大阪大学 指定国立大学法人構想

 大阪大学のホームページの 【指定国立大学法人制度の概要】に、次のような総天然色の説明図が載っている。

阪大-総天然色

 一目見ただけで、頭がクラクラしてきて、とても、中身を読もうという気にならない。
 
 そこで、以前に紹介した【Color Blindness Simulator】というサイトを利用して、色数を減らしてみた。

阪大-青欠如

 黄色、緑、紫が消え、赤と青緑だけとなって、随分と落ち着いて見ることができるようになった。

 けれども、まだ、不必要に色を使っているように見える。思い切って、モノクロにしてみた。

阪大-モノクロ

 これでもいいのだが、若干、さみしく感じる。必要最小限、色を使ってみるなら、こんな感じだろう。  

阪大-赤


 比較のため、四つを並べてみた。

阪大-総天然色  阪大-青欠如
 
阪大-モノクロ  阪大-赤




夏休みのある学校の先生は、いいな

 小学校に入って最初の夏休みの頃のことだが、こんなふうに考えていた。
 

学校の先生は生徒と一緒に夏休みをとれて、いい仕事だな、会社勤めのお父さんは夏休みなんてないのに、先生はいいな


 学校の先生の仕事のうち、ふだん子どもの目に見えるのは、授業だけであり、たまに職員室に行っても、のんびり休憩しているようにしか見えなかった。

 けれども、成長するに連れて、学校の先生の仕事が楽なものでないことが分かってくる。

 授業の準備、テストの採点、遠足、修学旅行などの行事の準備、研修、教育委員会への報告、保護者からの要望・苦情への対応・・・、決して普通のサラリーマンより楽だなどとは言えないだろう。


 話は変わって、遺産分割の争いでは、自分は、あれだけ親の面倒を見てきたのに、他の兄弟姉妹は、親のことは放ったらかしだったのにも関わらず、同じだけの取り分を主張するのは許せない、といった話をよく聞く。

 けれども、誰でも、自分が親にしてきたことは、当然のことながら、100パーセント知っているが、他の兄弟姉妹が親にしてきたことなど、断片的にしか知りようがないはずである。自分の知らないことは存在しないものと決めつけて議論を進めるのは、大きな誤りである。


 さて、ここからが本題だが、先日、テレビで議員年金の話題を取り上げていたのだが、そのときに、こんな画面が出てきた(羽鳥慎一モーニングショーで『地方議員』が話題に!)。

 
地方議員

 議会の日数が年に42.7日、つまり、週に1日もないのに、報酬は月額21万円というのを目にすれば、何といい仕事なのだろうと思ってしまう。
 
 けれども、議員の仕事は、議会に出席するだけではないはずだ。

 本気で仕事をしようとすれば、議会での質問、議案の提出のための調査、研究に、いくら時間があっても足りないだろう。フルタイムで仕事をすることを考えれば、月額21万円というのは、とても割の合わない仕事だろう。

 番組としては、議員は仕事の割に高額な報酬もらっており、その上、議員年金なんてけしからん、という方向に持って行こうとしたのだろうが、こんな浅薄な議論をしているようでは、そのうち、夏休みのある学校の先生には年金はいらないと言い出すかも知れない。

 要するに、とりあえず自分の目につくものが全てだと思うのは、とんでもない間違いだということである。

 マスコミの悲惨な現状については、これまでも何度も記事にしてきた。
 
 【マグネシウムは、41ミリグラム
 【割合の単純比較は、危険 シートベルト不着用の危険性
 【「売れた物の半数以上が24時間以内に」
 【何が起きても納得できる人
 【1m×1m×2cmは、何リットル?
 【100万平方キロメートルの巨大な実験都市
 【司法試験予備試験問題の6割をAIが的中  本当に凄いことなのか

 とはいえ、マスコミの現状が酷いからといって、新聞やテレビを「マスゴミ」と呼んで馬鹿にして出所不明なネット情報に振り回されていたら、もっと酷いことになってしまう。マスコミの情報を批判的に受け入れながら、問題点を指摘し、叱咤激励するほかはない。

 たまたま、記事で取り上げたのは、NHKの番組が多いが、相対的には、NHKが一番、有益な情報を提供してくれており、私にとって視聴時間が一番長いテレビ局がNHKであり、色々考えさせられることが多いが故に、問題点が目についたからであり、よりよい放送局になってほしいからである。

 今日の「サザエさん」で、ワカメが学校の友達にカツオがサザエさんや両親に叱られてばかりいるという話をしたところ、友達から、それだけ皆に愛されているということだと言われる場面があったが、NHKの番組が素材として頻繁に登場するのも、同じようなものである。

 だから、私の記事を読んで、「NHKをぶっ壊せ」などというのは、大きな間違いである。

 最後に、また、学校の先生の話に戻るが、中学教師の授業時間の平均は週に18時間だが、勤務時間は56時間だそうである【日本の教員の勤務時間は世界一! 授業より事務仕事や課外活動で忙しいのは本末転倒では?】。

市役所のホームページ

 【奈良県香芝市】のホームページを見て気づいたことが、いくつかあった。

香芝市・言語

 日本語の読めない人のために、英語、韓国語、中国語の頁が用意されているのだが、日本語が読めなければ言語を選択できないのだから、実際に外国語の頁に辿り着ける人はいないだろう。

 それはともかく、英語のボタンを押すと、実際に英語版の頁が出てくるのだが、その一部は、こうなっている。

香芝市・英語

 英語の頁のはずなのに、見出し部分は「人口・世帯数」と日本語のままである。

 内容を見て奇異に感じるのは、「Male」と「Women」である。「Male」と来れば「Female」だし、「Women」と来れば「Men」である。日本語で例えば、「男性」と「女」が並んでいれば、誰でも奇異に感じるだろう。

 さらに、男女の人口の位置が左右にずれていて、数字を比較しにくい。数字を並べるときは、右端を揃えるのが鉄則である。

 ここで日本語の頁に戻ろうと思ったのだが、言語の選択をする「ドロップダウンリスト」には、「日本護」の記載がない。

 仕方なく、ブラウザの「戻る」機能を使ったのだが、一瞬、日本語の頁が表示されるが、すぐに英語の頁に戻ってしまう。こんな経験は初めてである。

 地方自治体のサイトなどでは頻繁に見かけるのだが、このサイトも、小さな文字が読みにくい人達のために、文字を大きくするための機能が用意されている。
 
香芝市・文字

 ここでは拡大して載せたが、「文字サイズ」「標準」「拡大」の文字は、いずれも、ホームページ本文の文字の3分の2程度の大きさである。これで、ほんとうに「拡大」文字を読みたい人に気づいてもらえるのだろうか。

 外国語頁の案内、拡大文字の案内の問題点については、以前の記事【情報は、届かなければ意味がない  図解】に詳しく書いている。

あと、サイドメニューに以下の項目があるのだが、これも、よく見ると理解しがたい。

香芝市・広報

  日本語の下に「KashibaMonthly Information」とあるだけでなく、さらに、「Kashiba Information Mensual」とある。

 調べてみると、「Mensual」 というのはフランス語で「月刊」という意味だった。外国語は、英、中、韓しか選択肢がなかったのに、どうして、ここだけ、フランス語が記載されているのか不思議である。作成者が、なんとなく、「おしゃれな感じ」を入れたくて、フランス語で表現したのだろうか。

 さらに、問題は、ここをクリックすると、実際の「広報かしば」の頁に移るのだが、そこには、日本語版しかないのである。このサイトに来たイギリス人やフランス人は、「期待だけさせておいて何なんだ」と思うだろう。

 ここまで、問題点ばかり指摘したが、評価すべきところもある。

香芝市・絵文字+

 ホームページを見る人の関心に沿って内容を分類し、それを、分かりやすい絵文字(ピクトグラム)で表現している。

 市役所の部局毎の分類だと、自分の知りたい情報が、どこの部局の問題なのか分からない一般市民は戸惑うことになるが、上記のような分類と表示であれば、誰でも、すぐに目的の情報に辿り着くことができるだろう。他の市町村も見習ってほしいものである。

 ただ、惜しむらくは、私の経験上、もっとも関心の高いと思われる、住民票や転入、転出の手続に関する分類が、この絵文字には載っていない。

 なお、【不思議な市庁舎】も読んでいいただければ幸いである。





不思議な市庁舎

 ある市役所の【フロア案内図】の一部である。

庁舎-1


 地下階が一番上で、以下、1階、2階・・と、6階までの図が並んでいる。

 実在の物を図示する場合、実在の物の位置関係と図面上の位置関係を一致させないと、図面を見て実在の物を頭の中に描くことが困難になる。このことは、これまでも何度も書いてきた。

 【施設の説明は、こうする
 【前列右から・・・
 【市ヶ谷キャンパス・・・

 問題点は、これだけではない。青の○赤の○緑の○を付けたところを、よく見てほしい。

庁舎-2++

 エレベーターも階段も、普通は垂直な空間内に設置されるものである。

 だから、各階の図面を重ねて、階段同士、エレベーター同士を、同時に重ね合わせられるはずである。

 ところが、1階は、屋内階段、エレベーター、屋外階段が、ほぼ横一線(- - - - -)に並んでいるのに対して、地下階は、そうなっていない。その結果、階段同士、エレベーター同士を同時に重ね合わせることは不可能である。

 傾斜地の建物などで斜行エレベーターというものがあるが、これでは、斜行どころか、ねじれエレベーターである。

 また、そもそも、屋内階段と屋外階段の距離が地下階と1階とで異なっているし、屋内階段の幅も地下階と1階とで異なっており、各図面の縮尺もばらばらのようだ。

 一体どうすれば、こんな平面図が描けるのだろうか。まるで、【Y澤不動産】の物件案内のようである。

 更に言えば、エレベーターとトイレも紛らわしい。エレベーターの方は、↓↑がついているのだが、エレベーターもトイレも、同じ色で同じような形状の人が二人並んでいる。

 よく見ると、トイレの方は、人の形状が微妙に異なり男女を表現しているようにも見えるのだが、ぱっと見ただけでは分からない。ここは、青と赤の色を付けることにより直感的にトイレだと分かるようにすべきである。

 さらに細かい話だが、1階第1会議室というのがあるのに1階第2会議室が存在しないのも不思議である。もともとは二つ会議室があったのだが模様替えによって一つだけになり名前だけ元のままに使われているのかも知れない。

 



精華と業火

 京都アニメーション放火事件から、ひと月になろうとしているが、文春オンラインの【京アニ放火殺人事件 なぜ「原画サーバー」は奇跡的に焼失を免れたのか?】と言う記事の中に気になる表現があった。

サーバーは製作スタッフたちの手作業や情熱の精華である原画や絵コンテなどのデータを保存していたものと見られる。


 一瞬、「成果」の間違いではないかと思った。

 ただ、改めて考えてみると、京アニの作品が世界的にも高く評価されていること、また、「精華」という言葉も存在し、「物事の真価となる、最もすぐれているところ」(大辞林)を意味することからすると、ここは「精華」で間違いないような気もする。

 私が疑問を持ったのは、「成果」は毎日といってもいいくらいに日常的に目にする言葉であるのに対して、「精華」は、年に一度、見かけるかどうか、といった見慣れない言葉だったからだろう。

 だが、それだけが理由ではない。

 「精華」は、「京都工芸の精華」「フランス絵画の精華」といった用例【グーグルでの「の精華」の検索結果】に見られるように、一定の範囲の物の中で、とりわけ優れているものを指して使われる言葉である。

