦本戦 ベスト8名乗り 産経 2019.3.18】という記事の中に、次のような記述があった。

(本戦入りには、原則として1次予選から勝ち上がる必要があるが、前回の棋聖戦の成績や他の棋戦での成績によって、2次予選からの本戦入りや、予選なしでの本戦入りがある)

 1次予選から初の本戦入りを果たした八代六段 


 何となく分かったような気になる記事なのだが、少し考えると、分からない。「初の」とあるのだが、どういう意味で「初」と言えるのか、ということだ。3とおり考えられる。

【1】 棋士の中で、1次予選からの本戦入りを果たした者はいなかった。今回、八代六段が、初めて、一次予選からの本戦入りを果たした。

【2】 八代六段は、本戦入りしたことはあったが、1次予選からの本戦入りはなかった。今回、初めて、1次予選からの本戦入りを果たした。

【3】 八代六段は、本戦入りしたことはなかった。今回、初めて、本戦入りを果たしたが、今回の本戦入りは、1次予選からの本戦入りである。 


 「初の」で対比されているのが、全棋士の経験なのか、八代六段本人の経験なのか、八代六段だとして、「1次予選からの本戦入り」が初なのか、「本戦入り」が初なのか、曖昧である。頭の整理のために、次のような表を作ってみた。

八代棋聖戦


 赤枠が今回の実績で、対比されるのが、左の【1】~【3】の灰色の枠の部分である。

 似たような話で、こんな例もある。

  20歳になって初めての酒を飲んだ。

  【2】 19歳でも酒を飲んだことがあるが、20歳になって酒を飲んだのは今回が初めてだ。

  【3】 20歳になるまで酒を飲んだことはなかったが、今回、初めて酒を飲んだ。

  【2】【3】は、初めの例の【2】【3】と同じ構造である。構造が対比できるよう、二つ並べてみた。

酒を飲む

八代棋聖戦


 なぜ、酒を飲んだ話には、【1】に相当するものがないのか。

 20歳になって酒を飲んだものがいない、などということは、およそ、ありえないからである。

 例を変えて、「70歳を過ぎて初めて素手でヒグマを倒した」という話なら、【1】のようなことも考えられるだろう。70歳を過ぎて素手でヒグマを倒した人がいない可能性もあるからである。

Aは、70歳になって、初めて、素手でヒグマを倒した。

【1】 70歳以上で素手でヒグマを倒した者はいなかった。今回、70歳のAが、初めて、素手でヒグマを倒した。

【2】 Aは、70歳になる前に素手でヒグマを倒したことはあったが、今回、70歳になって初めて、ヒグマを倒した。

【3】 Aは、素手でヒグマを倒したことはなかったが、今回、70歳になったAは、生まれて初めて、素手でヒグマを倒した。 


これについても、図表をかかげるので、比較してみてほしい。

ヒグマ倒し


 今回の話は、これまでの記事と比べても、かなりマニアックな印象を持たれたかも知れない。

 けれども、こういった思考訓練は、「分かりやすさが第一」のための基礎体力を身につける上で、有用だと思う。

 実戦では出ないようなアクロバティックな手順の詰め将棋であっても、日頃から解く練習をしておけば、実戦での読みを鍛えるのに役立つのと同じである。




古参ファンとにわかファン  順番を対応させる

 【タダスケの日記 予備試験と同居しても、ロースクールは法曹養成がうまいと思えるか?(国学院大法科大学院、募集停止)】に、こんな記述がある。

「好き」というのも相対的なものである。たとえば、あるアーティストのヒット曲をちらっと聞いて「好き」と言うのも、インディーズ時代から何十年と追っかけて「好き」と言うのも、言葉にするならば「好き」なわけである。

 このズレから、いわゆる「古参ファンとにわかファン」みたいな揉め事も起こるんだろうが、その意味で言えば、私と三十一歳女性は、同じネコ好きでもレベルがぜんぜん違う。


 どこに引っかかるのか、次を見てもらおう。

「好き」というのも相対的なものである。たとえば、あるアーティストのヒット曲をちらっと聞いて「好き」と言うのも、インディーズ時代から何十年と追っかけて「好き」と言うのも、言葉にするならば「好き」なわけである。