 そこで、元の文を見返してみると、「手作業や情熱の精華」となっており、「物」ではない。

 仮に、「手作業や情熱により作り出された物の精華」と言葉を補って理解すると、今度は、「手作業や情熱により作り出された物」の全てではなく、その中のとりわけ優れたものだけを指すことになり、これも不適切だろう。

 ここでは、やはり、「成果」がふさわしい。

 どうしても、「精華」という言葉を使いたければ、次のように表現すべきだろう。
 

京都アニメーションの作品は日本のアニメーションの精華ともいうべきものであるが、サーバーは製作スタッフたちの手作業や情熱の成果である原画や絵コンテなどのデータを保存していたものと見られる。



 次に気になったのが、以下の表現だ。

青葉容疑者がぶちまけたガソリンに引火した火の玉は、現場に最も早く到着した57歳の指揮隊長をして「経験したことがない」と絶句させたほどの業火となって3階建て約690平方メートルをほぼ全焼した。


 「業火」も、あまり見かけない言葉だが、【大辞林 第三版】によれば、以下のように解説されている。

ごうか【業火】
① 罪人を焼く地獄の火。
② 悪業が身を害することを火にたとえていう語。
③ はげしい火災。


 著者が①や②の意味で使ったのであれば、東日本大震災のときの石原慎太郎の天罰発言【日経 2011.3.15 石原都知事、「天罰」発言を撤回し謝罪 】と同様、とんでもない話である。

 では、著者が③の意味で使ったのだとすれば、どうだろうか。

 読者の誰もが、そう受け取るとは限らないし、遺族や被害者の心情を考えれば、ここで紛らわしい言葉を使うべきではないだろう。

 また、実際に③の意味で使った後に、①や②の意味で受け取った人々から批判されて、「ここでは③の意味で使ったのだ」と反論しても、「ご飯論法」【15歳で司法試験に合格した中学生  ご飯論法、2パターン】と受け取られてしまうだろう。

 多義的な言葉を使う場合、他人を傷つけるような意味がないのかを慎重に検討しなければならない、と言うことである。


 さらに、次の表現も気になった。

さらに室内の位置も重要だと伊藤氏は続ける。


 文脈からすると、「室内にあったサーバーの位置」という意味なのだが、「室内の位置」では、言葉足らずである。

宅急便の送り状

 宅急便の送り状だ。

送付状-1


 別に分かりにくい訳ではないのだが、 どことなく違和感を感じないだろうか。

送付状-2

 印をつけたように、「お届け先」欄と「ご依頼主」欄で、いくつかの違いがある。

 「郵便番号」の「Postcode」の下の記載の有無

 「電話TEL」の下の「ハイフンなし」の記載の有無

 電話番号欄の括弧の記載の有無

 郵便番号欄、電話番号欄の数字の記載方法の有無

 郵便番号欄、電話番号欄の最後の記号「◀」の有無

 住所欄の行数

 仮に私が送り状のデザインを任されたら、最初に「お届け先」を作成して、それをコピーして必要最小限の変更を加えて「ご依頼主」を作成するはずだ。

 そうするのが楽だし、間違いがない。

 「お届け先」「ご依頼主」で、異なる様式にする必要はあるのか。

 荷物を確実に届けるという「送り状」の目的からすると、「お届け先」は必須であるが、「ご依頼主」は必須ではないかもしれない。

 けれども、「ご依頼主」の記載も、以下のとおり重要な機能を持っている。
  ・ 受取人が、送り主が誰かを確認する。 
  ・ 受取人が、送り主に御礼の電話をしたり、御礼の書面を送る。
  ・ 荷物が何らかの事情で届けられなかった場合の返送先となる。

 「お届け先」欄、「ご依頼主」欄の機能の差を前提にしても、記載欄の様式に、これだけの差を設ける合理性はないように思う。


女児と内縁の夫  親族の登場順序に注意

 Wikipedia の【東住吉事件】についての説明である。

東住吉事件(ひがしすみよしじけん)とは、1995年7月22日に大阪府大阪市東住吉区で発生した事故及び冤罪事件。民家で火災が発生し、女児が死亡した。内縁の夫と女児の母親の犯行として無期懲役刑が確定した。その後、無罪を訴えていたが、再審の結果、2016年8月10日に大阪地裁で無罪判決が出た。検察は控訴権を放棄し、即日確定した。


 問題は、登場人物の関係である。

・・・民家で火災が発生し、女児が死亡した。内縁の夫女児の母親の犯行として無期懲役刑が確定した。・・・


 「内縁の夫」という以上、「誰か」の内縁の夫であるはずだが、その「誰か」は、「内縁の夫」の前ではなく、その後に登場する。

 従って、「内縁の夫」の記載を目にした読者は、その「誰か」を求めて戸惑うことになる。

 「内縁の夫」の前に登場するのは「女児」だけだが、「女児」に「内縁の夫」がいるはずもない。そこで、読者は、「女児」と「内縁の夫」を繋ぐ中継点として相応しい人物は誰かを思い浮かべ、それが「女児の母親」であろうと考え、「女児の母親の内縁の夫」と理解するのである。

 もちろん、理屈の上では、「女児の祖母」の「内縁の夫」の可能性もあるし、「女児の姉」の「内縁の夫」、「女児の叔母」の「内縁の夫」の可能性もあるのだが、「女児」に最も近い一親等の女性である「母」だろうと考えるのが現実的である。

内縁の夫


 この程度の意味の補完作業は、さして難しいことではないし、「内縁の夫」を目にするのと殆ど同時に、直後に記載されている「女児の母親」が目に入ってくるのだから、読者に対する負担と言っても、微々たるものである。

 しかし、僅かなストレスでも読者に強いることなく読み進められるように、以下のように表現すべきである。

・・・民家で火災が発生し、女児が死亡した。母親内縁の夫の犯行として無期懲役刑が確定した。・・・


 単に「母親」、「内縁の夫」としか書かなかったが、「女児」のあとに「母親」と来れば「女児の母親」であることは明らかだし、「母親」の後に「内縁の夫」が来れば「母親の内縁の夫」であることは分かりきったことである。

 ここで、「女児の母親」とか「母親の内縁の夫」と書くのは、くどすぎる。

 本日のまとめは、以下のとおりである。

 親族関係を表す、夫、妻、子、父、母などの言葉は、みな「誰か」の夫、妻、子、父、母ということなのだから、その「誰か」が事前に登場していないと、読者に、その欠落を補完させることになるので、常に、「誰か」に当たる人物が既に登場している否かに注意を払わなければいけない、ということである。

 そして、人物の登場する順番に気を付けさえすれば、「誰」の夫、妻、子、父、母であるかは、多くの場合、明示する必要はないし、明示しない方が読みやすい、ということである。




はずれ馬券は経費か?  続編

 一昨日の【はずれ馬券は経費か?】で、カシオ計算機が運営するサイトの記事【計算コラム (79) はずれ馬券は経費か?】に掲載されていた説明図について、改善案を示した。

馬券-1 馬券-2+

 その後、素材を提供していただいたカシオ計算機にメールをしたところ、早速、返信が来て「不具合を修正」したとのことだったので、サイトを確認したところ、説明図が様変わりしていた【計算コラム (79) はずれ馬券は経費か? 2019.8.7~】。比較のため、私の改善案と並べてみる。

馬券-3       馬券-2+


 私が作成した「改善案」よりも、こちらの方が分かりやすい。理由は、以下の点だ。

● 矢印がない

 私の改善案は、「当たり馬券購入費」「はずれ馬券購入費」の文字が表の外にあっため、金額との対応を矢印で示さざるを得なかった。

 ところが、今回の図は、これらの文字が表の中の金額のすぐ上に記載されているため、矢印を辿る必要はなく、すぐに理解することができる。

● 主張が接着

 私の改善案は、国税側の主張と男性側の主張の間に、双方に共通の払戻金が記載されているが、今回の図は、国側の主張と男性側の主張が接着しているので、「はずれ馬券購入費」を経費に含めるか否かが主張の違いであることが、より際立っている。

 上記のとおり、私の改善案と比べても、ずっと分かりやすくなっているのだが、全く問題がないわけでもない。

● 「億」と「億円」

 一時所得、雑所得の数字の後ろは「億」となっているが、購入費の数字の後ろは「億円」となっている。使い分けする理由などないのだから、どちらかに統一すべきである。

● 表題の位置

 表題の「はずれ馬券をめぐる双方の主張」が、その下にある表と比べて、僅かではあるが右にずれている。

● 課税所得の説明

 一時所得の場合は、その2分の1に課税されるため、課税所得は14.4億円になるのだが、税法の規定を知らない読者は、一時所得の金額と課税所得が異なることに疑問を持つ可能性がある。

 結構、細かいことを指摘したと思われる方もいるかも知れないが、そんな方は、ぜひ、【司法試験の受験資格別出願者数の推移】の最後の7行を読んでほしい。

----- 追記 -------------------------------------------------------------------

 先ほど、【計算コラム (79) はずれ馬券は経費か? 2019.8.7~】を確認したところ、金額の後ろの記載は「億」に統一され、表題の位置も直されていた。

馬券-4


----- 追記 2019.8.8 ------------------------------------------------------------------- 

 私の「改善案」より分かりやすい理由について、重要なことを書き落としていた。

● 共通なものは、一箇所にだけ

 それは、経費として差し引くことについて争いのない「当たり馬券購入費」が1箇所にしか出てこない点である。

 私の「改善案」では、2箇所に記載されているが、共通なものを、ことさら2箇所に記載する意味はない。

 これまでも、【レターパック】などで、そういうことを書いてきたにも関わらず、つい、今回のような図を書いてしまったのだ。まだまだ、「修行が足りない」と言われてもしかたない。



 


はずれ馬券は経費か?

 競馬の馬券の払戻金には、所得税が課税される。この場合、当たり馬券の購入費だけでなく、はずれ馬券の購入費も経費として控除されるか否かが争われた裁判がある。

 国税当局の主張と馬券を購入した男性の主張を図解したもの【計算コラム (79) はずれ馬券は経費か?】があったのだが、分かりにくいので、改善案を作ってみた。

馬券-1 馬券-2+


● 左右非対称

 元の図は、国税側と男性側とで対称になっていない。

 「比較」をする場合、共通部分は可能な限り共通にし、異なる部分だけ異なった表現にするのが、主張の違いを際立たせる効果があり、分かりやすい。

● 争いのあるものが目立たない

 「はずれ」馬券購入費が経費に含まれるか否かが、争点である。

 それなのに、元の図は、「当たり」馬券購入費を赤字で記載しており、何が争点かが分かりにくくなっている。

● 「収入」と「所得」の混同

 所得=収入-経費 だが、元の図は、これを混同している。

● 国税側の主張する所得金額

 元の図では、国税側の主張する所得金額が記載されていない。

----- 追記 2019.8.7 -------------------------------------------------------------------

 【はずれ馬券は経費か?  続編】を書いた。

司法試験 受験予定者の受験回数の推移 続編

 先日の【司法試験 受験予定者の受験回数の推移】の追記欄に、次のようなグラフがある。

受験予定者数・受験回数・実数


 先日の記事では、「ある年に初めて試験を受けた者が、合格することにより、年ごとに減っていく様子が、よく分かる。」と書いたのだが、より「分かりやすく」できないかと考え、次のように、表のなかに、バーチャートを入れてみた。

受験予定者数・受験回数別・表・訂正


 2015年の1回目、2016年の2回目、2017年の3回目、2018年の4回目、2019年の5回目は、背景を灰色にしている。その結果、2015年に初めて受験した人が、毎年、減っていくようすを、左上から右下にかけて目で追って行きやすくなっている。

 背景の灰色は、試行錯誤の上、3年ごとにした。

 初めは、2年ごとにしたのだが、白と灰色の市松模様になってしまい、視線を左上から右下に誘導する効果はなくなってしまった。

 そこで、4年ごとにすると、白のままの部分を右下に目で追って行くのが若干、困難なった。

 3年ごとであれば、灰色のすぐ上、あるいは、灰色のすぐ下を目で追って行けばいいので、分かりやすい。

 なお、表の左上の年度の「2008」が、なぜか、「2,008」となっていたので、正しいものに差し替えた。

司法試験 受験予定者の受験回数の推移

 Schulze BLOG の【司法試験 受験予定者の受験回数の推移】という記事を元にグラフを作成した。

受験予定者数・受験回数・割合


● 色遣い
 
 【司法試験合格者の年齢別構成  法務省のグラフを添削する】と同様である。

● 文字の大きさ

 「1回目」という記載の中で、帯グラフの他の区分と識別するために必要な情報は、「1」だけであり、「1」を大きく、「回目」を小さくした。

 「識別」という点を徹底すれば、「回目」は省略してもいいのだが、数字だけでは何のことか分からなくなるおそれがあるため、省略はしなかった。

----- 追記 2019.7.31 -------------------------------------------------------------------

 受験回数別の実数をグラフにしてみた。 

受験予定者数・受験回数・実数


 こちらの方が、ある年に初めて試験を受けた者が、合格することにより、年ごとに減っていく様子が、よく分かる。

 ただ、以下の理由で、上記の説明は、おおよそのものである。
 
 ・ 受験者数ではなく、受験予定者数であること
 ・ 受験を断念する者、受け控えする者がいること 
 








法定承継取得説と順次取得説  実態を反映した名称をつける

 今日の話題は、法律に馴染みのない方には、とっつきにくいかも知れないが、前提知識がなくても理解できるように「分かりやすく」書いているので、投げ出さずに最後まで読んでほしい。

 まず、民法94条の「虚偽表示」に関する説明である(「まず」と書いたが、登場する法律の条文は、これ一つだけである。)。 

 土地が、XからAへ、AからYへと、順次売却された場合、土地の所有権はX→A→Yと移転する。

 ところが、例えば、Xが土地に対する強制執行を逃れるために、事情をAに話して、形だけ土地をAに売ったことにした場合は、XA間の売買は「虚偽表示」として、無効になる(民法94条1項)。

虚偽表示-

 X→Aの売買が無効ということは、Aは土地の所有権を取得できないことになる。その当然の帰結として、Yも土地の所有権を取得できないことになる。

 ただし、XA間の売買が虚偽表示であることをYが知らなかった場合は、Yに対しては、虚偽表示による無効を「対抗することができない。」とされ(94条2項)、結果的に、Yは土地の所有権を取得できることになる。


 ただ、上記の「対抗することができない。」の意味については、二つの説があり、各々、次のように説明されている【要件事実・事実認定ハンドブック[第2版]156頁】。

法定承継取得説

「対抗することができない。」とは、善意の第三者YがAを飛び越して、X→Yという物権変動によって直接権利を取得することを意味する。


順次取得説

「対抗することができない。」とは、善意の第三者Yが出現することにより、X→A→Yという物権変動が生じ、Yはこれを前提に権利を承継取得することを意味する。 


 問題は、各説の名称だ。
 
 法定承継取得説の説明の中には、承継という言葉は出てこない

 他方、順次取得説の説明の中には、承継という言葉が出てくる

 これでは、混乱のもとである。

 要は、Yが直接にXから所有権を取得するのか、最初はA、次にYと、順次、所有権を取得するのか、という違いなのだから、その違いを端的に反映させて、次のような名称にすべきである。

   直接取得説
   順次取得説
 
虚偽表示


 不適切な名称がもたらす混乱については、以前の記事 【特定、不特定、どっちなんだ! 】に書いた。

------ 追記 2019.7.29 ------------------------------------------------------------------

 一晩考えて見直してみると、むしろ、こういう名称にする方がいいかも知れない。

   直接取得説
   間接取得説

 このように「直接」「間接」という対になる言葉を用いた方が、分かりやすいように思う。

 要するに、所有権が、Xから直接Yに移転するか、XからAを経て間接的にYに移転するか、の違いだからである。




田沢湖線時刻変更  日付の並べ方

こんな tweet があった。
  
 田沢湖線の列車に頻繁に時刻変更がある、というのだ。

 問題は、時刻が変更される日付の順番だ。

時刻変更+

 左端に、6月24日、真ん中辺りに、3月20日、右端に、4月30日、とあるとおり、日付が時系列で順に並んでいないのだ。

 順番に並んでいれば、目的の日付が大体どのあたりにあると見当をつけて探すことできるのだが、こんなふうに日付がバラバラだと、そういう訳にはいかない。

 本来の順番を無視した並べ方は「分かりにくさ」の極致である。たとえば合格発表で1000人の合格者の受験番号がバラバラに記載されていたら大混乱になるだろう。



 

本塁打ランキング

 Shulze blog の【中村剛也、史上20人目・通算400号をサヨナラ弾で達成】と言う記事に、2019.7.18時点の本塁打数ランキングが載っていたので、グラフにしてみた。

本塁打


● 試合と打数は、スペースの関係で省略した。

● 本塁打数は、エクセルのデータバーという機能を使った。

● 実働期間は、エクセルの単一の機能では実現できない。
  けれども、関数を組み合わせれば、こういった表現も可能となる。
  例えば、グラフの一行目には、こんな関数式が入っている。
    =REPT(" ",E4-1954)&E4&" "&REPT("▋",G4-E4)&" "&G4 

● 元号による区分を追加した。

元号による時代区分は、それ自体としては何ら合理性がないが、たまたま、ベルリンの壁の崩壊が平成元年であり、米大統領が北朝鮮に足を踏み入れたのが令和元年ということから、結果的には、大きな時代区分として利用することができるだろう。

  もちろん、計算のことを考えれば、平成○年とかの使用は避けるべきである。

情報は、届かなければ意味がない  図解

 3年前に書いた【情報は、届かなければ意味がない】に、図を加えてみた。

【1】 頭上注意

 
 京都の市バスは、後ろ乗りだが、後部ドアの乗り口は結構な段差がある。そのため、ちゃんと足下を見て乗り込まないと、足を踏み外すことになる。

 先日、市バスに乗り込んでから、足下を見るために俯き加減だった上体を元に戻したところ、頭頂部にガンと、金属板の衝撃を感じた。

 頭の上を見ると、そこには、「頭上注意」と書かれていた。

頭上-1

 「頭上注意」の表示は、「頭上」ではなく、「足下」に表示しなければ、意味がない。

【2】 多言語表示


 近頃、企業のウェブサイト等で、各国語対応をしていて、日本語表記のウェブサイトの右上の方に、「English」とか「中文」とか「한국어」とか書かれたボタンが配置され、そこを押せば、英語や中国語やハングルのウェブサイトが表示されるようになっているものが多い。

 ところが、ときに、こんな例もある。言語を切り替えるためのボタンに、「英語」「中国語」「ハングル」などと書かれているのだ。日本語で「英語」と書かれていても、日本語を解さず、本当に「英語」版を必要としている人は、このボタンを押すことさえ、できないのである。

頭上-2


【3】 ユニバーサルデザイン・・・文字サイズ


 高齢化に伴い、小さい文字が読みづらい人は増えている。だからと言って、ウェブサイトで、あまりにも大きな文字を使うと、小さい文字でも読める人にとっては、かえって、煩わしく感じる。

 そこで、文字の大きさを切り替えられるよう、切り替え用のボタンを用意して、そこに、「大」「中」「小」の表示をしている例は多く見かける。

 ところが、困ったことに、そのボタンの文字が小さいことが多いのだ。「小」に設定したときと同じ大きさの文字だと、そもそも、「小」や「中」では見づらく、「大」に切り替えたい人には、切り替えボタンの文字を読むことすら困難なのだから、何の意味もなくなるのである。

頭上-3+

【4】 まとめ


 以上に掲げた例は、要するに、どういう状況で情報を伝えるのか、という点に関する、想像力の欠如が原因である。
 
 つまり、その情報を届ける相手が、
  ・どういう状況で見るのか
  ・どういう言語を理解しているのか
  ・どんな大きさの文字なら読めるのか
という点に、ちょっとした想像力を巡らせれば、このようなことには、ならないはずなのである。

より、抽象化、一般化して言うと
  ・情報の受け手(年齢、性別、居住地、職業、知識、視力・聴力・・・)
  ・情報伝達の環境(時間、空間、媒体・・・)
  ・情報の形(紙・電子・音声、言語、大小・高低・・・)
について、想像力を巡らせることが重要と言うことである。

【4】図解の効用


図解の効用は、以下のとおりだ。

 ● 書かれた内容を具体的にイメージすることができる。
 ● その結果として、納得感が得られる。
 ● イメージが記憶に定着する。

 全くの素人の私が書いた稚拙な図ではあるが、それでも、それなりの効用はあるだろう。

 こんな図を載せるのは気恥ずかしく、「小学生の娘が書いてくれたのだが・・・」といった言い訳でも添えようかという気になったのだが、何とか、それは思いとどまった次第である。

頭上-1 頭上-2 頭上-3+



司法試験問題についてのアンケート  無頓着な色遣いは禁物

 東京弁護士会のサイトに【平成27年司法試験についてのアンケート集計結果】が掲載されており、短答式問題の量についての受験生の感想をまとめた次のようなグラフが載っている。

問題量-1

 最大の問題点は色遣いだ。

 「多過ぎる」と「やや多い」は、程度の違いに過ぎない。それなのに、一方は、他方はと、全く異なった色相を用いている。

 「程度の違い」であれば、見た目も「程度の違い」すなわち、「色の濃淡」にするのが直感に馴染む。

 こんな感じだ。

問題量-2

 色遣い以外にも手を入れた箇所がいくつかある。

● ひらがなと漢字の混在

 まず、「少なすぎる」と「多過ぎる」だ。

 一方は、ひらがな、他方は、漢字と、不統一になっているのを、ひらがなに統一した。

● 無駄な改行

 「少なすぎる」が、「少なすぎ」と「る」の二行に分かれていたのを一行にした。

 仮に、スペースの関係で、どうしても二行にせざるを得ない場合でも、「少な」「すぎる」と意味の切れ目で改行すべきだ。

● 凡例、数字の位置

 凡例やパーセントの数字が円グラフから離れているのを、円グラフの中や、円グラフに近接した場所に移動した。これなら、視線の移動が少なくてすむ。
 
 結果として、グラフの扇形と凡例を結ぶ引出線の数も少なく、長さも短くてすむ。元のグラフは、太めで長い引出線が多数あり、とても目障りだった。

 最後に比較しやすいように二つのグラフを並べてみた。

問題量-1 問題量-2


 なお、色遣いについては、これまでも、いくつか記事を書いている。

    【グラデーションは、こうする 風雨の予想図
    【グラデーションは、こうする その2 米中間選挙の開票結果の判明時間
    【赤い州、青い州
    【グラデーションのフェイント
    【上野千鶴子東大名誉教授の入学式での祝辞の評価  帯グラフの工夫








「個人間融資」の説明  

 小学館の『NEWSポストセブン』というサイトに、【SNSでの「個人間融資」に騙された被害者たちの証言】という記事があった。

 引用が長くなるが、しっかり読んでほしい。

「無知だったんです。そもそも、お金がなければサークルを辞めたり親に相談すればよかった。でも焦ってしまい“ツイッターでならこっそり融資してもらえる”と思い込んでしまった。10万円借りようとしたところ、身分証を送れ、バイト先を教えろなど言われて、言われるがままに従ってしまい…」(みずほさん)