 このズレから、いわゆる「古参ファンにわかファン」みたいな揉め事も起こるんだろうが、その意味で言えば、私と三十一歳女性は、同じネコ好きでもレベルがぜんぜん違う。


 意味が対応しているものを、それぞれ、背景色を色分けして、水色とピンクに分けたのだが、水色、ピンク、ピンク、水色の順番になっている。

 水色、ピンク、水色、ピンクの順の方が分かりやすいに決まっている。

 文章を読むときは、当然のことだが、頭の中で概念を整理しながら読んで行く。その整理の流れに沿った記述は理解しやすいが、その流れと逆の記述があると、戸惑ってしまうのだ。
 
 これと似ているのが、説明図上での配置と現実世界での配置の対応だが、以下に書いたことがある。

        【前列右から・・・
        【市ヶ谷キャンパス・・・


 あと、「古参ファンとにわかファン」というのは、「と」と「にわか」が一体として「とにわか」となる。「にわかファンと古参ファン」とすれば、そんなことはない。

法科大学院か予備試験か  比較させないための「工夫」

 法科大学院離れを食い止めるため、大学院在学中の司法試験受験を認めることになりそうだ【朝日新聞 2019.3.13 法曹養成を2年短縮 法科大学院反発も 法案閣議決定】。

 記事の中で、制度を図解して対比している。

資格取得


 法科大学院経由で法曹資格を取得するには、現行で8年かかるところが、新制度だと6年になると書かれている。

 他方、法科大学院を経由せず、予備試験ルートを取る場合は、「人によって期間が変わる」と書かれている。

 法科大学院ルートでも、浪人、留年などがあるのだから、「人によって期間が変わる」のだが、予備試験ルートの場合にだけ、あえて、「人によって期間が変わる」と書いているのだ。狙いは、何だろうか。

 予備試験ルートの場合、予備試験は大卒でなくても受けられるため、大学の1年生から予備試験を受け、合格すれば、翌年は司法試験を受け、その後、1年の司法修習を受ければ法曹資格を得ることができる。

 そうすると、予備試験ルートの場合、「取得まで約3年」と書くべきことになる。

 だが、そんなことをすれば、法科大学院ルートは、予備試験ルートと比べると、圧倒的に無駄な時間を要することが明白になる。

 法科大学院の存続を願う朝日新聞社の意向が、このような解説図になったのだろうか。

 予備試験ルートの優位性を見えなくするための「工夫」は、「取得まで約3年」とすべきところを「人によって期間が変わる」と曖昧にした点だけではない。

 図を見ると、「法曹資格取得」の記載は、予備試験ルートと新制度の法科大学院ルートで、同じ高さのところに書いてある。

 その結果、なんとなく、新制度では、予備試験ルートと同じ年限で法曹資格を取得できるように思ってしまう。実際は、予備試験ルートの倍かかるのだが、こういった誤った印象が植え付けられるのだ。

 なお、現実には、大学の1年生で予備試験に合格するのは相当に困難であり、3年生で予備試験合格、4年生で司法試験合格、その後、1年間の司法修習で、法曹資格取得まで5年というのが、現実的なルートである。それでも、新制度の法科大学院ルートよりも、1年早い。

 もちろん、予備試験ルートでは、制度上は、個人の資質と努力次第で、「取得まで約3年」であることは間違いない。法科大学院ルートの場合、超人的な資質と超人的な努力をもってしても、新制度で「取得まで約6年」である。

 合理的に考えて、こんな回り道を選択する理由はない。

----- 追記 2019.3.15 -------------------------------------------------------------------

 法科大学院ルートが回り道であることが一目で分かるような解説図を書いてみた。

資格取得-2


 これなら、法科大学院ルートが、新制度でも、予備試験ルートの倍の時間がかかる、壮大な回り道であることが、一目で分かるだろう。

 元の解説図と比較できるよう、横に並べてみた。

資格取得  資格取得-2


 「法曹資格取得」の記載の位置が、そのために要する年限の長さに対応しているため、直感的に、予備試験ルートが半分の時間ですむことが見て取れるだろう。

 解説図は、このように、問題の本質を直感的に理解させるものでなければならないということだ。

電源喪失の原因  分かりやすくするための、マストアイテム 読点、態(能動/受動)、助詞、かぎ括弧

 せっかくの内容なのに、「分かりやすさ」に十分な配慮が払われていないために読者を遠ざけているサイトを見る度に思う。

 もったいない!