 結論から言うと、みずほさんは金を借りることができなかった。みずほさんが接触した“融資アカウント”は、そもそも他人に金を貸したり融資するふりをして、女性たちに身分を全てあかさせた上で、裸の写真を送るよう要求したりして、最後は肉体関係を持たないと知人や学校、親にバラすとまで脅迫されたのである。


 問題なのは、一番最後の文だ。

みずほさんが接触した“融資アカウント”は、そもそも他人に金を貸したり融資するふりをして、女性たちに身分を全てあかさせた上で、裸の写真を送るよう要求したりして、最後は肉体関係を持たないと知人や学校、親にバラすとまで脅迫されたのである


 「“融資アカウント”は」という主語に対応する述語が、3箇所に出てくるのだが、その後に一転して「脅迫された」と受動態がでてくる。

 「脅迫された」というのは、「みずほさんは」が主語にならないと辻褄が合わない。

 元々のL主語「“融資アカウント”は」に合わせるなら、「脅迫された」ではなく、「脅迫した」でなければならない。

 貴社が、「脅迫された」と受動態を用いたのは、被害者側の視点を入れようとしてためだろうが、被害者側の視点を入れるなら、「脅迫して来た」とすればよい。

 これなら、主語と述語の対応の乱れもなく、かつ、記者の意図したであろう被害者側の視点も表現できる。

 いずれにせよ、一文が長くなり、その中に何箇所も述語が登場すると、書いているうちに主語が何だったかを忘れてしまい、このような混乱した表現になり勝ちである。これを確実に防ぐには、一文を短くするほかはない。

 最後の文の分かりにくさは、ここだけではない。

みずほさんが接触した“融資アカウント”は、そもそも他人に金を貸したり融資するふりをして、女性たちに身分を全てあかさせた上で、裸の写真を送るよう要求したりして、最後は肉体関係を持たないと知人や学校、親にバラすとまで脅迫されたのである。


 「金を貸したり融資するふりをして」とは、次のどちらの意味だろうか。

 【1】   【金を貸したり融資する】ふりをして

 【2】   金を貸したり【融資するふりをして】


 【1】であれば、金は貸さないのであり、【2】であれば、金を貸すこともある、ということになる。

 そもそも、「金を貸す」のも「融資する」のも法的には消費貸借であり、同じことである。ただ、「金を貸す」と言えば、個人間の少額の貸し借りが想起されるのに対して、「融資する」と言えば、銀行と企業の間の多額の貸し借りが想起される。

 【1】の意味なら、単に、「金を貸すふりをして」と書けば足りる。

 【2】の意味なら、「金を貸すふりをしたり、実際に貸したりして」と書けば紛れがない。

----- 追記 2019.7.17 -------------------------------------------------------------------

 最近はカラフルなグラフを載せることが多いため、今回のような文字だけの記事は、少し寂しく感じてしまう。

照明のリモコンボタン  何を目立たせるか

 以前、エアコンのリモコンの記事を書いた【リモコンのボタンと文字の対応】が、今日は、寝室の天井の照明のリモコンの話だ。

電灯リモコン

 
 暗がりの中でリモコンの左下の「メモリ1」押すさなければならないのだが、「左下」と分かっていても、暗がりでは手にしたリモコンの上下が分からない。

 もしも、オレンジ色に着色されていたら、暗がりの中でも、何とか識別することができ、ちゃんと押すことができるはずだ。

 現状は、「消灯」とか「ゆっくりオフ」というボタンがオレンジ色になっているのだが、これらのボタンを押すときは当然、明るいはずだから、オレンジ色にして特別に目立たせる必要性はない。

情報は、届かなければ意味がない】で書いたとおり、情報を発信するに際しては、受信者の情況に思いを馳せることが必要だということである。

色だけに頼らない工夫  Color Blindness Simulator

 【Color Blindness Simulator】というサイトがある。

 自分が作成した画像が色弱の人にどう見えるのかをシミュレーションしてくれるサイトだ。

 先日の【大学教員の研究時間割合の減少  帯グラフの添削】のグラフで試してみた。これによって、赤、緑、青の各色の認識能力が低い場合にどう見えるかが分かる。

【元のグラフ】
大学教員時間割合-2+


【赤】
色弱赤


【緑】
色弱緑


【青】
色弱青


 今回のグラフの色遣いなら、色弱の人にも分かってもらえそうだ。

 念のため、全く色の区別がつかなければ、どう見えるかもシミュレーションしてみた。

モノクロ


 社会活動サービスの区分が、どれも同じような灰色の斜線で区別がつきにくい。

 そこで、斜線の向きを変えたものを作ってみた。

モノクロ+


モノクロ+-

 これなら、誰でも容易に区別することができるだろう。

 



大学教員の研究時間割合の減少  帯グラフの添削

 東大新聞ONLINEの記事【教員の研究時間割合 02年度より13.6ポイント減】の中に、こんなグラフがある。

 
大学教員時間割合-1


 せっかくのグラフなのだが、モノクロで、帯グラフの各区分の灰色の濃淡の差が少ないので区別がつきにくい。

 モノクロの場合、真っ白、薄い灰色、濃い灰色、真っ黒の4段階以内にしないと識別が困難になることは、以前の記事【グラデーションのフェイント】に書いた。

 だが、そもそも、東大新聞ONLINEの他の頁では、【上野千鶴子東大名誉教授の入学式での祝辞の評価  帯グラフの工夫 続編】で引用したように、ふんだんにカラーを使っているのだから、ここでも、カラーで分かりやすくすべきだろう。

改善案は、こうだ。

大学教員時間割合-2+


● 各区分の色をイメージに合わせる

 ・ 研究は、冷静沈着ということで、青、教育は、若葉、森の成長ということで緑とした。
 ・ その他は、無彩色の灰色とした。
 ・ 社会サービス活動は、研究関連、教育関連、その他に3区分されているので、それと符合するように、青、緑、灰色の斜線とした。

● パーセントの数字

 ・ 背景に応じて、黒または白とした。
 ・ 目立つように、太字にした。
 ・ 社会サービス活動は、背景が斜線であり、しかも、割合が小さいため隣の区分にかかるので、そのままだと、分かりにくい。
   そこで、長方形を配して、その中に数字を記載した。

 ・ 社会活動サービスの数字は、上下にずらさないと重なってしまうので、教育関連を上、その他を下に移動した。
   同じ教育関連を、ある年度は上、次の年度は下とすると、数字と区分との対応が分かりにくくなる。

● 凡例

 元のグラフの凡例は、上の3つと下の3つとの間に、空白がある。また、上の3つの相互間と、下の3つの相互間では、間隔が異なっている。けれども、そうすべき、必然性は全くない。

 改善案は、6つを等間隔で並べたので、元のグラフのような、不統一はない。

 さらに、「社会サービス活動」という文字が縦に3つならんでおり、「社会サービス活動」が更に3区分されていることが、一目瞭然である。

----- 追記 2019.7.15 -------------------------------------------------------------------

 本稿に関連した記事【色だけに頼らない工夫  Color Blindness Simulator】を書いた。


上野千鶴子東大名誉教授の入学式での祝辞の評価  帯グラフの工夫 続編

 【上野千鶴子東大名誉教授の入学式での祝辞の評価  帯グラフの工夫】で、東大新聞ONLINEの【東大入学式2019・上野祝辞アンケート分析】という記事に掲載されていたグラフについて、改善案を示した。

 今回は、その記事に載っていたグラフのすべてについて、改善案を示すことにした。

上野-1-1


上野-1-2+




上野-2-1


上野-2-2+




上野-3-1


上野-3-2


● 帯グラフの色
 直感に馴染む色にした
 ・ 積極的なもの(評価、認識)は有彩色、消極的なものは無彩色(灰色)
 ・ 中立的なものは、白
 ・ 程度の大きいものは、濃く、小さいものは薄く

● 割合を示す数字
 一目でわかるようにした
 ・ 背景色に映えるように、黒、白を使い分ける
 ・ フォントを大きく、bold(太字)に

● 凡例
 一行に並べて、帯グラフとの対応関係を分かりやすくした

● 20%ごとの目盛線
 目障りにならないよう、目立たない色にした






GPSを測位しました  助詞は正しく

 車を発進すると、間もなく、こんな音声が流れてくる。

 GPSを測位しました


 これを聞く度に、違和感を覚える。

 正しい日本語は、こうであるはずだ。

 GPS測位しました


 GPSは、全地球測位システムのことであり、「測位」の「対象」ではなく、「手段」である。

 「対象」なら「を」でいいが、「手段」である以上、「で」あるいは、「によって」でなければならない。

 こんな変な日本語が、長年にわたって放置されているのが不思議である。

 さらに言えば、「測位」という言葉も、日常的に使われる言葉ではない。「そくい」と聞けば、「即位」を思い浮かべるのが普通である。一瞬ではあるが、頭の中で、「測位」と漢字変換をするのに時間を要する。

 分かりやすくするには、こうするしかない。
 

 GPSで位置を確認しました


 

「文部科学白書 教育の情報化」の添削を試みる

平成29年度文部科学白書】の「第11章 ICTの活用の推進」の「第1節 教育の情報化」の冒頭に、以下のような記述がある。

 社会の情報化が急速に進展する中で,子供たちが情報や情報手段を主体的に選択し活用していくための基礎的な資質としての情報活用能力を身に付け,情報社会に主体的に対応していく力を備えることがますます重要となっています。
 また,子供たちの「確かな学力」を育成するためには,分かりやすい授業を実現することが必要であり,その指導方法の一つとして,教員がICTを効果的に活用した授業を展開することが重要となっています。
 さらに,校務事務の多忙化により,教員が子供たちと向き合う時間が不足していることが指摘されている中で,ICTを活用した校務の効率化に対する期待も高まっています。
 一方,近年,コミュニティサイト等に起因する事犯や,いわゆるリベンジポルノなどのインターネットによる犯罪被害,生活リズムの乱れなどが大きな問題となっています。このため情報社会の便利な側面のみならず,影の部分やその対処法などについて,子供たち自身や保護者などが正しく認識し,適切に行動していくことがますます重要となっています。
 このような状況を踏まえ,文部科学省は,情報活用能力の育成,教員のICT活用指導力向上に向けた取組,ICTの活用による障害のある子供たちの支援,学習者用コンピュータ等の学校ICT環境整備の推進,青少年を有害情報から守る取組の推進等に取り組んでいます。


 こういったメリハリのない記述は、官公庁のサイトでは、よく見かけるが、何とかならないものだろうか。

 少しでも読みやすくするため、最小限、手を入れてみた。

 社会の情報化が急速に進展する中で,子供たちが情報や情報手段を主体的に選択し活用していくための基礎的な資質としての情報活用能力を身に付け,情報社会に主体的に対応していく力を備えることがますます重要となっています。

 また,子供たちの「確かな学力」を育成するためには,分かりやすい授業を実現することが必要であり,その指導方法の一つとして,教員がICTを効果的に活用した授業を展開することが重要となっています。

 さらに,校務事務の多忙化により,教員が子供たちと向き合う時間が不足していることが指摘されている中で,ICTを活用した校務の効率化に対する期待も高まっています。

 一方,近年,コミュニティサイト等に起因する事犯や,いわゆるリベンジポルノなどのインターネットによる犯罪被害,生活リズムの乱れなどが大きな問題となっています。このため情報社会の便利な側面のみならず,影の部分その対処法などについて,子供たち自身や保護者などが正しく認識し,適切に行動していくことがますます重要となっています。