 本日の素材は、【庶民の弁護士伊藤良徳のサイト 福島原発全交流電源喪失は津波が原因か(その8)】の冒頭の「ここがポイント」の中の一文だ。

原子力規制委員会は事故進展中電源復旧のために電源盤を操作した可能性をまったく検討もせずに事故3年後に現場検証した電源盤を電源喪失の瞬間とまったく同じ状態という前提で議論している


 意味を理解するまでに、何度も行きつ戻りつしなければならない。

 最大の原因は、とにかく長く、読点「、」が一つもないことだ。

 そこで、「分かりやすく」するために、最小限、手をいれてみた。

原子力規制委員会は、事故進展中に電源復旧のために電源盤が操作された可能性をまったく検討もせずに、「事故3年後に現場検証した電源盤が電源喪失の瞬間とまったく同じ状態」という前提で議論している


 変更点が分かるよう、元の文とならべ、変更箇所にマーカーを引いた。

原子力規制委員会は事故進展中電源復旧のために電源盤を操作した可能性をまったく検討もせずに事故3年後に現場検証した電源盤を電源喪失の瞬間とまったく同じ状態という前提で議論している

原子力規制委員会は事故進展中電源復旧のために電源盤が操作された可能性をまったく検討もせずに事故3年後に現場検証した電源盤電源喪失の瞬間とまったく同じ状態という前提で議論している


● 読点「」をつける

● 漢字が連なるところに、平仮名「」を入れる

 漢字が十文字も連なると、切れ目が分からなくなる。適宜、平仮名、読点「、」等を入れ、意味の塊を視覚化することによって、ずっと読みやすくなる。以前の記事【スペースの効用】を参照。

● 主語のない能動態「を操作した」を受動態「が操作された」に変える

  一般論として言えば、受動態より能動態の方が分かりやすい。

 だが、能動態でも、主語が省略され、しかも、その能動態と結びつく主語候補(ここでは、原子力規制委員会)が存在する場合は、分かりにくくなる。そんなときは、受動態にすればよい。

● かぎ括弧「」でくくる

● 「を」を「」に




精神科病院からやっと退院できたと思ったら・・・  主語の省略に注意

 今年もらった年賀状の出だしの部分だ。

精神科病院からやっと退院できたと思ったら・・・


 そこで、思わず目が止まってしまった。

 思い起こすと、2年前、彼女のお陰で細やかな印税収入があったので御礼にご馳走したいというメールをしたのが最後だった。結局は、それは実現せず、それっきりになっていたのだが、この間、いったい何があったのだろうと、あれこれ考えてしまった。

 そんなことを思いながら読み進めて行くと、こうなっていた。
 

精神科病院からやっと入院できたと思ったら、ヘルパーやディサービスの利用を思うようには受け入れてくれない被後見人・・・


 なんだ、入院したのは、本人ではなく「被後見人」だったのだ。人騒がせな年賀状だ。

 主語が省略されているときは、普通は、「私が」「私は」が省略されているのだと思い込んでしまう。と言うことは、「私」以外の主語は、省略すべきではない、ということだ。

 主語の省略については、【私が殺人罪で逮捕されたときから・・・】にも書いた。








合格率のパラドックスは、なぜ生じるか  図解

 昨日の【司法試験の合格率  合格率のパラドックス】で、【合格率のパラドックス】に触れたが、このパラドックスが、なぜ生じるのかを、少し考えてみた。

 まず、そこにも挙げた、ロースクール修了生の司法試験合格率に関する説例を、以下に再掲する。 

合格率パラドックス・表


 男女とも、A大学の方が合格率が高いのだが、合格率の高い女子の数がA大学は極端に少ないため、全体の合格率に対する女子の合格率の影響が少なく、結果として、全体の合格率では、B大学の方が高くなっているのだ。

 このことが直感的に理解できるよう、次のような図表を作成してみた。小さな長方形のタイルは、学生一人を表す。

合格率パラドックス・グラフ


各大学の男子、女子、それぞれの合格率は、青、赤のタイルのブロックの高さで表される。男女併せての合格率は、赤のタイルを青のタイルの上に移すことによって、男女差をならしたときの、全体としてのブロックの高さ(黒の点線)となる。

 そうすると、男女ともに合格率の高いA大学では、女子の数が少ないため、全体を押し上げる効果が少なく、他方、B大学は女子が多いため全体を押し上げる効果が大きく、結果的に、全体の合格率が高くなるのだ。

 なお、このパラドックスは、【シンプソンのパラドックス】と呼ばれているそうだ。




 