 このような状況を踏まえ,文部科学省は,情報活用能力の育成,教員のICT活用指導力向上に向けた取組,ICTの活用による障害のある子供たちの支援,学習者用コンピュータ等の学校ICT環境整備の推進,青少年を有害情報から守る取組の推進等に取り組んでいます。


 やったことは、下記の二点だけである。

  ● 段落ごとに空白行を入れる
  ● ポイントとなる用語を赤の太字にする

 たった、これだけのことで、ずっと読みやすくなるし、読み終わった後に何が書いてあったか再確認することも容易になる。せめて、この程度の努力はしてもらいたいものである。


 

司法試験合格者の年齢別構成  法務省のグラフを添削する

 法務省の【平成13年度司法試験第二次試験結果について】に、司法試験合格者の年齢別構成のグラフがある。
年齢別-1

 一目見て、うんざりした。

 改善案は、こうだ。

年齢別-6

 以下、元のグラフの問題点を列挙する。

● 無意味な装飾

 まず、表題だ。

....年齢別-3

 背景の薄紫、黒い影は無意味である。

 また、平面的な帯グラフで十分なのに、ことさら立体的にするのも無意味だ。

 【実務に理解の深い教員の養成は急務なのだが・・・  過剰演出は不要

● 直感に反する時系列

 一番上が「平成13年度」、一番下が「平成元年度」となっている。

 時間の流れは、左→右上→下、で表現するのが普通であり、直感に馴染む。

 ところが、特別な必要性もないのに、下→上、と逆転している。

 時系列の間隔

 時間の間隔と見た目が対応していることが望ましい。
 
 全部等間隔で並んでいると、現実の時間も等間隔のように錯覚してしてしまう。

 改善案は、平成元年と平成8年の間を広く開けているが、単純に6年分の間隔をとるのは現実的ではなく、「・・・・・・」で代用した。なお、6年分が抜けているということで「・」の数は6個にしている。

● 文字の幅、間隔

....年齢別-4

 よく見ればわかることだが、12年と11年ではフォントの横幅が異なっている。

 その上、10年などは、「35.7%」なのに、数字が密着しているため「36.7%」と勘違いしそうである。

● 同じ単語の繰り返し

 [平成」「年度」「%」といった記載が何度もでているが、分かりきったことであり、省略した方が、すっきりする。

● イメージに合わない色

 各年齢区分の色だが、法務省のは、「緑、赤紫、黄色」となっているが、改善案は「緑、黄色、薄茶」となっている。

 秋になって木の葉の色が変わるのと人の年齢のイメージを重ねるのが直感に馴染む。車の高齢運転者マークも同じだ【図形の要素は、色が重要】。

 26歳で高齢者扱いかと言われそうだが、あくまでも相対的には高年齢には違いない。

 学生時代の勉強会などで、24、5歳の上級生が「長老」と呼ばれていたのを思い出す。「長老」でも司法試験に合格すれば、数年後には「若手」弁護士である。

● 和暦のみの表示

 官公庁の文書は和暦が標準となっているようだが、西暦と併記しないと、何年前かということが即座に分からない。この弊害は、元号が令和に替わって、より顕著になった。
 「分かりやすさ」という観点からは、西暦表示は必須であり、スペースの余裕があるときには和暦も併記する、というのがいいだろう。

● 分かりにくい凡例

 「24歳以下30.7%」のように、凡例の文字がパーセントの数字に接着して同じ大きさで記載されているので、目立たない。

 改善案では、時間間隔を表すために設けた空白部分に、大きな文字で記載したので、一目で分かるようになった。

 また、「以下」「以上」といった漢字を使わず、「~24歳」「26歳~」と記号「~」を使ったので、より直感的に分かりやすくなったはずだ。


 最後に、二つのグラフを比較しやすいよう、左右に並べてみた。

年齢別-1 年齢別-2







司法試験、司法書士試験の合格者の平均年齢の推移

Shulze Blog に【旧司法試験/予備試験/(新)司法試験 最終合格者の平均年齢の推移】が載っていたので、以前の司法書士試験に関する情報と併せて、グラフにした。

司法試験合格年齢

 「載っていた」というと、私が依頼もしないのに、載せられたように思われるかも知れない。

 「載っていた」のは事実には違いないが、実際は、私の方が Shulze Blog のコメント欄で、お願いしたものである。

 いや、正確に言えば、「お願い」もしていない。私は、ただ、「遡って、司法書士だけでなく、旧試験、新試験、予備試験についても、合格者平均年齢の推移を整理していただけたら嬉しいです。」と書いただけである【2019年度司法書士試験の出願者数16,811人(昨年より▲857人、4.9%減、9年連続減少、9年前より▲16,355人、49.3%減)】のコメント5。

 決して、「整理して下さい」とお願いしてはいない。整理された場合の私の抱く感情についての予測を述べたに過ぎない。

 これも、一種の【ご飯論法】と言えるだろう。

 それはさておき、司法書士試験については古い情報は掲載されていないようだが、掲載され次第、グラフを更新する予定だ。

 私がここまでグラフに拘るのは、本来、何かを論じるに当たっては、議論の前提となる情報のすべてを視野に入れて行うべきであるにも関わらず、論者の記憶、印象に残った一部の情報だけを根拠に不毛な議論が戦わされる例を数多く見てきたからである。

 グラフによって、より広い範囲の情報を一目で閲覧できるようにすれば、そのような不毛な議論も、少しは減るのではないだろうか。



司法書士試験の出願者数・合格者数・合格率

Schulze BLOG 】に司法書士試験に関するデータが載っていたので、グラフにしてみた。

司法書士試験の出願者数・合格者数・合格率


法科大学院入学者に占める内部生の割合

 すっかりお馴染みになったSchulze BLOGに 【東大学部出身者の東大ローへの進学者数は72名、全入学者(210名)に占める割合は34.3%、人数・占有率とも過去最低を更新】という記事があったので、例によって、グラフにしてみた。

 京大についても、自分でネットで数値を調べて、グラフにしてみた。

内部生・東大


内部生・京大-3


 京大の方は、注意書きしたとおり「入学者」ではなく「入学手続者」や「合格者」の数値になっている期間もあるので、内部生の占有率は、実際とは若干の違いがあるはずだ。

 「入学手続者」には含まれるが「入学者」には含まれないというのは、どういう者か分からない。

 いったんは入学手続をしたが辞退した者、あるいは、入学手続だけはしたが、実際に授業を受けるのに必要な行為(例えば、履修登録など)を決められた期間内に行わなかったため、入学を取り消された者なのか、推測するしかない。

 なお、現時点で京大のウェブサイトに掲載されていたのは、2015年度入学者以降のものであり、それ以前のものは、インターネットアーカイブで確認したものである。

出典は、以下のとおりだ。

 【2007-2012
 【2013-2014
 【2015-2019





文部科学省の資料

 文部科学省のサイトに【法科大学院改革の取組状況について】という資料があり、その資料の12頁の冒頭に、このブログの素材としては一級品と言ってもいい、次のような記載がある。

ICT-1

 見た瞬間に嫌でも目に飛び込んでくるのが太めの赤字である。

 何のために太めの赤字にするのか分かっていれば、一つの文の80%も赤字にすることはないはずだ。

 私なら、こうする。

ICT-3

 これなら、「地方在住者」「社会人」「オンライン授業」といったキーワードが一瞬にして目に入るが、元の記載だと、とてもそうは行かない。全て黒字の方が、落ち着いて読めるだけ、ましである。

 【上告理由書の工夫  演出はほどほどに】の「アリババと40人の盗賊」にも書いたとおりである。

 元の記載には他にも問題がいくつもある。二つを並べるので、まずは、どこがどう違うのか、その理由を考えてほしい。

ICT-1

ICT-3



 ・ 表題の末尾に「ついて」とあるが、無意味な記載である。

 ・ 表題の背景をグラデーションで両端を薄くしているが、これも無意味な装飾である。

 ・ 表題の「ICT」というのも、非常に分かりにくい。
ICT-4

  「I」が単なる縦線のように見え、「ICT」という単語の一部に見えない。
  前後にスペースを入れるか、かぎ括弧をつけて、一つの単語であることを明示するのがいい。

 ・ 本文の2行を囲っている長方形の線が太くて、目障りである。

 ・ 読点「、」の付け方も不適切だ。
    「地方在住者や、」の「、」は不要であり、代わりに「社会人が、」とすべきである。
    読点の機能は、概ね以下の3つだが、「地方在住者や、」とすることに意味はない。

     ・ 同種の文字が連続する場合に、切れ目を明示する

       【漢字】
        検察官出席の上審理し → 検察官出席の上、審理し
        【検察官A出席の上審理し・・・

       【ひらがな】
        夏にはもでもオゴってもらおう → 夏に、はもでもオゴってもらおう
        【名詞は漢字に限る

     ・ 修飾関係の誤解を避ける
        ① 目を覚ましたメリーは、恐怖のあまり地下室に潜んでいた男を、殺してしまう。
        ② 目を覚ましたメリーは、恐怖のあまり、地下室に潜んでいた男を殺してしまう。
        【目を覚ましたメリーは・・・

     ・ 長すぎる文を息継ぎのために区切る

 あと、ここからは、「趣味の問題」と言われるかも知れないが、いくつかの変更点がある。

     ・ 表題の文字が大きすぎるので、少し小さめのフォントにした

     ・ 本文の先頭の「○」と次の文字の間にスペースを入れた


 

2019年ロースクール入学者

Shulze blog】に今年のロースクール入学者の内訳が載っていたので、グラフにした。

ロー入学者-2


 昨年までのグラフは【ロースクール入試の現状  グラフと表の連繋】の追記欄に掲載しているが、今回、今年度データを追加してグラフにしたのだが、いくつかの変更点がある。

 ・ 各グラフのマーカーの側に、数値を記載した。
   ただし、「定員」については、「入学者」と重なって煩雑になること、また、必要性も乏しいことから、記載していない。

 ・ 凡例をまとめて記載するのではなく、各グラフの側に、グラフと同じ色で記載した。

 ・ 5年ごとに、背景を薄い灰色にした。

 ・ 年度が横倒しになっていたのを、縦にした。

 ・ 実線と点線を以前のグラフと逆にした。
   入学者は実体がある数字なので実線、定員は観念的なので点線、というのが直感に馴染む。

 変更点が分かるよう、以前のグラフと並べてみた。

ロー入学者-1 ロー入学者-2




2019年度ロースクール別入学者数

Shulze blog】に今年の法科大学院の大学別入学者数が掲載されていたので、グラフにしてみた。

ロースクール別入学者数


 首都圏と関西の背景色を水色にして、地域的な偏在が一目で分かるようにした。



司法修習後の弁護士未登録者数の推移  棒グラフと折れ線グラフの重ね合わせ

 【Shulze blog 71期二回試験成績分布】に、司法修習を修了したにもかかわらず、法曹にならなかった者(未登録者)の人数の推移が載っていたので、グラフにしてみた。

未登録者数-4


二回試験科目別不合格者  折れ線グラフとデータバー


 【Shulze blog 71期二回試験成績分布】に、二回試験(司法研修所の修了試験)の科目別不合格人数の一覧が載っていたので、折れ線グラフにしてみた。

二回試験・折れ線


 「分かりやすさ」のための工夫は、以下のとおりである。

● 「民裁」の文字だけ背景を灰色にしたが、白のままだと読みづらいからである。この点については、以前の記事【黄色に注意】に書いたことがある。

● 新試験合格者は概ね1500~2000人なのに対し、旧試験合格者は、1500人弱から年々減少して最後の65期は100人足らずになっているので、新試験合格者と区別するため、横軸の「旧・・」を一行下にずらした上、グラフの背景も薄い灰色にした。

● 凡例は、グラフの外にまとめて記載するのではなく、各折れ線に近接した場所に個々に記載し、かつ、折れ線と同じ色にした。

 表の中にデータバーを埋め込む形にもしてみた。

二回試験・表

 どちらが分かりやすいかは、微妙である。

----- 追記 2019.6.27 -------------------------------------------------------------------

 人数が30人以上のものについて、赤の太字にした。  

二回試験・表2

 過去十年では不合格者が前半に集中していることが、より分かりやすくなった。





 

身近で具体的なイメージで考える

 先日の【人気の本の補充の優先順位  表面的な予約件数に惑わされない】だが、最初は、ラーメン店の説明はなかった。

 図書館の説明だけだったのだが、自分で読み直しても、今ひとつ、しっくり来なかった。

 そこで、より分かりやすい例はないかと色々と考えているうちに、ラーメン店の行列が思い浮かんだ。

 なぜ、ラーメン店かというと、具体的なイメージを抱きやすいからである。

 だれでも、ラーメン店の行列を見かけたことはあるはずだし、満席のラーメン店でラーメンを食べた経験もあるだろう。

 行列の人数、座席数、最後部の人、回転数といった言葉も、各人の記憶の中の実在のラーメン店と結びつけて考えると、イメージしやすくなる。

 あとは、説明文を読みながら、そのイメージを頭の中で動かすことによって、内容が理解できる。

回転数-7


 ところが、図書館の本の予約だと、そうはいかない。

 そもそも、図書館で本を予約した経験など、ない人のほうが多いのではなかろうか。

 たとえ予約した経験があっても、予約待ちの人数というのは、ラーメン店の行列と違って、イメージするのが困難だ。

 ラーメン店の行列は、実際に人が並んでいるのをイメージできるのに対して、本の予約件数は、観念的なものであり、個々の予約者は、図書館の前に並んでいるわけではなく、それぞれの自宅や職場にいるのであり、図書館のコンピューターの予約システム上に予約件数のデータが存在するに過ぎない。

 そこで、イメージしにくい図書館の予約で説明する前に、具体的なイメージで考えることのできるラーメン店の行列で説明し、内容を理解してもらった上で、見かけの差異はあっても、ラーメン店の行列も図書館の予約件数も実質的に同じであることを、行列の人数→予約件数、座席数→蔵書数といった具合に、そこで用いられる概念を対応づけて理解してもらおうと考えたのだ。

 そうは言っても、図書館の予約件数の説明が分かりにくいことは否めない。説明をしている本人でさえ、未だに、ラーメン店の行列ほどには、「分かった」という気になれないのだ。

 それだけ、人の思考には、具体的イメージが必要だということだろう。

 詰め将棋の問題、解答手順も、23歩、同玉、34銀、といった記号だけでは理解困難だが、将棋の盤面を見たり、思い浮かべたりすることによって、遙かに理解が進むのも、これと同じ理屈だろう。


人気の本の補充の優先順位  表面的な予約件数に惑わされない

 ★ 計算ミスがあったので、表を差し替え、本文も訂正し、さらに、具体的にイメージできるように図を加えた【2019.6.25】。
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 図書館の出口に、こんな貼り紙があった。

寄贈お願い

 予約件数の多い本は貸出までの期間が長くなるので、期間短縮のために寄贈をお願いしているのだが、ふと、疑問に思った。

 予約件数が多い本は、予約件数の少ない本と比べて、本当に貸出までの期間が長くなるのだろうか。

 話を分かりやすくするために、行列のできるラーメン店で考えてみよう。まずは、下の図の意味をじっくり考えて、納得してから、次に進んでほしい。

回転数-7

 そこで、二つのラーメン店、A店、B店を経営しているとしよう。下記のとおり、どちらも人気店で行列ができるのだが、顧客の待ち時間を少しでも減らすには、どちらの店の座席を増やすのが効果的だろうか。
 
回転数-1

 最後尾の客が入店できるまでの回転数は、A店は2回、B店は10回である。

 店での滞在時間を20分とすると、それぞれ、行列最後尾の人が入店するまでの待ち時間は、A店が40分、B店は200分(3時間20分)である。どう考えても、行列の人数は少ないが待ち時間が3時間20分と圧倒的に長いB店の座席数を増やすのが合理的だろう。

 仮に、それぞれ、5席ずつ増やした場合は、以下のようになる。

回転数-4

 A店は、回転数が0.2減るだけで、時間の短縮は、4分に過ぎない。

 他方、B店は、回転数が10から5になり、待ち時間は、3時間20分から半分の1時間40分になり、大幅な短縮である。

 どちらの店の座席を増やすべきかは、明らかだろう。

 図書館の本の予約待ちの場合も、行列の人数を予約の件数に置き換え、座席数を蔵書数に置き換えて考えれば、全く、同じである。

回転数-5

 本の貸出期間は2週間と決められているので、Bの本が5册寄贈されると、20週間待ちが、10週間待ちと、待ち時間は2か月以上も短縮される。他方、Aの本が5册寄贈されても、待ち時間は、2週間×0.2、僅か3日短縮されるだけである。

 結局、優先して寄贈をお願いすべきなのは、予約件数の多い本ではなく、【予約件数÷蔵書数】の多い本と言うことになる。

 この記事を書きながら思ったのだが、以下のような問題も、本質的には同じことだろう。

 ● 保育所の待機児童問題 (どの保育所の定員を増やすべきか)
 ● 路線バスの混雑緩和のために、どの路線にバスを追加するか

 もちろん、それぞれに固有の事情があり、そう単純にはいかないだろうが、保育園ごとの待機児童数、バス停の行列の人数といった、表面的な人数にとらわれるべきでないことは、ラーメン店、図書館と同じだろう。




夏が終わってないけど「この夏最高の気温」  「この夏」概念の相対性

 「大学生のための知性を磨く哲学と論理」(千代島雅)という本がある。

 素材となる文章を最初に示して、事実認識、論理展開、価値判断などを検証する作業を通じて、知性を磨いてもらおう、という趣旨の本である。

 その本の第30問の素材として、次の文章が掲載されている。

6月5日のニュースで次のように言っていた。「今日はよく晴れて気温が上がり、東京の最高気温は、32℃になりました。これは東京におけるこの夏最高の気温です。」


 どこが批判されなければいけないのか、色々考えてみたのだが、何が問題なのか分からない。

 そこで、読み進めたのだが、こう書かれていた。

(6月から8月までを夏とすれば)6月5日はまだ夏が始まったばかりである。したがって、当たり前であるが、8月の末までに32℃を越える日がありうることはほぼ確実である。それにもかかわらず、6月5日に記録された32℃を「この夏の最高気温」と見なすのは明らかにおかしい。


 思わず、「小学生か!」と思った。

 自分の小学生の頃を振り返ると、この類いの疑問を親や先生にぶつけて面白がっていたのだが、大人になってみれば、いかにも子どもじみた疑問であり、大人になって口にするのは恥ずかしいような「疑問」である。

 ・ 「親子どんぶり」って言うけど、本当に鶏と、その鶏が産んだ卵を使ってるの?
 ・ 「きつねどんぶり」って言うけど、どうしてキツネの肉がはいってないの?
 ・ レストランで「私はカレー」と言う人がいるけど、人が食べ物の訳はないんじゃないの?
 ・ 「今日はもう動けない」と言いながら、トイレに行ったよ。「動けない」というのは嘘なの?

 冒頭のニュースで、「この夏最高の気温」というのは、明示されていないものの、「今年の夏が始まって本日に至るまでの最高の気温」ということであり、大多数の大人の視聴者は、そう受け止めるはずである。

 小学生の子どものいる家庭で、このニュースを聞いた子どもから、「まだ、夏は終わっていないのに、最高気温なんておかしいよ」という疑問を投げかけられたら、いい機会である。

 そんな機会を利用して、どんな概念でも意味は一義的に決まっているのでなく、発言のなされた時点、場所、その他の情況を踏まえて、その意味を確定しなければならない、ということを、教えるべきであろう。

 「大学生のための」と銘打っている本で、「小学生並みの」疑問に遭遇するとは、思いもよらなかった。著者には、このブログを読んで、ぜひ、自らの知性を磨いてほしいものである。

----- 追記 2019.6.21 -------------------------------------------------------------------

 冒頭の例で、「本日に至るまでの」と付け加えたとすると、その方が、よっぽど鬱陶しく聞こえる。「いわずもがな」のことを書くべきでないのは、以前の記事に書いたとおりである。 

 【「昨日、大阪で研修会があり、その研修会に出席しました。」


0.1% 、1%、10% か 0.1% 、2%、5% か

 先日の【ベイズ推定  分からないことは図に書いて考える】で、具体例として次のような問題を掲載した。

ある病気の感染者の割合は、0.1%である。
感染の有無を検査する方法はあるが、完全ではない。
・ 感染者のうち、98%は陽性の反応がでるが、2%は、陰性となる。
・ 非感染者のうち、95%は陰性となるが、5%は陽性の反応が出る。

ある人に陽性の反応が出た場合、この人が感染者である確率は、いくらか?


 実は、この例を作る前には、数字だけが違う、次のような例を作成していた。

ある病気の感染者の割合は、0.1%である。
感染の有無を検査する方法はあるが、完全ではない。
・ 感染者のうち、99%は陽性の反応がでるが、1%は、陰性となる。
・ 非感染者のうち、90%は陰性となるが、10%は陽性の反応が出る。
ある人に陽性の反応が出た場合、この人が感染者である確率は、いくらか?


 なぜ改めたかというと、0.1% 、1%、10% は、全体を1 とする割合の数字で表すと、0.001、0.01、0.1 となり、計算をしているうちに、どれが、どれだか混乱しかねないからである。

 これに対iして、0.1% 、2%、5% であれば、割合の数字にしても、0.001、0.02、0.05 であり、桁数に気を遣わなくても、混同するおそれはないからである。

 0.1% 、1%、10% のときの図と、0.1% 、2%、5% のときの図を掲げるので、どちらが分かりやすいか実感してもらいたい。

ベイズ-2


ベイズ-1


 具体例で説明する場合、混乱を招かないように注意すべきことは、以前のブログにも書いた。

 【兄の名前は「坂上二郎」





ベイズ推定  分からないことは図に書いて考える

 数年前から AIとともに、「ベイズ推定」が話題になっている。

 具体例で説明すると、以下のような問題に対する答えを導く、統計的手法である。

ある病気の感染者の割合は、0.1%である。
感染の有無を検査する方法はあるが、完全ではない。
・ 感染者のうち、98%は陽性の反応がでるが、2%は、陰性となる。
・ 非感染者のうち、95%は陰性となるが、5%は陽性の反応が出る。

ある人に陽性の反応が出た場合、この人が感染者である確率は、いくらか?