司法試験の合格率の推移  合格率のパラドックス

 本稿は、Schulze 氏の指摘【法科大学院 未修コースへの進学の危険 コメント 3】を受け、訂正した。

本文の変更に伴い、その下の「追記」も訂正したが、追記の日付は更新おらず、最初に追記を記載したときのままである。

なお、訂正前のものは、【インターネットアーカイブ】にある。

----- 以下、2019.3.11 訂正後のもの -------------------------------------------------------------------

 【Schulze BLOG 3019.03.09 法科大学院 未修コースへの進学の危険】に掲載されている司法試験の合格率につて、グラフを作成した。

司法試験合格率-訂正2


 折れ線の色分け等については、以下のように考えた。

 ● 全体の合格率は、内訳との対比が明確になるように、無彩色(灰色)とし、線も太くした。

 ● 内訳については、破線で示すのも一案だが、今回は、全体の方を、無彩色で太くすることによって、内訳との違いを示したので、ことさら破線にする必要はないと考え、実線にした。

 ● 既習、未習の色分けは、韻を踏んだ。(意味不明の人は、【2019.3.7 ロースクール入試の現状  グラフと表の連繋】の追記欄を参照)

----- 追記 【合格率のパラドックス】 -------------------------------------------------------------------

 平成26年と平成28年を比べると、全体の合格率は、僅かではあるが、増えている。

 ところが、である。

 その内訳である予備、既習、未習、は、いずれも、平成26年より平成28年の方が減っているのだ。

 一般常識からすると、予備、既習、未習の合格率が全て下がっているのであれば、それを併せた、全受験者の合格率も下がるはずだ。

 ところころが、そうなっていない。

 それは、受験者全体の合格率の足を引っ張っている未習者の司法試験受験者が大幅に減ったために、受験者全体の合格率に与える影響が小さくなったことが原因である。

 これと同様のことは、男女別の司法試験合格率を例にして書いたことがある【合格率のパラドックス】。

----- 追記 2019.3.10 -------------------------------------------------------------------

 パラドックスの原因について考えてみた【合格率のパラドックスは、なぜ生じるか  図解】。


五歳の子供だったが・・・  「が」は逆接とは限らない

 「火星のプリンセス」(創元推理文庫)8頁に、こんな一節がある。

カーター大尉のことを思い出すとき、まず最初にわたくしの頭に浮かぶのは南北戦争が勃発する直前、大尉がバージニアのわたくしの父の家で過ごした数か月のことである。当時まだほんの五歳の子供だったが、わたくしはジャックおじさんと呼んでいた・・・


 「五歳の子供」だったのは、カーター大尉なのか、それとも、「わたくし」か。

 カーター大尉のことを、ジャック「おじさん」と呼んでいたというのである。常識的に考えて、「おじさん」が五歳のはずもなく、五歳というのは、「わたくし」のことと考えるのが自然かも知れない。

 だが、その直前に、「ほんの五歳の子供だったが」と、「逆接」の助詞が使われている。そうすると、カーター大尉は、五歳の子供でありながらも、やたら大人びた言動をしていたため、「わたくし」がからかって、ジャック「おじさん」と読んでいたのかもしれないと考えたのだ。

 ただ、「が」というのは、必ずしも、逆接の意味で使われるとは限らず、単に文と文を繋ぐために何気なく使われることも多いので、この場合も、そういう用法の可能性もある。

 従って、続きを読まなければ、「五歳」だったのが誰かは分からない。

当時まだほんの五歳の子供だったが、わたくしはジャックおじさんと呼んでいた、長身で色浅黒く、さっぱりとひげを剃った筋骨たくましい人物のことをよく覚えている。


 「ひげを剃り、筋骨たくましい」となれば、どう考えても、五歳児ではない。従って、五歳の子供は「わたくし」ということになる。

 では、続きの部分が次のようになっていたら、どうだろう。

当時まだほんの五歳の子供だったが、わたくしはジャックおじさんと呼んでいた、やけに大人びた口をきく少年のことをよく覚えている。


 これなら、「五歳の子供」は、カーター大尉と言うことになる。もちろん、ここでは、「が」は逆節の助詞として使われている。

 単語の意味が多義的で、意味を文脈で確定せざるを得ないことは多いのだが、この例のように、その単語の後ろに書いてあることを読まなければならないとなると、ストレスになる。

 他方、多義的な単語を使うにしても、その単語の前に書かれている内容から単語の意味が確定できるのであれば、ストレスを感じることなく、読み進めることができる。

 実際に文章を書く際には、書き手の頭の中には、全体像が頭の中にあるため、つい、多義的な言葉を使い、しかも、その多義的な単語の後ろの部分を読まなければ単語の意味を確定できないということにもなりかねないので、注意が必要だ。

 文章を書いて1週間くらいして読み返して見ると、書いたときと比べると、全体像がぼんやりとしてくるため、多義的な言葉を使うことによって意味を取りにくくなっている箇所があることに、自ずと気づくことになる。
 
 ところで、この「火星のプリンセス」というのは、中学一年頃、夢中になって読んでいた、バロウズの「火星シリーズ」の中の一冊で、先日、友人と話しているときに、たまたま話題に上ったため、懐かしくなって、図書館で借りてきたものだ。

 半世紀ぶりに手にした文庫本の表紙の絵は、当然のことながら、当時の記憶のままだし、「カーター大尉」や火星のプリンセスの「デジャー・ソリス」といった名前を目にすると、世の中のことを何も知らずに何の悩みもなかった、あの頃が、やたら懐かしく感じられる。

----- 追記 -------------------------------------------------------------------

 冒頭に引用した部分の原文は、以下のようになっている【The Project Gutenberg EBook of A Princess of Mars

My first recollection of Captain Carter is of the few months he spent at my father's home in Virginia, just prior to the opening of the civil war. I was then a child of but five years, yet I well remember the tall, dark, smooth-faced, athletic man whom I called Uncle Jack.


英語の場合、このように、嫌でも主語を書かざるを得ないので、冒頭の例のような曖昧さは生じない(ただし、英語でも、主語のない、分詞構文のような例外はある。)。




ロースクール入試の現状  グラフと表の連繋

 ロースクールの入試に関するデータが【Schulze BLOG 法科大学院全国統一適性試験は2019年度も実施せず】に掲載されているが、これをグラフと表にしてみた。

ロー入試グラフ-1

ロー入試グラフ-2

ロー入試表


 ● 表の項目欄の背景色

   出願者、受験者などの項目の背景は、折れ線グラフと直感的に対応させることができるようにするために、同じ色を使い、実線はベタ塗り、破線は斜線を対応させた。

 ● データ欄の背景

   5年ごとに背景を薄いグレーにした(ただし、最初は4年)。
   目的は、以下のとおり。
   ・ 行を左から右に見ていくうちに、視線が思わず別の行に移動してしまわないようにする。
   ・ 5年ごとの、大まかな変動を分かりやすくする。

----- 追記 2019.3.7 -------------------------------------------------------------------

 「わがままなお願い」があったので、ロースクールの入学者の既習未習の内訳についても、グラフにしてみた。

ロー入試グラフ-3

 既習、未習の折れ線の色で悩んだのだが、結局、既習は黄色、未習は緑、と韻を踏むことにした。なんといっても、法科大学「院」のグラフである。

 また、【黄色に注意】に書いたように、黄色は、白の背景だと見にくいので、既修者の黄色のマーカーは、黒で囲んだ。

 結果的に、黄色と緑の識別が困難な人にも、既習、未習の区別が容易になったのではないかと思う。
 
色覚異常

 色の見え方の個人差については、【色覚異常の人が見ている世界はどれだけ違う? 再現してみた】に掲載されている上記のような写真で実体験できるので、グラフで色分けする際の参考になる。

 なお、上記のサイトの作成者は「色覚異常」だそうだが、サイトの名称などには「色覚異常」「色盲」「色弱」という言葉を使っているものの、「異常というよりは色の見え方の個性」だと思っているとのことである。

 確かに、さまざまな個性があっても、多数が「正常」、少数が「異常」とされることが多いのが、この社会であるが、社会の見方は、時代とともに変わるものである。私が子供の頃は、左利きは「ぎっちょ」と呼ばれ矯正の対象とされていたが、最近では、この言葉を聞くことは希である。

 話は変わるが、「わがままなお願い」は、大歓迎である。「健康のためなら死んでもいい」という人がいるが、私は、「分かりやすさのためなら死んでもいい」とさえ、思っているのだ(民法93条参照)。

 そういうわけで、「わがままなお願い」に対しては、「気まぐれな対応」で、お応えすることにはなるので、その点は、了承されたい。

----- 追記 2019.3.16 -------------------------------------------------------------

 ひと口に色覚異常といっても、いくつかの類型があり、【「色覚障がい」の疑似体験】では、果物、信号などの様々な対象について、色覚異常の類型ごとの見え方を疑似体験できる。