頭の中で考えるのは大変だ。そんなときは、図解に限る。

ベイズ-1


 感染していたら98%が陽性と出て、感染していなかったら95%が陰性となる検査なので、かなり精度が高い検査のように思える。

 そんな検査で陽性と出た以上、感染している確率は相当、高いように思えてくる。90%以上の確率で感染しているように思った人もいるのではなかろうか。

 ところが、実際は、上の図のとおり、陽性であっても感染している確率は、1.9%に過ぎない。

 統計と直感との乖離については、いくつか記事を書いたことがある。

 【合格率のパラドックス
 【司法試験の合格率の推移  合格率のパラドックス
 【合格率のパラドックスは、なぜ生じるか  図解
 【平均値の罠



東北新幹線・料金一覧表  表を、より分かりやすく

 【マネーガイドJP】というサイトの「東北新幹線の東京から主要駅へのグリーン車料金一覧表」だ。

新幹線料金-1


 特別に分かりにくい、というわけではないのだが、より、分かりやすくすることはできる。改善案は、こうだ。

新幹線料金-2


● データバーで、金額の大きさが直感的に分かるようにした。

● 数字に三桁区切りの「,」をつけた。

● 「円」を削除した。

● 金額が左寄せになっているのを右寄せにし、項目名は、中央に揃えた。

● 駅の配置を、地図と同じく、最北の新青森駅を一番上にして、順に、八戸、盛岡・・・と配置した。

上野千鶴子東大名誉教授の入学式での祝辞の評価  帯グラフの工夫

 先日、【上野千鶴子氏の東大入学式での祝辞の論評  理解不能な文章は、早めに見切りを付ける】という記事を書いたが、東大新聞ONLINEに、【東大入学式2019・上野祝辞アンケート分析】という記事があり、こんなグラフが掲載されていた。

祝辞反応-1

 このグラフを見て、帯グラフの左から2番目の区分(20.3%と32.0%)が「どちらとも言えない」だと錯覚した。

 錯覚の理由は、この区分が一番、薄くなっており、直感的に、評価、非評価のいずれの意見でもないものを表すように思えたからである。

 そこで、色遣いを直感に馴染むようにするなど、より、「分かりやすく」作り直してみた。

祝辞反応-2

 このグラフなら、東大生以外の9割弱、東大生の6割強が祝辞を評価していることが、一瞬で分かる。

 変更点と理由は、以下のとおりである。

● 色遣いを、直感に馴染むようにした。
 
   評価、非評価は、橙色と灰色とした。
   評価、非評価いずれについても、積極的なものは濃い色、そうでないものは薄い色とした。
   どちらとも言えないものは、白にした。
   
   色遣いについては、これまでに、いくつも記事を書いた。

    【グラデーションは、こうする 風雨の予想図
    【グラデーションは、こうする その2 米中間選挙の開票結果の判明時間
    【赤い州、青い州
    【グラデーションのフェイント

● グラフ上の数字の色を分かりやすくした。

  元のグラフも、背景により数字の色を変えるなどの工夫がなされているが、以下の点で不適切だ。
   ・「たいへん評価する」の橙色の背景に白の数字は、読みにくい。黒の方が分かりやすい。
   ・「評価しない」の数字は、白い文字に黒の縁取りをして、他の数字と比べて、異様に目立つ。

● 凡例が2行になっているのを、1行にした。

  帯グラフには5つの区分が横に並んでおり、凡例も同じく5つを横に並べた方が理解しやすい。
  
  説明対象と説明文の項目の配置を一致させるべきことは、これまでにも記事を書いている。

    【前列右から、加藤、清水、野間、高谷、石原、・・・
    【エレベータの階数ボタン 

なお、比較しやすいように、二つのグラフを並べてみた。

祝辞反応-1  祝辞反応-2


----- 追記 2019.6.10 -------------------------------------------------------------------
 
 熱心な読者の方からメールがあった。

 表題は「東大生」「東大生以外」の順なのに、グラフの方は、「東大生以外」「東大生」と逆になっており、違和感があると言うのである。

祝辞反応-3


 指摘されたとおりである。このブログでも、記事を書いたことがある。

 【古参ファンとにわかファン  順番を対応させる

 これまでも、読者の方からの指摘により、追加、修正をしたことが何度かある。

 【オーケストラは理系のサークル活動?】  
 
 ブログの記事を読んで、追加、訂正、疑問などがあったら、どんなに些細なことに思えても、遠慮なく指摘していただけると、大変ありがたい。

   ★管理人へのメールは、ここをクリック★

「国の地震予測地図はまったくアテにならない」は、本当か?  予測の検証は、予測期間の終了後でなければ不可能

 【「地震は予知できない」という事実を直視せよ 国の地震予測地図はまったくアテにならない 東洋経済ONLINE 2016.4.28】という記事に次の一節がある。

そのハザード・マップを、実際に起きた大地震と重ね合わせてみると衝撃的な事実がわかる。今後30年のうちに震度6弱以上の地震に見舞われる確率が極めて高いとされている、南海・東南海・東海地方や首都圏では、1990年以降死者10人以上の地震は起こっていない。実際に起きた震災は、比較的安全とされた地域ばかりだった。この地図はハザード・マップではなく、“外れマップ”と呼ぶべきだ


地震予測-1

 一読して、我が目を疑ってしまった。

 記事で「ハザードマップ」ではなく「外れマップ」だと非難されている地図は、全国地震動予測地図の2014年版である。

 2014年に発表された30年間の地震動予測の地図の上に、1990年以降に実際に起きた地震の場所を書き込んだ上で、「比較的安全とされた地域」で大規模地震が起きているとして、「外れマップ」だと非難しているのだ。

地震予測-2

 そもそも、2014年に発表されたのは、2014年から30年間の予測地図である。予測が外れたか否かは、30年後、2043年末に、2014年から2043年の間に実際に起きた地震と比べて、初めて判断しうることである。

 予測の対象となった2014年~2043年でなく、2013年以前の実際の地震を引き合いに出すことに、何の意味もない。

 「予測の評価」について、競馬の予測を例に考えてみよう。

 たとえば、自分の好きな馬26頭(A~Z)の中で、6月後半のレースについて、KとTが優勝すると予測したとしよう。

 他方、6月前半には、AとBが優勝していたとする。

 この場合、予測にはAもBも入っていないという理由で、この予測を「外れ」という人はいないだろう。「外れ」か否かは、6月末にならなければ、誰にも分からないはずだ。

地震予測-5

 冒頭の主張は、予測期間の終了前に、予測期間の前のできごとを根拠に予測が「外れ」だと主張しているものであって、小学生でも理解できるレベルの、根本的な誤りである。

 地震学者である筆者も、東洋経済の編集部も、そんなことが分からないのだろうか。

----- 追記 2019.6.4 ------------------------------------------------------------------- 

 集中豪雨の予測の例を競馬の予測の例に差し替えた。

 元の集中豪雨の予測の例は、こうなっていた。
------------------------------------------------------------------------
 より身近で、現実のものとして理解しやすい、集中豪雨の予測を例に考えてみよう。

 18時の時点で、18時から24時までに、大阪、東京で集中豪雨が起きるという予測が発表されたとする。12時から18時の間に、広島と岡山で集中豪雨が起きており、他方、予測には、広島、岡山が入っていなかったからといって、この予測が「外れ」だとは誰も言わないはずである。

 
地震予測-3

------------------------------------------------------------------------

 なお、念のため付言するが、私は、国の地震予測地図はアテに「なる」と主張しているわけではない。

 ただ、アテに「ならない」という記事の根拠が論理的に成り立たないことを指摘しただけである。

 

「ひずみ集中帯地震」の一覧表  時間、空間、マグニチュードを視覚化する

 【明日に向けて 原発は地震に対して極めて脆弱】というブログ記事に、主な「ひずみ集中帯地震」の一覧表が載っている。

ひずみ集中帯地震-1

 必要な情報は明示されているのだが、感覚的に分かったという気にならない。そこで、より、直感的に把握できるように次のような表にしてみた。

ひずみ集中帯地震-2


 時間的な間隔が直感的に理解できるように、1年につき、1行分の空白行を設けた。同じ年に2回、地震が起きていることもあるので、厳密な時間的な間隔ではないが、そこまで厳密さを追及する必要はない。

 地震の起きた場所については、熊本から北海道まで、地理的配置に併せて、左から右に配置した。これによって、どこで地震が起きたのかが直感的に理解できる。

 マグニチュードを、バーチャート(棒グラフ)で表現した。なお、マグニチュードの数値が 0.2 大きくなると、エネルギーは約2倍になる。5.9とか7.3という数値を見ていても、大差ないように思えるが、実際は、7.3は、5.9の128倍であり、バーチャートにすることによって、そのことが直感的に理解できる。

 多数の死者を出し人々の記憶に焼き付けられている地震については、赤字で記した。また、東北大震災(東日本大震災)については、ひずみ集中帯地震ではないが、【かっこ】内に記した。


弁護士事務所 企業法務 地方公共団体  異質なものを列挙しない

 ある法科大学院のパンフレットに書かれている、エクスターンの派遣先の一覧である。

カテゴリー


 派遣先が、次のように、3つのカテゴリーに分類されている。

【エクスターン派遣先】
 弁護士事務所
 企業法務
 地方公共団体


 一目で違和感を感じる。こんなのを見たときと同じ違和感だ。

【脊椎動物の種類】
  水中動物
  両生類
  爬虫類
  鳥類
  哺乳類


 エクスターン派遣先の2番目の「企業法務」というのは、派遣先で行う業務の名称であり、派遣先そのものの名称ではない。

 ここは、「企業法務」ではなく、「企業」とすべきである。「水中動物」ではなく「魚類」とすべきであるのと同じである。


 次に、レイアウトも問題だ。

 大見出しの「過去の派遣実績」と小見出しの「弁護士事務所」の間隔が狭いのに対して、「弁護事務所」一番下の行の「その他多数」との間隔が広いことも問題である。

 「過去の派遣先」として、[弁護士事務所」「企業」「地方公共団体」の3つのカテゴリーに分けられるにもかかわらず、上記の空白によって、そのことが分かりにくくなっている。

 以上の2点の問題点を踏まえ、改善したのが次の表である。

 
カテゴリー-2

 比較しやすいように、左右に並べてみた。

カテゴリー カテゴリー-2







司法試験予備試験問題の6割をAIが的中  本当に凄いことなのか

 司法試験予備試験の問題をAIが予測し、6割がが的中したと話題になっている【司法試験予備試験 AIが合格? NHK 2019.5.20】。

 記事には、このように書かれている。

 19日の短答式試験(マークシート形式)で出題された95問中、57問(60%)の出題カテゴリーを的中させたという。 ・・・ (中略) ・・・・ 128のカテゴリーに分類した上で、各年度の出題傾向とともにAIに学習させ、2019年度の問題を事前予想した。
司法予備試験の問題、AIが“6割”的中 「合格ラインと同水準」 ITmedia 2019.5.20


 だが、この予測は、「凄い」ことなのか。

 記事によれば、試験問題は128のカテゴリーに分類され、出題予測と実際に出題された問題とでカテゴリーが一致するものが57問あったというのである。

 そもそも、わずか128のカテゴリーの中から95問が出題されるというのであれば、予測と出題が一致するものは、いくらでもあるのではないか。

 カテゴリーに、1番から128番までの番号をつけ、1番から95番までが出題されると予測したとしよう。仮に、出題者側が、予め、この予測を知って、予測を外すように出題するとしても、カテゴリーは、128しかないのだから、128-95=33問しか、予測を外すことはできない。

 逆に言えば、95-33=62問は、「的中」してしまうのだ。図解すると、こんな具合になる。

 
的中率

 ただ、実際は、各カテゴリーから1題しか出題されないと決まっているわけではなく、例えば、あるカテゴリーからは2題出題される、ということも考えられるので、必ずしも、上記の図解のとおりにはならない。

 そこで、上記の例で、仮に、10カテゴリーについては、各2題ずつ出題するものとすれば、的中する出題は、10少なくなり、52題ということになるが、それでも、的中率は、 52 ÷ 95 ≒ 0.55 つまり、55% ということになる。

的中率-2

 だが、そもそも、出題者が予測を知って、ことさら予測を外すように出題した場合で、この数字なのだから、予測を知らずに出題していたら、的中率は、ずっと、高くなるはずである。

 そうすると、AIを使って予測して、60%の的中率というのは、決して「凄い」とは言えず、「AIを使っても、その程度なのか」ということになる。

 AIを使わなくても、1から128までの番号が書かれたカードの山から1枚カードを引いて、その番号を記録しては、また、カードを山に戻す、ということを、95回繰り返して予測しても、60%位の的中率になるのではないか。
 
 仮に、カテゴリーの分類をもっと多く、例えば、1000位にして、その上で、95問を予測し、60%一致したと言うのであれば、それなりに意味があると言えるだろう。

 AIで予測をして60%的中させたという予備校の発表を、何の検証もすることなく、さも凄いことのように見せかけて垂れ流すのは、ジャーナリストとして、何とも情けない限りである。

----- 追記 2019.5.23 -------------------------------------------------------------------

 マスコミの検証能力に関しては、これまでも、何本も記事を書いている。

 1m×1m×2cmは、何リットル?
 マグネシウムは、41ミリグラム
 「売れた物の半数以上が24時間以内に」
 100万平方キロメートルの巨大な実験都市
 オーケストラは理系のサークル活動?
 