 


  

司法試験出願者の属性  情報伝達における二つの重要な視点

 【平成31年(2019年)司法試験出願者数【速報値】4,930人(昨年▲881人、15.2%減) ついに五千人割れ、8年連続減少、ピーク時(平成23年)から58.5%減、想定実受験者数は4,365人前後?】という記事に、今年の司法試験出願者に関する情報が掲載されている。

 掲載されているのは、文字情報だけなので、グラフにしてみた。

 
司法試験-性別


司法試験-受験資格


司法試験-選択科目


司法試験-試験地


 単なるグラフではなく、表の数字と一体となっているため、情報伝達における、二つの重要な要請が、ともに充たされている。

  ● 厳密な情報を正確に伝達する
  ● 概要を一瞬で伝達する

 この両者の要請は、なかなか両立しがたい場合もあるのだが、今回、扱った程度の単純な情報であれば、このように両立が可能である。

 なお、「両立」と書いたものの、受験資格のグラフについては、スペースの関係上、受験資格を厳密には記載していないので、完全に両立しているとは言いがたい。

----- 追記 -------------------------------------------------------------------
 
 受験資格別の出願者数の推移についても、グラフにしてみた。

 
司法試験-受験資格-推移


 予備試験と修了見込(+予備試験)は、他の受験資格と比べて数値自体が小さく、変動が分かりにくい。

 そこで、その部分だけを抜き出して、縦方向に約5倍拡大した。その結果、この二つの受験資格についても、その変動が、はっきりと可視化されたと言える。

 グラフには、【「予備試験を含めて考えれば法曹志望者の数は減っていない」は本当か?】のコメント 9 (1) で指摘されたような【数値の変動幅が小さい場合には変化が意識されない】といった弱点があるのだが、こうした工夫により回避することができる。

 あと、「分かりやすく」するための工夫として、修了見込(+予備試験)の折れ線が青の破線となっていることにも注目してほしい。単なる修了見込を青の実線としたことに合わせて、同じ青色とし、ただ、予備的に予備試験合格も受験資格として利用していると言う点で、純然たる修了見込とは異なるということで、破線としたものである。

 この点は、予備試験合格者ということから、緑色の破線にする方が適切だったかも知れない。

 いずれにせよ、グラフにおける色の選択も、エクセルが自動的に表示したものを、そのまま無頓着に採用するのではなく、グラフの内容に即して工夫すべきだ、ということが言いたいのである。

 内容に即した工夫とは、次のようなことを指す。
  ● 男女とか寒暖とか、その項目の持つイメージに沿った色を用いる。
  ● 類似の項目には、類似の色を用いる。

 男性は青、女性は赤というのは、伝統的な固定観念を強化するもので、私自身、若干の抵抗はあるのだが、事実として、そういう固定観念が存在する以上、情報伝達の「分かりやすさ」の方を優先させるべきと考える(アメリカで、人種別のグラフを作る際には、そんなことも言ってられないかも知れないが・・・)。

----- 追記 2019.4.19 -------------------------------------------------------------------

「出願者」ではなく、「受験予定者」に関するグラフは、【司法試験受験予定者の属性に関するグラフ】に掲載した。

 

「1月」の読み方 誤読を避ける工夫

 司法試験に合格しても、すぐに弁護士や裁判官になれるわけではない。

 約1年間の司法修習で実務に関する研修を受け、修了試験に合格して、晴れて、弁護士や裁判官になれるのだ。

 司法修習に専念するため、司法修習生は職に就くことが禁じられているが、反面、生活の心配をせずに修習に専念できるよう、「修習給付金」が支給される。

 以下に引用するのは、この「修習給付金」に関する論考の一節である【弁護士山中理司(大阪弁護士会所属)のブログ 裁判所関係の情報をメインにブログを作成しています。 修習給付金と最低賃金等との比較】。

司法修習が労働に該当するとした場合,月額13万5000円の修習給付金(1月の労働時間を171時間とした場合,時給は789円)は,埼玉県の最低賃金を下回ることとなります。