----- 追記 2019.5.27 -------------------------------------------------------------------

 10のカテゴリーについては各2題出題する場合の図解を本文中に追加した。


 


お休みのお知らせ  カレンダーを利用しないのは、もったいない

 とある飲食店の、お休みのお知らせだ。 

お休み-1


 必要な情報は誤解の余地なく記されており、ちゃんと読めば分かるのが、なかなか「分かった」という気にはなれない。

 では、こんなふうに、カレンダーを利用して、休みの日の背景色を灰色にしたら、どうだろうか。

お休み-5

 一瞬のうちに理解でき、記憶にも定着するだろう。

 もしも、暦の世界に、月や曜日というものがなかったら、どうなるだろう。 
 

  2019年135日 = 2019年5月15日(水)


 休みは、128日、129日、134日、141日、142日、148日、と言われても、実感を伴わず、到底、記憶することなど不可能である。

 月や曜日という人為的な区切りを設けることによって、無色透明な毎日の連続にメリハリが生まれて、いつのことか、ということが理解されるのである。

 そして、それをカレンダーによって「可視化」することにより、一層、全体の見通しがよくなり、理解もしやすく、記憶にも定着するのだ。

 せっかく、無味乾燥な日々の連続を、カレンダーという形で構造化できるのだから、カレンダーを使わないのは、宝の持ち腐れというべきだろう。

 本稿に関連した記事としては、以下のものがある。

 【拘束時間の可視化
 
 【医院の診療時間は、こう書く

 【営業時間の表示は、こうする



司法試験合格率の推移  棒グラフと折れ線グラフの併用

Schulze BLOG 明日から司法試験】に過去8年間の司法試験の受験者数、合格率に関する数値が掲載されていたので、いつものごとく、グラフにしてみた。

合格者数-合格率


 合格者数を棒グラフ、合格率を折れ線グラフにしたのは、数は実体が存在するのに対し、率は計算によって算出される観念的なものであることから、視覚的にも、数は存在感のある棒グラフ、率は存在感の薄い折れ線グラフとするのが、直感に馴染むと考えたからである。

 合格率の色を灰色にしたのは、以前の記事【司法試験の合格率の推移  合格率のパラドックス】に掲載した下記のグラフで、受験者全体の合格率を灰色にしたのと合わせたものである。ここで別の色を使ったりすると、前のグラフと同時に見る人には混乱させることにもなりかねない。

司法試験合格率-訂正2


----- 追記 2019.5.15 -------------------------------------------------------------------

 初めのグラフに、データラベルを追加した。

合格者数合格率ラベル

 データラベルは、より厳密な情報の伝達というプラスの側面と、見た目が煩雑になるというマイナスの側面があるので、両側面を比較の上で用いなければならない。


組織内弁護士調査結果(続編)  無駄な情報は削ぎ落とす

 昨日の【組織内弁護士調査結果】の続編だ。

 【日本組織内弁護士協会(JILA)のサイト】では、過去数年間の調査結果や分析について、ダウンロードできるようになっている。

 
組織内弁護士調査-5

 「企業内弁護士に関するアンケート調査結果」「企業内弁護士アンケートの結果」という言葉が何度も出てきているが、情報としての意味はない。

 情報として、重要なのは、以下の3点である。
   ● いつの調査か
   ● 集計結果か、その分析か
   ● ダウンロードできるか否か

 この情報だけを整理すると、こうなる。

組織内弁護士調査-6

 元のサイトには、ファイルの大きさまで出ているが、パソコンの動作に影響を及ぼすような巨大ファイルならともかく、1メガにも満たないファイルの大きさに関心を持つ人はいないだろう。




組織内弁護士調査結果

 日本組織内弁護士協会(JILA)が、組織内弁護士に関する調査結果を発表している【組織内弁護士のアンケートデータ】。

組織内弁護士調査-1

組織内弁護士調査-2


 「組織内弁護士のアンケートデータ」という表題のもとに、「企業内弁護士に関するアンケート調査集計結果」へのリンクが設けられている。
 
 「組織」と「企業」が使い分けられているが、意識的な使い分けなのか、無頓着な「表記ゆれ」なのか、ここだけを見ても分からない。

 一般に組織という場合、企業に限らず、官公庁、自治体、学校法人、宗教法人等も含まれるのだが、「企業」内弁護士に限定してのアンケートなのだろうか。

 その点はさておき、とりあえず、調査結果を見てみた。

組織内弁護士調査-3


 こんな数字だらけの表が、全部で50以上も、ぎっしりと並んでいる。

 途中で、頭がクラクラして、読むのをやめた。

 とりあえず、年収に関する調査結果を分かりやすくグラフにしてみた。

組織内弁護士調査-4


分かりやすくするための工夫は、以下のとおりだ。

 ● グラフは、毎度おなじみの、エクセルのデータバーの機能を利用した。

 ● 数字が左に貼り付いていたのだが、余白を設けた。

 ● 数字の桁が上下で不揃いなのを揃えた。

 ● 中央値の属する区分、最頻値の区分の背景を灰色にし、全体の状況が一目で分かるようにした。

----- 追記 2019.5.13 -------------------------------------------------------------------
 
 本稿の続編【組織内弁護士調査結果(続編)  無駄な情報は削ぎ落とす】を書いた。





上告理由書の工夫  演出はほどほどに

 裁判所の「判決書」を、ご覧になったことはあるだろうか。

 グラフや図があるわけでもないし、見出しがゴシックになっているわけでもない。カラーが使われているわけでもないし、段落と段落の間に空白の行があるわけでもない。同じ大きさ、同じ書体の黒い文字が延々と連なっており、どの頁を見ても、同じように見えてしまう。

 他方、弁護士が裁判所に出す書面は、見出しをゴシックにしたり、重要部分にアンダーラインを引いたり、読みやすく、かつ、印象に残るように、様々な工夫を凝らしているものがある。

 そんな中、一票の価値の平等を訴える訴訟の上告理由書【選挙無効請求上告事件 上告理由書】を見たのだが、こうなっていた。

 
上告理由-1


 「正当性」の文字が、若干、大きすぎるような気もしたが、いかにして裁判官に訴えるか、様々な工夫を凝らしていることが窺えた。このあと、どんな工夫を凝らしているのか興味を持って読み進めて行くこと、こんなふうになっていた。

上告理由-2

 文字や背景に色をつけるのは、効果的ではあるが、全頁、こんな調子で色を使われると、読む方も疲れてくるし、全体の印象も、「なにか、ごちゃごちゃ色を使っていたな」という程度の印象しか残らず、逆効果ではないだろうか。

 さらに、こんな頁もあった。

上告理由-3

 強調部分にアンダーラインを引いているのだが、よく見ると、一頁の文章のすべてにアンダーラインが引かれている。

 これでは、強調の意味はない。

 幼稚園のときに見た紙芝居「アリババと40人の盗賊」の一シーンを想い出した。 
 

どろぼうはポケットからチョークを出して、カシムの家の戸に白い目じるしをつけました。そして大元気で、森の仲間のところへ帰って行きました。
 それからまもなく、モルジアナは、このへんな目じるしを見つけました。
 これはきっと、だんなさまに悪いことをしようとする者がつけたしるしにちがいない、とモルジアナは思いました。それで、チョークを取って来て、町じゅうのどの家の戸にも、みんな同じようなしるしをつけて歩きました
 さて、どろぼうたちは、町へ行った仲間から、あの切りきざんだ人間の家がわかったということを聞いて、大へんよろこびました。そしてその晩、戸に白い目じるしのついている家をさして、かたきうちに出かけました。けれども、町までおしかけて来た時、どの家の戸にも同じ目じるしがついているので、どれが目ざす家だか、かいもく知れませんでした

青空文庫 アリ・ババと四十人のどろぼう

 何をするにしても、ほどほどが大事、ということである。

 【実務に理解の深い教員の養成は急務なのだが・・・  過剰演出は不要
 【不要な情報はカットする



ロースクール入学者の推移

 【Schulze BLOG】に、ロースクール入学者総数と内訳(社会人出身、法学部以外出身)の昨年までの推移が載っていたので、折れ線グラフにしてみた。

 
ロー入学者


 ● 実数は実線、割合は点線とした。

 ● 内訳を表示するので、総数は中立的な色(無彩色である、灰色)を用いた。

 ● 凡例は、一箇所にまとめるのではなく、各グラフの近くに配置した。


物体に反射・透過する  助詞と動詞の対応関係

 【いちばんよくわかるWebデザインの基本きちんと入門】という本の52頁に、こんな記載があった。

  可視光線は、物体に反射・透過することによって波長が変わります。


 「物体に反射・透過」の部分が気にかかった。

 まずは、以下の5つの文を見てほしい。

【1】 物体に反射する
【2】 物体を透過する
【3】 物体に反射・透過する
【4】 物体を透過・反射する
【5】 物体に反射したり、物体を透過する


 名詞+助詞+動詞 の組み合わせで、どのような助詞が用いられるかは、名詞、動詞の組み合わせによって異なる。

 上記の【1】【2】のとおり、「物体、反射」なら「に」だし、「物体、透過」なら「を」だ。

 ところが、一つの名詞が二つの動詞と結びつく場合、助詞を一つしか用いないとすると、【3】【4】のように、直近の動詞に合う助詞を選択せざるを得ない。

 だが、そうすると、二つ目の動詞との関係では、選択された助詞は,必然的に不適切な助詞とならざるを得ない。

 それを防ぐには、【5】のように、動詞が二つなら名詞も助詞も二つにして、最適な助詞を選択するほかはない。

 ただ、そうすると、同じ名詞が2回出てきて、くどすぎる感じがする。

 【3】【4】と【5】とは、一長一短ということになり、常にどちらという訳には行かないようである。



 






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「時間泥棒」仕置人 (改称予定)

Author:「時間泥棒」仕置人 (改称予定)
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 玉石混淆の情報が溢れる社会の中で、効率よく、的確に、情報を取得し、提供するには、どうすればいいのか、ということを常に考えています。

 ところが、そんなことには無頓着な人も多いようで、読者に対する配慮の一欠片もない文章を目にすることがあります。

 難解な文章で読者の貴重な時間を奪ってしまう人達のことを、「時間泥棒」と名付けました。

 このブログは、「時間泥棒」を立派に更生させることを目的として開設したものです。

 記事を読んで、自分も「時間泥棒」かな、と思ったら、早速、改めて下さい。また、あなたの廻りに「時間泥棒」がいたら、あなたの力で立派に更生させてあげて下さい。

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