  「1月の労働時間」のところで引っかかった。

 「いちがつ」ではなく「ひとつき」であることは文脈から明らかなのだが、一瞬であれ、「いちがつ」と誤読しそうになる。

 ここは、そのような一瞬の誤読もないように、「ひと月」あるいは「1か月」という表現が適切なように思う。

 では、「いちがつ」のときは、どうすればいいだろう。

 「いち月」と書けば誤読の可能性は排除できるが、なんとなく違和感がある。

 実際は、「ひとつき」よりも「いちがつ」の場合の方が圧倒的に多いようなので、「1月」と書いても、「ひとつき」と誤読される可能性は少ないだろう。

 「1月」のように、同じ漢字で読み方の異なるもの、また、読み方は同じだが意味が異なるものは、誤読のおそれがあるので、注意が必要だ。

  工夫  くふう、こうふ
  生保  せいほ(生命保険、生活保護。ただ、生活保護に対する蔑称として「ナマポ」という言い方がある)
  人工  じんこう、にんく(作業量を、それに要する人の数で表すときに「三人工」などと使われる)

 思い出すままに書き連ねてきたが、こんな時こそ、ネット情報だ。

 【異音異義語】というサイトがあった。

 なんと全部で、500近くもあった。

 一度、目を通しておいた。こうしておけば、何かの折に、ふと思い出して、誤解を避ける工夫ができるかも知れない。





やはり、グラフが一番 後日談

 一昨日の記事【やはり、グラフが一番】で、【「予備試験を含めて考えれば法曹志望者の数は減っていない」は本当か?】というブログ記事を素材に、文字情報だけに頼らず、グラフにすることによって、どんなに「分かりやすく」なるのかを書いた。

 その後、素材となったブログ記事のコメント欄に、以下のコメントを書き込んだ。
 

せっかくの記事ですが、文字情報だけでは伝わりにくいのが残念です。
グラフにするのがいいと思います。
こちらを、ご覧下さい。
 http://laweditor.blog.fc2.com/blog-entry-428.html>


 すると、その翌日、早速、ブログ管理人の Schulze 氏が、返事のコメントを書いてくれた。

 その内容は、自分はブログ記事を書くだけで相当の労力と時間を割いているので、誰か分かりやすい画像を作成してくれたら、それを引用、紹介したい、というものだった。

 そこで、早速、その記事の中の表のいくつかについて、グラフを作成した。

出願


受験-2


出願受験


法科大学院-出願受験

 こういったグラフが記事の中にあれば、どんなに、理解しやすく、説得力を持ち、かつ、印象に残ることだろうと思う。


★管理人へのメールは、ここをクリック★

----- 追記 2019.3.4 -------------------------------------------------------------------

 上記の4つのグラフは、既に、【「予備試験を含めて考えれば法曹志望者の数は減っていない」は本当か?】に反映されている。

 なお、反映される前の、グラフが掲載されていない記事は、【インターネット・アーカイブ】で見ることができる。

 念のため説明すると、インターネット・アーカイブというのは、世界中のウェブサイトを不定期に保存しているサイトである。「不定期に保存」と書いてあるが、保存してほしいと思ったら、自分の意思で保存させることはできる。

 今回のように変更が予想されるウェブサイトを予め保存しておけば、変更の前後の比較が可能になるのである。

 また、たとえば、ウェブ上で名誉毀損をされて責任を追及しようという場合、相手が削除してしまうと証拠がなくなるので、それに備えて、インターネット・アーカイブに保存させるという対策が可能である。

 ただ、このやり方は、元のウェブサイトから名誉毀損の記事が削除されても、インターネット・アーカイブ上には、いつまでも残るということになり、藪蛇にもなりかねないので注意が必要である。

 なお、手続き的に面倒で、しかも、確実とも言えないのだが、インターネット・アーカイブ上の情報を削除してもらうこともできなくはない。



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「時間泥棒」仕置人 (改称予定)

Author:「時間泥棒」仕置人 (改称予定)
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 玉石混淆の情報が溢れる社会の中で、効率よく、的確に、情報を取得し、提供するには、どうすればいいのか、ということを常に考えています。

 ところが、そんなことには無頓着な人も多いようで、読者に対する配慮の一欠片もない文章を目にすることがあります。

 難解な文章で読者の貴重な時間を奪ってしまう人達のことを、「時間泥棒」と名付けました。

 このブログは、「時間泥棒」を立派に更生させることを目的として開設したものです。

 記事を読んで、自分も「時間泥棒」かな、と思ったら、早速、改めて下さい。また、あなたの廻りに「時間泥棒」がいたら、あなたの力で立派に更生させてあげて下さい。

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